40歳の大台に乗りながらも第一線で戦う2輪界のレジェンド、バレンティーノ・ロッシ(イタリア)が今季限りでヘルメットを脱ぐかもしれない。所属しているヤマハ発動機から1月29日にロッシが今季を最後にモトGPのファクトリーチームを離れるとの発表…

 40歳の大台に乗りながらも第一線で戦う2輪界のレジェンド、バレンティーノ・ロッシ(イタリア)が今季限りでヘルメットを脱ぐかもしれない。所属しているヤマハ発動機から1月29日にロッシが今季を最後にモトGPのファクトリーチームを離れるとの発表があったのだ。

 

2月16日に41歳を迎えるバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ発動機提供)

 

レジェンドにも世代交代の波が

 

 同時に昨季、ヤマハ系のサテライトチーム、セパンレーシングでモトGPデビューした20歳のファビオ・クアルタラロ(フランス)を2021年からロッシの後任として迎えることを明らかにした。もちろん、今シーズンはまだ始まっていない。このタイミングで来季に関する発表をしたことは世代交代の波が押し寄せたことを意味する。

 ロッシからも「ヤマハからは将来について今年初めには答えを出すようにお願いされた。昨季中にも言ったたが、私としては決断を急がず、時間をかけて考えたいと思っている。ヤマハはそれを理解してくれた」とのコメントが出たが、肩をたたいたのはヤマハ側のようだ。

 新鋭のクアルタラロへの周囲の評価が高く、このままサテライトチームに居続けた場合は、他のメーカーに移籍されてしまう恐れがある。ロッシの契約を見直す以外に方法がなかったようだ。

 ロッシはロードレース世界選手権を戦って今季で25年目。ここまで最高峰クラスで5連覇を含む7度のタイトルに輝いた。下部クラスの125㏄(現モト3)、250㏄(現モト2)を合わせると9度もチャンピオンを獲得した。

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オートバイWGP、ケガをしても休む訳には行かない理由(https://cocokara-next.com/athlete_celeb/motorcycle-wgp-cant-rest-even-if-i-get-hurt/)

まだ引退が決まったわけではないが・・・

 

ロッシは今季で現役生活にピリオドを打つ可能性はある(ヤマハ発動機提供)

 

 ところが寄る年波には勝てなかった。2017年オランダGPを最後に優勝から遠ざかっており、昨季も表彰台はシーズン序盤にマークした2回のみ。運転席に固定された状態で走る4輪の世界と異なり、2輪は全身を使って走る。年齢を重ねていけば、体力を維持するのも難しくなる。2月16日で41歳となるロッシ。ファクトリーチームを引っ張っていくのは限界だったともいえる。

 もちろん、引退が決まったわけではない。シーズン半ばの7、8戦までの戦績や内容をみて判断を下すという。現役を続行した場合はヤマハ側からロッシにファクトリー仕様のバイクを提供され、技術サポートを受けられる予定だ。引退した場合、ヤマハはブランドアンバサダーのポストを用意するという。

 ロッシを引きずり降ろしたクアルタラロは1999年の生まれ。ロッシはその年に250㏄タイトルを獲得し、翌年に最高峰クラスにステップアップした。四半世紀にわたって栄華を築いてきたロッシの時代は、まもなく終焉(しゅうえん)を迎える。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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