1900年から100年以上の歴史を持つ、男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ」。 2016年大会は、3月に行われたワールドグループ1回戦で世界ランク2位のアンディ・マレー擁する前年優勝国イギリスに1勝3敗で敗れた日本。準々決勝進出は叶わ…

 1900年から100年以上の歴史を持つ、男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ」。

 2016年大会は、3月に行われたワールドグループ1回戦で世界ランク2位のアンディ・マレー擁する前年優勝国イギリスに1勝3敗で敗れた日本。準々決勝進出は叶わず、9月16日(金)から行われるプレーオフで、ワールドグループ残留をかけてウクライナと対戦する。

 参加135ヵ国中、上位16ヵ国のみが参加を許されるワールドグループ。日本が“テニス最強国”の称号を手に入れるには、この入れ替え戦に勝ち、ワールドグループに残留することが絶対条件となる。

 3年連続でワールドグループ残留を目指す日本と、その土俵に上がろうと奮闘するウクライナの顔合わせとなった。両者ともに一歩も引かない白熱の戦いが展開されること必至だ。

 日本はエース錦織圭(日清食品)を筆頭に、西岡良仁(ヨネックス)、ダニエル太郎(エイブル)、杉田祐一(三菱電機)の4名でメンバーを構成。中でも錦織は、マスターズ・トロント、リオ・オリンピック、全米オープンと休む間もなく出場し、オリンピックでは銅メダルを獲得、全米オープンではベスト4進出と充実した結果を残してきた。今回のウクライナ戦ではエースとして重要な役割を担う。

 ウクライナはイリヤ・マーチェンコ(世界ランク64位)、セルゲイ・スタコウスキー(世界ランク89位)という、トップ100以内の強豪が顔をそろえ、高い総合力で日本代表を脅かすだろう。

 今回、日本は2014年4月のチェコ戦以来、約2年ぶりのホーム開催となる。会場は大阪・靭(うつぼ)テニスセンター。WOWOWが連日生中継でお届けする。解説を務める松岡修造氏にウクライナ戦のみどころを聞いた。

◇   ◇   ◇

Q 今回のウクライナ戦は、日本テニス界にとってどのような一戦になるでしょうか?

松岡 非常に大きな一戦という、次元を超えるくらいの、大事な大事な試合です。なぜなら、ここで負けてしまって下部のアジア/オセアニア・のグループに落ちてしまうと、世界的に見ても世界のトップ選手が出場しないことが多いので、錦織圭選手も必ず出場するということにはならないかもしれません。そうすると僕が味わってきたような、ずっとアジア/オセアニアグループで苦しんでもがくという時代がやってきてしまう可能性があります。ここ数年、日本はワールドグループという夢の舞台でいろいろな国と試合をやらせてもらっています。ですので、その機会を手放してはいけないんです。しかも、昨年プレーオフで対戦したコロンビアと同じく、今回戦う相手のウクライナは、プレーオフの中では比較的組合わせに恵まれています。ここでもう一度(ワールドグループに)生き残る。そのためにはやっぱり錦織圭の力が必要ですね。

Q ウクライナのスタコウスキーとマーチェンコについて、どのような印象ですか?

松岡 強いですが、錦織選手はまず勝たないといけない相手です。二人ともトップ選手に勝った経験がある選手で、捨て身で当たってきたら恐いと思います。ただ、どんなに当たってきても、どんなにプレッシャーがあっても、勝ちきれるのが今の圭です。ですので、鍵となるのはもう一人のシングルスです。植田実監督は今回、シングルスプレーヤーでメンバーをまとめてきていますから、どれだけナンバー2の選手が頑張るかです。圭はリオ・オリンピックや全米オープンでタフな試合が続きましたから、疲れも当然あります。ですから、試合中だけでなくて、練習を含めて、試合以外の場面でも、ほかの3人がいい雰囲気をつくれるか。今回はそういったチーム力が一番大事なところだと思います。

Q 2014年のチェコ戦以来のホーム開催となりました。日本のファンにどういったところを見てほしいですか?

松岡 デビスカップでの圭の安定感、そして、リオ・オリンピックで感じた国を背負って戦うときの強さです。ほかの3名も錦織に続けということで、ダニエル太郎選手や杉田祐一選手はリオでも素晴らしい試合をしました。西岡良仁選手も安定しています。普段の力以上のものをホームでは出せる。そして、それに対して、お客さんも普通のトーナメントとは違って日本代表チームを応援できる、後押しできる、といった思いを感じて応援してほしいです。日本のファンの皆さんの応援でチームを勝たせてほしいです」

【 デ杯「日本対ウクライナ」◎WOWOW番組情報】

大会名称◎男子テニス国別対抗戦 デビスカップ・ワールドグループ・プレーオフ「日本vsウクライナ」

放送◎9月16日(金)~18日(日) WOWOWが連日生中継!

第1日 9月16日(金) 午前10時45分~[WOWOWライブ]

第2日 9月17日(土) 午前10時45分~[WOWOWライブ]

第3日 9月18日(日) 午前10時45分~[WOWOWライブ]

(WOWOW)