世界陸上競技連盟(世界陸連)は1月31日、競技用シューズの新ルールを発表。40mmを超える靴底を備えたシューズを禁止とするほか、4月30日以降の競技での着用には、4ヶ月の市販期間を経る必要があることを明らかにしました。争点になったナイキ社…

 世界陸上競技連盟(世界陸連)は1月31日、競技用シューズの新ルールを発表。40mmを超える靴底を備えたシューズを禁止とするほか、4月30日以降の競技での着用には、4ヶ月の市販期間を経る必要があることを明らかにしました。

争点になったナイキ社の厚底シューズ、一部OKに

 近年、長距離界では、NIKE(ナイキ)の厚底シューズが台頭。着用選手が続々と好タイムを出す一方で、その存在が議論の対象となってきました。

▲「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」(Photo:NIKE プレスリリースより)

 そんな中、今回発表された世界陸連による新ルール。いわゆる厚底シューズとして業界を席巻してきた「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」は靴底の厚さが36ミリメートルのため、使用可能です。同シューズにはカーボンファイバー(炭素繊維)製のプレートが内蔵されていますが、これも1枚までは使用可能となりました。

 そうなると、次に気になるのがNIKEの動きです。2019年10月には、エリウド・キプチョゲ選手がNIKE ネクスト%のプロトタイプとされるシューズを履き、非公認ながら1時間59分40秒と2時間の壁を破ったことが話題になりました。

▲2019年10月、非公認レースで2時間切りを達成したキプチョゲ選手。手にしているのは、そのレースで履いたネクスト%のプロトタイプ(Photo:NIKE プレスリリースより)

 今夏には東京オリンピックを控え、直近ではその選考レース(国内では「東京マラソン 2020」(男子)、「名古屋ウィメンズマラソン 2020」(女子)、「第75回びわ湖毎日マラソン大会」(男子))が佳境を迎えます。今後、NIKEをはじめ、シューズを手掛けるスポーツメーカー・ブランド各社がどのようにして仕掛けてくるのか、注目です。

<Text:辻村/Photo:Getty Images、NIKE>