15日(日本時間16日)レッドソックス戦で7回4安打1失点と好投しながら、勝敗つかずに終わったヤンキース田中将大投手。だが、その防御率は8月上旬をピークに少しずつ降下し、ついにリーグトップの2.97となった。■ヤンキース先発投手では1980…

15日(日本時間16日)レッドソックス戦で7回4安打1失点と好投しながら、勝敗つかずに終わったヤンキース田中将大投手。だが、その防御率は8月上旬をピークに少しずつ降下し、ついにリーグトップの2.97となった。

■ヤンキース先発投手では1980年メイ以来の防御率タイトル

 15日(日本時間16日)レッドソックス戦で7回4安打1失点と好投しながら、勝敗つかずに終わったヤンキース田中将大投手。だが、その防御率は8月上旬をピークに少しずつ降下し、ついにリーグトップの2.97となった。16日現在、規定投球回に達しているア・リーグ先発投手で防御率が2点台なのは、なんと田中だけ。開幕から安定した活躍を披露している右腕は、サイ・ヤング賞候補の声も上がっているが、もしこのまま防御率タイトルを獲得すれば、ヤンキース先発投手では1980年以来の快挙となるそうだ。球団傘下のスポーツ専門チャンネル「YESネットワーク」電子版が伝えている。

 多くの名投手を輩出してきたヤンキースだが、実は防御率タイトルには縁が無かった。記事によれば、ヤンキース先発投手で最後に防御率王となったのは、1980年のルディ・メイ(防御率2.46)。その前にも、ロン・ギドリーが1978年(1.74)と1979年(2.78)に2年連続でタイトルを獲得しているが、その後に登場したペティートやムッシーナ、サバシアといった名だたる投手たちでも、防御率タイトルをつかむことはできなかった。

 田中はメジャー1年目の2014年も防御率2.77を記録しているが、この時は右ひじ靱帯に部分的損傷が見つかったため20試合の登板にとどまり、投球回数は136回1/3で規定数に達していなかった。今季はすでに自身最多30試合に先発し、193回2/3を投げているが、なぜこれだけ低い防御率を保っていられるのか。記事では、活躍のカギの1つは「被本塁打数の減少」にあると指摘している。昨年は9回あたり1.5本塁打を許していたのが、今季はほぼ半分の0.8本塁打に減少。一発に泣く試合が減ったというわけだ。

■30試合のうち24試合で6イニング以上を投げる持久力

 さらに、今季は安定して長いイニングを投げていることも、防御率降下につながっているようだ。今季先発した30試合のうち24試合で6回以上を投げ、19試合で3失点以下に抑えている。相手打線に得点を許さなかったのは6試合あるが、そのうち2試合で白星を記録していない。記事によれば、今季の田中は打線の援護が3点以下だったことが7試合もあった。これまで30試合で投げて13勝4敗。つまり、13試合で勝敗つかずに終わっているが、チーム自体は9勝4敗と勝ち越しに成功している。以前よりも安定して長いイニングを投げ、失点を少なく抑える試合が増えているのだから、防御率は必然と下がってくるだろう。

 今季ア・リーグのサイ・ヤング賞争いには、クリス・セール、コーリー・クルーバー、ジャスティン・バーランダーらが名を連ね、田中を勝利数や奪三振数などで上回っている。だが、もし田中が防御率2点台のままタイトルを獲得すれば、日本人初サイ・ヤング賞投手が誕生する可能性は一気に高まりそうだ。先発ローテ通りなら、レギュラーシーズン終了までに田中がマウンドに上がるのは、あと2回。このまま防御率を下げ続けることができるのか。チームのプレーオフ進出争いと合わせて、田中の投球内容にも注目が集まる。