日本チームのGMを務め、今年度からの参戦を目指す北島氏

 2月1日に東京都内で「スポーツアナリティクスジャパン2020」が開催された。これはスポーツアナリストの価値を再定義し、その領域を拡大するためにスタートしたカンファレンスで、今回で6回目。その基調講演で、元競泳選手で五輪金メダリストの北島康介氏が登壇し「ミレニアル世代のレジェンドと考える日本スポーツ界の未来」と題したテーマで、日本競泳界に一石を投じる新たな取り組みについて熱弁をふるった。

 北島氏が今取り組んでいるのが、「インターナショナル・スイミング・リーグ」への日本チームとしての参戦だ。これは、2019年10月にスタートした世界のトップスイマーが集う新設のリーグ戦で、決勝大会を含めると全7戦で争われている。初年度は、アメリカ4、ヨーロッパ4の計8チームが所属。レースを得点化して争われる高額賞金をかけた団体戦だ。

「今までの水泳とは違う革新的な大会で、2時間という枠の中で、演出も楽しくして、早いテンポでレースが行なわれている。昨年は世界的な選手の75%以上が参加していた」

 初年度、日本人選手で唯一ヨーロッパのチーム「エナジー・スタンダード」の一員として参戦したのが瀬戸大也。12月末の決勝大会に出場した瀬戸は、400メートル個人メドレーで短水路の世界新記録をマークした。

 今、北島氏が取り組んでいるのが、日本人選手によるチームの結成だ。実際に参戦するのは、東京オリンピックが終了した9月を予定している。そのタイミングでカナダからも1チームが参加し、計10チームによりリーグ戦が始まる。

「今回、僕がGMを務めて、日本チームを作っていく。今は国際水泳連盟の競技日程を邪魔しないような日程を組んでいるが、定着していけば、こちらを優先していくのではないかなと思う。そのうち日本のチームに入りたいけど入れない選手が出てくると思う」

 昨年のリーグ戦開幕時には、日本チームの参戦がなかったことに疑問を持っていた北島氏だが、決勝大会を観戦し、日本チーム結成の任を託された今、競泳界に明るい未来を見出している。日本競泳界プロ選手第1号など先駆者的な活動をしてきた北島氏が、今度は新たな領域で、大きな波を起こそうとしている。