アンディ・マレー(イギリス)が戻ったイギリスは決勝進出を果たすため、今週末のデビスカップ準決勝でアルゼンチンに対して1928年以来の勝利を目指す。 マレーはリオ・オリンピックで金メダルを獲得したあと、ATP1000のシンシナティで決勝に…

 アンディ・マレー(イギリス)が戻ったイギリスは決勝進出を果たすため、今週末のデビスカップ準決勝でアルゼンチンに対して1928年以来の勝利を目指す。

 マレーはリオ・オリンピックで金メダルを獲得したあと、ATP1000のシンシナティで決勝に進み、全米オープンでは準々決勝に進出。その彼がこのデ杯のシングルスとダブルスの双方を戦うためのエネルギーを十分残している、とイギリス・デ杯監督のレオン・スミスは言った。

 マレーは一年前の準決勝、対オーストラリア戦でもシングルスと5セットにおよんだダブルスをプレーし、その根性を証明して見せている。

 「彼が疲労しているのは間違いない。この夏の彼は、本当に多くの試合をプレーしてきたからね」とスミス。「彼は昨年の対オーストラリア戦で痛みや疲れに苛まれていたけれど、コートに出て全力を尽くした。その姿勢が変わるとは思わない」。

 金曜日のシングルスの第1試合で、マレーのフィットネスレベルは試される。そこで彼はフアン マルティン・デル ポトロと対戦するが、それはリオ五輪決勝の再現となる。

 デル ポトロは7月の準々決勝でアルゼンチンがイタリアに勝ったときはまだ調子を上げようとトライしている段階で、ダブルスをプレーしたにすぎなかった。その後、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対する勝利を含むリオ・オリンピックでの進撃があり、そのあと全米オープンでベスト8に進出した。彼は連戦をこなせるだけのフィットネスを取り戻し、マレーに対する2勝6敗の対戦成績を改善しようと燃えている。

 デル ポトロはアルゼンチン代表チームの中でもっともランキングの低い選手であり、監督のダニエル・オルサニックは木曜日の組み合わせ抽選までラインナップを明かさなかった。

 アルゼンチンのもうひとつのシングルス出場者は対イタリア戦で2つのシングルスに勝ち、インディアンウェルズでマレーを倒しているフェデリコ・デルボニス(世界41位)が有力と見られたが、ギド・ペラ(世界49位)を起用した。ペラは初日のシングルス第2試合で、イギリスのカイル・エドマンド(世界55位)と対戦する。最終日のシングルスでマレーと対戦するのは現時点ではペラとなるが、デルボニスと交代することもあり得るだろう。

 アルゼンチンはここ15年で11度目の準決勝を戦う。それは、アンディ・マレーや彼の兄で全米男子ダブルス優勝者のジェイミー・マレーというデビスカップのディフェンディング・チャンピオンたちと相対し、さらにマレー兄弟の故郷であるスコットランド・グラスゴーの地元ファンたちが彼らのバックアップにつく中で試合をしなければならないということを意味する。

 もしも下馬評通りにイギリスが勝てば、彼らはクロアチアがホームの室内ハードコートでフランスを破った場合に限り、11月の決勝をホームで開催することができる。

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 もうひとつの準決勝は「クロアチアvsフランス」だ。

 膝の故障を理由にガエル・モンフィスがフランス代表入りを辞退したため、クロアチアの勝利の可能性は幾分上がった。先週、モンフィスは全米オープンの準決勝に進出したが、その試合のあとに膝を痛めたことを明かした。

 フランス代表はすでにジョーウィルフリード・ツォンガを故障で失っており、今年7月にデ杯デビューを飾ったばかりのルカ・プイユとベテランのリシャール・ガスケが率いる。プイユは先の全米オープン4回戦でラファエル・ナダル(スペイン)に対して劇的な勝利を挙げたばかりだ。

 クロアチアは7月の準々決勝でアメリカと対戦し、マリン・チリッチ、ボルナ・チョリッチの奮闘により0勝2敗の劣勢から逆転勝利を収めた。以降、チリッチはシンシナティでマレーに勝って優勝を果たしたが、チョリッチは膝の腱の炎症のため、全米オープン1回戦を棄権した。彼は回復するために3週間を擁している。(C)AP(テニスマガジン)