昨オフ、広島からポスティングシステム(入札制度)でのメジャー移籍に踏み切った前田健太投手がドジャースと結んだ契約が大きな話題となった。様々な意見があったが、1年目の前田はここまで期待に応える仕事ぶりで、大幅な“年俸アップ“を勝ち取っている。…

昨オフ、広島からポスティングシステム(入札制度)でのメジャー移籍に踏み切った前田健太投手がドジャースと結んだ契約が大きな話題となった。様々な意見があったが、1年目の前田はここまで期待に応える仕事ぶりで、大幅な“年俸アップ“を勝ち取っている。

■出来高で報酬積み上げるマエケン、現時点での年俸は約9億円に

 昨オフ、広島からポスティングシステム(入札制度)でのメジャー移籍に踏み切った前田健太投手がドジャースと結んだ契約が大きな話題となった。身体検査で問題が見つかったとして、基本給を低く抑える代わりにインセンティブ(出来高)を多く盛り込んだ8年契約。様々な意見があったが、1年目の前田はここまで期待に応える仕事ぶりで、大幅な“年俸アップ“を勝ち取っている。

 前田のケースは極端であるとはいえ、メジャーリーガーの契約には出来高が盛り込まれている場合が多い。では、今季、日本人選手の“リアル”な年俸は現時点でいくらになっているのだろうか。

 まずは前田。今季の基本年俸は300万ドル(約3億500万円)だが、登板試合数と投球回数に応じて出来高が増えていく形となっている。試合数は、15試合、20試合で100万ドル(約1億2000万円)ずつがプラスされ、25試合、30試合、32試合では150万ドル(約1億5300万円)ずつが追加される。前田はここまで29試合に登板しており、すでに350万ドル(約3億5640万円)をゲット。次回登板でさらに150万ドルを手にし、32試合登板もスケジュール的には可能だ。

 また、イニング数では90イニングで25万ドル(約2545万円)を手にし、その後は10イニングごとに25万ドルが増えていく。現在164イニングで、すでに計200万ドル(約2億4000万円)が加算されている。残り3試合に登板すれば、最終的には180イニングまでは届くと見られ、さらに50万ドル(約5100万円)を手にできそうだ。

 現時点では、基本年俸の300万ドルに、登板試合数で350万ドル、イニング数で200万ドルを手にしており、開幕ロースター入りのボーナス15万ドル(約1530万円)と合わせて計865万ドル(約8億8060万円)が今季の前田の報酬となっている。最大残り3試合の登板で、どこまで上積みできるだろうか。

■イチローや青木の契約にも出来高

 また、昨季から大きく“復調”したマーリンズのイチロー外野手は今季の基本年俸が200万ドル。250打席、300打席でそれぞれ30万ドル(約3050万円)が出来高として加算され、その後は50打席ごとに40万ドルを手にできる。現時点で350打席に立っており、ここまで100万ドルがプラスされて300万ドル(約3億5000万円)が今季年俸となっている。

 マリナーズの青木宣親外野手の契約にも出来高がついている。400打席から500打席まで25打席ごとに10万ドル(約1017万円)、525打席からは25万ドル(約2540万円)がプラスとなる。ここまでは428打席で20万ドル(約2025万円)を手にしており、基本給の550万ドル(約5億6000万円)と合わせて570万ドル(約5億8000万円)が現時点での報酬だ。

 その他、基本給が337万5000ドル(約3億4300万円)のレッドソックス・田澤純一投手は70試合登板で2万5000ドル(約254万円)の出来高がついていたが、149試合時点で52登板となっており、今季はボーナスに届かなかった。

 前田は来季以降も同じ契約内容で、投げれば投げるほど年俸は高くなる。契約破棄の条項もなく、球団側に圧倒的に有利な契約とも言えるが、チームのために投げ続ければ報酬アップにつながることは確か。今季のようにドジャースを牽引する活躍を毎年見せてくれることに期待したいところだ。