あるボールガールが経験したラファエル・ナダル(スペイン)の強烈なフォアハンドは、当分忘れられないものになりそうだ。「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月20日~男子2月2日・女子1…

あるボールガールが経験したラファエル・ナダル(スペイン)の強烈なフォアハンドは、当分忘れられないものになりそうだ。

「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月20日~男子2月2日・女子1日/ハードコート)の2回戦で、ナダルはフェデリコ・デルボニス(アルゼンチン)と対戦。第3セット途中で、ナダルのリターンが大きく左へそれた。

サーブに対するラインジャッジの「アウト」のコールを聞いたボールガールは、審判の椅子の横から出てきた。そして、タイミング悪く、ナダルの打ったボールが彼女の側頭部に当たってしまった。

それはかなり痛そうに見えたが、彼女は「大丈夫」と言って笑顔で親指を上げて見せた。ナダルは彼女の状態を急いで確認し、その頬にキスをした。そしてデルボニスに勝利した後、彼女に謝罪のためヘッドバンドを渡した。「きっととても怖かっただろう。ボールは頭を直撃してしまったから。彼女は本当に勇敢な女の子だよ」

試合後のコート上インタビューでインタビュアーが“キス”について尋ね、「今は奥さんのことは気にしないで・・・」と言うと、ナダルは「15年の付き合いだから、妻は多分たいして何も気にしないよ」と微笑んだ。「テニスコート上で僕が経験した、最も恐ろしい瞬間の一つだったよ。ボールは彼女の頭にまっすぐ向かってしまったからね。ずっと前に“ウィンブルドン”でもそういう瞬間があったけど」

ナダルは2週間前にパースで開催された「ATPカップ」の場で、2010年と2018年に続く3度目のステファン・エドバーグ・スポーツマンシップ賞を受賞している。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「全豪オープン」でのナダル

(Photo by Daniel Pockett/Getty Images)