TennisTVが、ATPツアーの1月のベストショットとベストラリーのトップ15を発表。トップ3に選ばれたのはいずれも「ATPカップ」の試合で見られたミラクルショットと気迫のラリーだ。3位に選…

TennisTVが、ATPツアーの1月のベストショットとベストラリーのトップ15を発表。トップ3に選ばれたのはいずれも「ATPカップ」の試合で見られたミラクルショットと気迫のラリーだ。

3位に選ばれたのは「ATPカップ」のクロアチア対ポーランドのダブルスでイバン・ドディグ(クロアチア)が見せたミラクルショット。

ニコラ・メクティッチ(セルビア)が放ったショットをネット際で返されたドディグ。自身の左を抜かれると思ったドディグは、右手を後ろに回し、身体を半回転した。すると、ちょうどネットに対して背中を向けた状態のところでラケットにボールが当たり、そのままベースラインギリギリに落ちるロブショットとなってポイントが決まった。

2位に選ばれたのは「ATPカップ」のフランス対南アフリカのシングルスでブノワ・ペール(フランス)とケビン・アンダーソン(南アフリカ)が見せた気迫のラリーだ。

ペールがデュースサイドのネット際にドロップショットを放つと、アンダーソンが猛ダッシュでそれに追いつく。そしてなんとかすくい上げると、今度はペール側に際どいアングルのついたショットとなって返ってきた。ペールも必死に追いかけると、ダブルスサイドラインを越えたところで飛びつくようにリターン。それがアンダーソンのいないデュースサイドの奥深くに決まってポイントとなった。セットカウント1-1、ゲームカウント6-6というギリギリの場面で飛び出たこのラリーには、会場から大きな歓声が沸いた。

1位に選ばれたのは「ATPカップ」のギリシャ対ドイツのダブルスで、ステファノス・チチパス(ドイツ)が見せた、驚異のポール回しだ。

Andreas Mies(ドイツ)とMichail Pervolarakis(ギリシャ)のネット際の攻防で強烈なスマッシュを打たれたギリシャペア。このボールはネット際で大きくバウンドし、コート外に跳ねていく。普通なら諦めるところだが、それをチチパスは必死に追う。そして滑り込むようにラケットをボールに合わせると、低い弾道のポール回しとなって相手コートへ。そしてAndreas Miesの足下に鋭く決まった。

このランキングはATPツアーの試合から選ばれており、「全豪オープン」のものは含まれていない。だが、トップ3はいずれも「ATPカップ」から選ばれているのは興味深い。トップ選手が集う試合ということに加えて、国を代表しているため、また初めての大会であるために「絶対に勝ちたい」「絶対に1ポイント奪いたい」という思いがこうしたミラクルショットや驚異のラリーを生み出したのではないだろうか。

試合の勝敗が決まるとき以上に盛り上がることもあるこの瞬間。これを上回るプレーがこれから先、どれだけ出てくるのか、期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATPカップ」でのチチパス(右)とMichail Pervolarakis

(Photo by Bradley Kanaris/Getty Images)