ルール変更によるメリットを誰よりも受けるのは大谷でありエンゼルス。メジャー公式HPは「ルール変更でどのように大谷の価値…

 ルール変更によるメリットを誰よりも受けるのは大谷でありエンゼルス。メジャー公式HPは「ルール変更でどのように大谷の価値は増加するか」という見出しを付け、2020年シーズンから新たに導入される「二刀流」というポジションの価値を説いた。

二刀流の導入により、大谷が受けるメリット

 

 従来の日米プロ野球では出場選手は投手、捕手、内野手、外野手の4つの登録ポジションに分類されてきた。大谷は日本ハムでも、メジャー移籍後も、登録ポジションとしては「投手」だった。各種メディアの表記も、野手として活躍した試合結果を報じる時でも「大谷翔平投手」としていた。そこに大谷の活躍により、新たな登録ポジションが加わる。

 二刀流の導入により、まず大谷が受けるメリットがリハビリ過程となりそうだ。大谷は2018年10月に、全治1年以上となる右肘のトミー・ジョン手術を受けた。それにより、2019年は一度も登板せず、野手一本に専念した。右肘のリハビリ、強化プログラムは、術後1年以上が経つ今も継続されており、2020年の開幕はまだ野手一本で、投手としてはマイナーでリハビリ登板を重ねていくことが濃厚となっている。

 ビリー・エプラーGMは、その過程に「二刀流」というポジションが生むルール変更が生きると説く。従来のルールならば、大谷がマイナーでリハビリ登板をするためには、負傷者リスト(昨季までは最低でも10日間。今季から投手は15日間に変更)に入れて、一定期間はメジャーの出場選手登録枠を外れる必要があった。

 だが同GMはMLBネットワークのラジオで「マイナーでリハビリ登板をし、我々が使おうと思えばその翌日にでも野手としてメジャーの試合に出場することができる」と説明した。メジャーの打席で野手として出場しながら、マイナーのマウンドでメジャー復帰に必要な投手としての筋力や試合勘を取り戻す作業を、同時並行していけるというわけだ。

・今すぐ読みたい→
元対戦コーチが語る大谷翔平のポテンシャル(前編) 「メジャーで三冠王狙える」(https://cocokara-next.com/athlete_celeb/shoheiotani-potential-01/)

選手が「二刀流」としての登録資格を得るための条件

 またもう一つのルール変更が、ベンチ入り選手枠の拡大だ。長く続いたメジャーの25人枠が、26人に拡大される。同時に投手の登録は13人までと制限される。二刀流の大谷は投手にはカウントされない。実質的にベンチに投手を14人置くことが可能となる。

 選手が「二刀流」としての登録資格を得るためには、同一シーズンで投手として20イニング以上に投げ、DHを含む野手として先発出場し3打席以上立つ試合を20試合以上経ないとならない。大谷は昨季は1試合も投げていないため、直近シーズンという意味ではこの規定からは外れる。ただ2018年シーズンにはこの規定を楽々とクリアしており、エンゼルスはMLB機構にかけ合い、今季開幕からの二刀流としての登録を特例として認めてもらう方針だ。その点に関しては楽観的に捉え、手応えはあるという。

 右肘、そして昨年10月にメスを入れた左膝と、足かせだった全身の負傷は癒えつつある。ルール変更などによる力強い追い風も背に、二刀流完全復活へのシーズンに挑む。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

・今すぐ読みたい→
元対戦コーチが語る大谷翔平のポテンシャル(前編) 「メジャーで三冠王狙える」(https://cocokara-next.com/athlete_celeb/shoheiotani-potential-01/)