デビスカップ・ワールドグループ準決勝「イギリス対アルゼンチン」(9月16~18日/イギリス・スコットランド・グラスゴー/室内ハードコート)の初日。 アルゼンチンは、フアン マルティン・デル ポトロとギド・ペラの、シングルスの勝利のおかげ…

 デビスカップ・ワールドグループ準決勝「イギリス対アルゼンチン」(9月16~18日/イギリス・スコットランド・グラスゴー/室内ハードコート)の初日。

 アルゼンチンは、フアン マルティン・デル ポトロとギド・ペラの、シングルスの勝利のおかげで、前年度優勝国のイギリスに対して2勝0敗とリードし、2011年以来のデビスカップ決勝に一歩近づいた。

 デル ポトロは5時間7分の激戦の末に、6-4 5-7 6-7(5) 6-3 6-4でアンディ・マレー(イギリス)を下して、リオ五輪決勝のリベンジを果たし、マレーのデ杯でのマッチ14連勝に終止符を打った。この日の対戦は両選手にとって、キャリアでもっとも長い試合だった。  ペラは、カイル・エドマンド(イギリス)を6-7(5) 6-4 6-3 6-2で下した。つまりアルゼンチンは、もし土曜日のダブルスに勝てば、最終日を待たずして勝利をつかむことになる。ダブルスは、アルゼンチンがフェデリコ・デルボニスとレオナルド・メイヤー、イギリスがアンディ&ジェイミーのマレー兄弟が出場する予定になっている。  しかし、初日に体を酷使したアンディ・マレーが、本当に予定通り土曜日にプレーするかには疑問符がつく。対デルポトロ戦でマラソン・マッチを強いられたことは、ウィンブルドンとリオ五輪の双方で2連覇を果たした過密な“長い夏”の終わりに、アンディがもっとも望んでいなかったことだ。体力をしぼり取られる最終セットで、アンディはときどき足元がおぼつかないようにさえ見え、デル ポトロのフォアハンドの連打に対処できなかった。  「僕は自分の戦いぶりを誇りに思う。素晴らしい試合をしたと思う」とアンディ・マレー。「僕はすべてのポイントのために戦い、可能な限りの力を尽くそうとしていた。それが、僕ができるすべてだ」。

  「(勝利と敗北を分けたのは)非常にわずかな差だった。テニス、そしてスポーツの世界では、ときにそういうことも起こる。どちらが勝ってもおかしくない試合だった」  デル ポトロは、第5セットの3度目のチャンスで、勝負を分けるブレークを果たした。マレーのアングルボレーに対して、フォアハンドで、ダウン・ザ・ラインに切り返して決め、4-3とリードを奪ったのだ。彼はそのリードを保ち、最後はサービスエースを決めてキープし、雄叫びをあげるとともに勝利をもぎとった。マレーはここまで、ホームでのデビスカップで一度もシングルスの試合に負けたことはなかった。  2009年全米チャンピオンだったデル ポトロは、彼のキャリアにストップをかけた3度にわたる手首の手術から復帰したあと、ふたたびテニス界の強豪に返り咲きつつある。

 彼はアルゼンチンのトップ選手だが、故障による活動休止のためランキングが落ち、上がってきた今もまだ64位にすぎないため、アルゼンチンのナンバー2として第1試合でアンディ・マレーと対戦することになった。  「これは想像しがたい瞬間だ」とデル ポトロは言った。「これは僕が(故障で)家にいたときに、恋しく思っていた類の試合だった」  アルゼンチンは、ここ15年で11度目のデビスカップ準決勝をプレーしている。彼らは1981年、2006年、2008年、2011年に準優勝しているが、まだ一度も優勝したことはない。(C)AP