「パラ射撃」って一体どんなスポーツ?

簡単に言うと…

日本ではあまり馴染みのない射撃は、ヨーロッパでは人気の高いスポーツ。特にライフル射撃は、国際大会で陸上競技に次ぐ参加国数を誇っている。パラリンピックでは、1976年のトロント大会から正式競技となった。

クラス分けは選手の障がいの程度ではなく、銃器を上肢(手や腕)で保持して射撃する「SH1」と、銃器を上肢で保持できないため規定のスタンドを使用する「SH2」の2つに分けられる。

種目によっては満点を取るのに、直径わずか0.5mmの的の中心に命中させなければならない。1発ごとに集計結果と順位が電光掲示板に表示されるので、観客にも試合展開がわかりやすく、手に汗握る興奮を味わうことができる。

ココに注目!観戦が面白くなるポイントは?
(写真はロンドン2012パラリンピック)ⓒGetty Images Sport

パラ射撃で使う銃器は以下の5種類で、それぞれ的までの距離が異なる。

エアライフル(10m)・ライフル(50m)

エアピストル(10m)・スポーツピストル(25m)・フリーピストル(50m)

これらの銃で、制限時間内に規定の弾数の射撃を連続して行う。的には10個の同心円が描かれているが、10mエアライフル標的の中心の円は直径、なんと0.5ミリ。これが最高得点の10点圏となり、円の外側にいくにつれて等分に9~1点と得点が低くなる。さらにライフル種目では、電子計測によって各得点圏を10分割し、小数点以下まで得点が表示される。そのため、10点圏の中心に命中すると、最高得点の10.9点の満点を獲得。わずか0.1点を争う僅差の勝負になることもあるので、最後まで油断は禁物だ。

写真上:エアピストル、写真下:エアライフル(写真はロンドン2012パラリンピック)ⓒGetty Images Sport

ライフル種目では種目ごとにその射撃姿勢が決められている。パラリンピックでは、車いすの選手など下肢に障がいのある選手も参加するため、以下のようにルールが緩和されている。

身体を床に伏せた状態で射撃すること。3つの射撃姿勢の中で最も安定した姿勢になる。車いすの選手の場合は、車いすに取り付けたテーブルに、両肘を乗せて姿勢をとる。

片膝を立て、しゃがんだ姿勢で射撃すること。銃を支える方の肘を膝の上にのせることで比較的安定した姿勢が取りやすくなる。車いすの選手の場合、身体は車いすに座ったままで、銃を支える方の片肘のみを台の上に置いて射撃する。

立った状態で銃を構えて射撃すること。銃を支えた腕を自分の身体で支えるため、安定しずらく、最も難しい撃ち方と言える。立位のほか、車いすや射撃用のいすの使用が認められている。車いすの場合は両肘が背もたれや自分の脚などに触れぬよう、両腕で銃を保持して撃つ。

こうしたさまざまな姿勢で精神を統一させ、小さな的を狙うパラ射撃では、極限まで集中力が高まると、マラソンや球技でよく聞くゾーンに入る選手もいると言う。

パラ射撃を観に行こう!
(写真はロンドン2012パラリンピック)ⓒGetty Images Sport

日本で本格的に射撃競技を始めるには、銃砲所持の資格が必要となる。また練習場も限られているため、普段の生活の中で射撃風景を見ることはまずない。銃の持つ迫力と、1ミリ以下の的を狙う選手の研ぎ澄まされた精神力、そして一進一退の攻防を繰り広げる試合展開の迫力は、ライブならでは。この機会に、ぜひパラ射撃を観戦しに行こう!

https://www.parasapo.tokyo/schedule

text by Kaori Hamanaka(Parasapo Lab)

photo by Getty Images Sport

参考資料:

『かんたん! 射撃ガイド』(外部サイト:日本障がい者スポーツ協会)

https://www.jsad.or.jp/about/referenceroom_data/competition-guide_21.pdf