オーストラリアでのテニス大会運営を行うオーストラリアテニス協会が、世界のテニスコミュニティを動かし、見事な品揃えのチャリティーオークションによって森林火災の救済資金を募ることを実現した。オース…

オーストラリアでのテニス大会運営を行うオーストラリアテニス協会が、世界のテニスコミュニティを動かし、見事な品揃えのチャリティーオークションによって森林火災の救済資金を募ることを実現した。

オーストラリア史上最大のライブテニスオークションはすでに開始しており、一生に一度の経験や記念品を購入するために、世界中の誰でも入札することが可能。全ての収益は、森林火災の救済のために使われる。

出品されているのは、2020年「全豪オープン」優勝者2人との写真、2018年「全米オープン」決勝で大坂なおみ(日本/日清食品)が履いていたシューズ、ゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)による1時間のテニスレッスン、落札者とその友人6人で参加できるニール・ペリー(オーストラリアの有名シェフ)の食事、世界1位のラファエル・ナダル(スペイン)と「ATPカップ」のスペインチーム選手たちが描いた絵、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のシューズ・サイン入りのテニスウェア・サイン入りラケット、そしてメルボルン・パークでのライブコンサートなど、ここでしか手に入らないものが今後も追加される。

テニス関係者とファンたちは、森林火災の救済のために必要とされている資金をオーストラリアの夏の間に募るため結集し、オーストラリアテニス協会による「エース・フォー・ブッシュファイア・リリーフ(森林火災の救済のためのエース)」運動を通してすでに510万オーストラリアドル(約3億7865万円)を集めている。

別の運動では、テニスファンと選手に「エース・フォー・ブッシュファイア・リリーフ」に寄付を行うことを呼びかけている。ファンは自由に金額を設定することができ、「全豪オープン」中に好きな選手がエースを打つたびにその額を寄付する仕組みだ。

1月20日時点で最も多くの寄付の申し出を受けているのはロジャー・フェデラー(スイス)で、116人の寄付申し出により、エース1回につき合計523.35ドル(約4万円)が寄付される。ニック・キリオス(オーストラリア)は67人の寄付申し出で合計300ドル(約2万2000円)、ラファエル・ナダル(スペイン)は59人の寄付申し出で合計202.5ドル(約1万5000円)、アシュリー・バーティ(オーストラリア)は28人の寄付申し出で合計101ドル(約7,500円)が、各選手のエース1回ごとにそれぞれ寄付される。

オーストラリアで開催される「全豪オープン」「ATPカップ」「ブリスベン国際」「ATP250 アデレード/アデレード国際」「ホバート国際」「キャンベラチャレンジャー」(ベンディゴで開催)の大会中に打たれたエース1本につき100ドル(約7,500円)がテニスコミュニティから寄付されることになっているが、この運動では、これに追加する形で寄付が行われる。

「全豪オープン」大会ディレクターのクレイグ・ティリー氏は「世界のテニスコミュニティの寛大さには圧倒されっぱなしです。甚大な被害をもたらしている森林火災で被害を受けた人々のために、選手、関係者、ファン、そして他のテニス関連団体が団結して資金を集めています」と語った。

「素晴らしい寄付金の集まりに感謝していますが、これがただの序章であればいいと思います。大会に関わる全ての人に、寛大な寄付を呼び掛けます。選手たちは貴重な私物を寄付したり時間を差し出したりすることでこれに応えてくれています。私たちはこの偉大な目的に貢献できるよう、国内外の協力者たちと共に働きかけを続けます。“全豪オープン”が始まり、我々はひどい火災のせいで喪失や苦痛に苦しんでいる人々に思いを寄せています。状況を少しでも変え、人々の生活とコミュニティを立て直す後押しをするために、できる限りのことを続けていきます」

※為替レートは2020年1月27日現在

※写真は「全豪オープン」で練習しているキリオス

(Photo by Chaz Niell/Getty Images)

翻訳ニュース/ATPTour.com