リバプール対サウサンプトンの一戦が、今週土曜日の現地2月1日(日本時間2月2日)に行なわれる。サウサンプトンの吉田…

 リバプール対サウサンプトンの一戦が、今週土曜日の現地2月1日(日本時間2月2日)に行なわれる。サウサンプトンの吉田麻也とリバプールの南野拓実の日本人対決に注目が集まるが、現時点で両選手は出場機会に恵まれていない(※市場閉幕日の1月31日、吉田はイタリア・サンプドリアへのレンタル移籍が発表された。契約期間は今季終了時まで)。



吉田麻也が南野拓実に送ったアドバイスとは?

 31歳の吉田は若手を重視するラルフ・ハーゼンヒュットル監督の構想から外れ、ベンチを温める試合が続いている。一方の南野もリバプールに加入したばかりで、レギュラー組の壁を打ち破れていない。出番が限られている理由はそれぞれだが、ふたりがピッチで相まみえる可能性はあまり高くなさそうだ。

 日本代表で主将を務める吉田は、サウサンプトンでプレミアリーグ在籍8シーズン目を過ごしている。オランダのVVVフェンロから英国南部のサウサンプトンに移籍したのは2012年8月。オーバーエイジ枠で参加したロンドン五輪での活躍が認められ、「夢だった」というプレミアリーグにやって来た。

 吉田のプレミアデビュー戦は、9月15日に行なわれたアーセナル戦だった。この試合で初のベンチ入りを果たした吉田は、味方DFの負傷に伴い、前半28分から急遽ピッチに立った。

 だが、当時プレミア昇格1年目のサウサンプトンは、強豪アーセナル相手に大苦戦。吉田もコートジボワール代表FWジェルビーニョ(現パルマ)らのスピードに苦しんだ。チームはシュートをひたすら浴び、1−6の屈辱的な大敗を喫した。

 吉田に7年半前の入団時のことを聞いてみると、「みんな速くて、強くて、うまいって思いましたよ」と振り返る。そして、リバプールに加入した南野について話が及ぶと、「僕が受けた衝撃以上のものを今、感じていると思います」と語った。

 南野が途中交代で出場したウルバーハンプトン・ワンダラーズ対リバプール(1月23日)戦をテレビで観戦したという吉田は、次のように言葉をつないだ。

「ウルブス対リバプール戦を見ました。まず(南野は)スピードに慣れないといけない。リバプールはとてもスピードが速いですから。プレーを見てもらったらわかると思いますけど、他の選手のスピードやテンポに、まずアジャスト(適応)することが一番だと思います。

 それは単純に足の速さということではなく、『状況判断のスピード』や『ボールスピード』、『プレスのスピード』のことです。南野本人が一番わかっていると思います。ただ、日々練習していくなかで、どんどん、どんどん向上していくはず。だから毎日、必死だと思いますよ。こういう時が一番、選手として伸びますから」

 リバプールの最大の強みが、吉田の指摘する「スピード」だ。目が回るほど素早くパスを回し、チャンスと見れば縦に速いアタックで敵陣へと襲いかかる。

 パススピード自体も速く、ボールを奪われた瞬間から即時奪回を目指すゲーゲンプレスの強度も高い。しかも、ピッチ上にいる選手たちが瞬時に状況を判断し、すぐに行動に移す。とくに「フルスロットル」でプレーしている時のリバプールはこの傾向が顕著で、「判断&実行」を超高速で連続して行なう。

 こうしたリバプールの動きに、南野はまだ完全に適応できていない。レギュラーメンバーと初めて一緒のピッチに立ったウルバーハンプトン戦では、南野にボールが入るとプレーのテンポが落ちてしまった。南野はボールを受けて一度考え、そこから次の動きを決めているようだった。

 もちろん、現時点では仕方がない面もある。試合展開もプレースピードも速いプレミアリーグは、順応に3〜6カ月の時間が必要と言われる。

 そのなかでも、リバプールの”速さ”は別格。今やレギュラーに定着したブラジル代表MFファビーニョも、チームのプレーに順応するのに半年かかった。南野もリバプールのプレーテンポに合わせ、感覚的に動けるようになるには、もう少し時間がかかりそうだ。吉田は言う。

「テレビで見ていても、(南野のプレーに)若干遅れを感じました。あそこでテンポダウンしてしまう。ちょっと探り、探りやっている感じがありました。でも、僕が思うに(もっと)ガンガン行ってもいい。というのも、周りの選手が合わせてくれるから。そうやっても大丈夫だと思いますよ」

 日本代表の一員として戦った昨年11月のカタールW杯アジア2次予選以来、吉田と南野は顔を合わせていない。リバプールへの入団が決まった後も会っておらず、プレミアの先輩である吉田は、とくにアドバイスも送っていないという。

「サウサンプトンは、リバプールまで遠いですから。なんかあれば言ってくるでしょ!? 子どもじゃないんだから!」と、吉田は笑っていた。

 とは言うものの、日本代表の仲間である南野の動向は遠く離れていても気になるようだ。思いっきりやってほしい——。そう切に思いながら、「(南野は)能力あるから大丈夫です」と、吉田は25歳のアタッカーにエールを送っていた。