ドジャースの前田健太投手が16日(日本時間17日)の敵地ダイヤモンドバックス戦で5回を3安打6奪三振1失点(自責1)に抑え、チームを3-2の勝利に導いた。■昨季ドジャースで19勝グリンキー、直接対決は前田健太の2戦2勝 ドジャースの前田健太…
ドジャースの前田健太投手が16日(日本時間17日)の敵地ダイヤモンドバックス戦で5回を3安打6奪三振1失点(自責1)に抑え、チームを3-2の勝利に導いた。
■昨季ドジャースで19勝グリンキー、直接対決は前田健太の2戦2勝
ドジャースの前田健太投手が16日(日本時間17日)の敵地ダイヤモンドバックス戦で5回を3安打6奪三振1失点(自責1)に抑え、チームを3-2の勝利に導いた。これで球団1年目ルーキーでは最多となる15勝目(9敗)を飾った。この日投げ合ったのは、昨季まで左腕クレイトン・カーショー投手とドジャースで二枚看板を形成し、今季6年2億650万ドル(約211億1900万円)の大型年俸で移籍した右腕ザック・グリンキー投手。前回に続き、今季2度目の“対決”も前田が制したことで、地元メディアはグリンキーを凌ぐ前田の活躍ぶりに注目している。
「前田健太はドジャースのオフの決断を賢明に見せている」と特集したのは、米スポーツ専門テレビ局「ESPN」だ。この日、1年目ルーキーとしてドジャースの歴史に残る白星を挙げた右腕に対して、昨季は19勝3敗で防御率1.66と衝撃的な活躍を見せたグリンキーは、6回3失点で今季7敗目(12勝)を喫した。防御率は4.42と、今季は荒れ模様のシーズンを送っている。
記事では、メジャーリーグのベテランスカウトによる前田とグリンキーの比較を紹介。「今季、前田とグリンキーのどちらがいいピッチャーか?」という質問に対し、そのスカウトは「前田」を選び「疑う余地はない」と断言したそうだ。一方、「ポストシーズンではどちらが信頼できるか?」という問いには「返答が難しい」と語ったという。短期決戦のポストシーズンでは、瞬発力的な勝負強さが求められると同時に、経験も勝敗を分ける大きなカギとなる。日本では実績があるものの、メジャーでは“新人”の前田は未知数なのだろう。
前田自身はサイ・ヤング賞投手であるグリンキーとの比較には興味がないようだ。記事によれば、「自分と彼の比較はあまり考えていません。彼は非常に実績のある投手。長い間メジャーで投げている。ですから、比較というのは、あまり考えていません」と通訳を介して話したそうだ。
■「本当に野球に関して研究決心」とロバーツ監督は感心
昨季19勝を挙げたグリンキーを引き留められなかったドジャースは、先発ローテで大幅に戦力ダウンし、ペナントレースは苦戦するものと思われたが、現在ナ・リーグ西地区を独走中。開幕後も故障者続出という度重なる逆境に立たされてきたロバーツ監督は、何よりも先発ローテーションを守り続ける前田の成長ぶりに満足しているようだ。
「ケンタは、本当に野球に関して研究熱心。彼は打者の情報を集め続けている。スカウティングレポートを見たり、その日の投球での感触を吸収している。彼の中に蓄積された情報は、間違いなく増えている。自分自身の最高のボールであっても、そうでないボールであっても、メジャーの舞台で安定してアウトを取れるようになった。自信につながっているんだよ」
こう語ったという監督は、最近の投球内容から、前田の速球に対する自信の高まりも感じているという。
「ケンタが自信を持っていると感じられるのは、個人的にもいいことだと思う。シーズン序盤は、速球は外角に投げるだけだった。あるいは、右打者の内角には投げづらそうだった。(速球に対して)今はより確信があるんだろうね」
地区優勝からプレーオフ進出、さらにはワールドシリーズ制覇を目指すドジャースにとって、大型年俸のグリンキーと袂を分かち、比較的お買い得の前田を手に入れたことは、何よりも懸命な選択だったのかもしれない。