写真:平野美宇(日本生命レッドエルフ)/提供:Tリーグ

Tリーグの見逃せない名勝負をラリーズ編集部独自の視点で解説する【T.LEAGUE 名場面解説】。今回は1月24日のノジマTリーグ・日本生命レッドエルフ(以下、日本生命)VSトップおとめピンポンズ名古屋(以下、トップ)の一戦から、第4マッチの平野美宇と梁夏銀(ヤンハウン)の試合にスポットライトを当てる。

この試合、ダブルスと第3マッチのシングルスを落としていた日本生命は、第4マッチを落とすと敗北が決まってしまう。そのため、平野にとってはプレッシャーのかかるゲームだったが、平野は終始、緊張を全く感じさせないプレーを披露し、韓国代表の梁夏銀をストレートで圧倒した。

今季シングルス初出場初勝利を挙げた平野の勝因を詳しく見ていこう。

ノジマTリーグ 日本生命レッドエルフ 対 TOP名古屋:4番シングルス詳細スコア

〇平野美宇 3-0 梁夏銀
11-5/11-6/11-10

1.回転がわかりにくい巻き込みサーブ

平野の代名詞の一つでもある巻き込みサーブ。コース取りやスピードの緩急はもちろんだが、その最大の特徴は上回転と下回転の分かりにくさにある。

卓球トップアスリートには、回転が真逆となる上回転と下回転のサーブを、ほぼ同じ角度とスイングで出すことができる選手が多い。平野の巻き込みサーブはまさにその好例で、この試合でも平野は要所でサービスエースを取り、ゲームを完全に支配していた。

この試合での平野のサーブ時の得点率は約8割(77.8%)。「サーブを制する者が試合を制する」と言われる卓球だが、その言葉を証明するような試合内容であった。

2.狙い済ましたカウンター




図:平野美宇のカウンター/作成:ラリーズ編集部

サーブで試合を支配していた平野だが、サービスエースやサーブで崩しての3球目攻撃ばかりが得点源だったわけではない。

上の図は、第1ゲーム7-5で平野リードの場面。この場面では、平野が巻き込みのロングサーブを梁のフォアミドルに出した。ここで梁は、強烈なドライブレシーブで攻めていき、得点を奪ったかのように思われた。

しかし、平野はそのドライブを待ち構えており、逆に強烈なカウンターを叩き込んだ。つまり、平野は梁にドライブを打たせるために、敢えて梁の正面にロングサーブを出したのだ。

このポイントで流れを掴んだ平野は7-5から4本連取で11-5と大事な第1ゲームを先取し、一気に試合の主導権を握った。

まとめ

得意のサーブで難敵を攻略し、今シーズンTリーグシングルス初出場初勝利を挙げた平野。首位を走る日本生命には欠かすことのできない選手の一人だ。国際大会の合間を縫って出場する平野の試合数は限られているが、平野の存在感は圧倒的だ。

文:ラリーズ編集部