世界ラリー選手権(WRC)が今年も幕を開けた。第1戦の舞台はモナコを発着とするモンテカルロラリーだ。モナコ自体は小国のため、実際の競技は、お隣のフランスで行われる。 23日に開幕したWRC第1戦モンテカルロラリー。スタートポディウムに上が…

 世界ラリー選手権(WRC)が今年も幕を開けた。第1戦の舞台はモナコを発着とするモンテカルロラリーだ。モナコ自体は小国のため、実際の競技は、お隣のフランスで行われる。

 

23日に開幕したWRC第1戦モンテカルロラリー。スタートポディウムに上がったのはオジエが駆るトヨタ・ヤリスWRC(トヨタガズーレーシング提供)

 

注目は所属する3選手を総入れ替えしたトヨタ

 

 注目は所属する3選手を総入れ替えしたトヨタだ。昨季はエースのオット・タナク(エストニア)がチャンピオンを獲得したが、今季はライバルチームのヒュンダイに移籍。期待していたマニュファクチャラー(製造者)タイトルもヒュンダイに奪われてしまったため、ヤリ-マティ・ラトバラ(フィンランド)、クリス・ミーク(英国)の2人をレギュラーから外した。

 タナクに代わってエースを務めるのが2018年までシリーズ6連覇を果たしたセバスチャン・オジエ(フランス)。昨季は母国メーカーのシトロエンに所属したが、マシンの性能不足に悩まされ、移籍を決断した。古巣シトロエンもエースの離脱に伴い、勝算がなくなったとしてシリーズからの撤退を電撃表明。今季のトップカテゴリーはトヨタ、ヒュンダイ、フォードの3メーカーで争われることになった。

 新チームメートは昨季までフォードに在籍したエルフィン・エバンス(英国)と、下部カテゴリーのWRC2プロで昨季王者となった有望株のカッレ・ロバンペラ(フィンランド)。WRCはシーズンオフが極端に短いため、新加入選手がマシンを本格的にテストできるのは12月に入ってからがほとんど。雪道も走る舗装路戦のモンテカルロラリーは手探り状態のまま戦うことになる。

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新エースのオジエは今季限りでWRC引退の意向

 

トヨタに移籍したセバスチャン・オジエ(トヨタガズーレーシング提供)

 

 ただし、新エースのオジエには地の利がある。競技ルート近くに生まれ故郷があり、もっか6年連続勝利中。通算でも7勝を挙げている。本人にとっては2年ぶりのタイトルに向けて好スタートを切ることができそうだ。

 トヨタ側にとってはシーズン開幕前から悩みはある。オジエは今季限りでWRC引退の意向を示しているのだ。

 「これが自分にとってWRCで最後の契約になる」と話しており、今季限りでの引退の可能性についても「その計画でいる。今はトヨタとの新たな冒険に100%集中している」。チャンピオンを花道にするつもりのようだ。

 となるとトヨタは来季に向けて新たなエースを擁立する必要がある。エバンス、ロバンペラの2人に託すか、他チームから有力選手を獲得するか。オジエが引退の意向を撤回すれば、話は早いが…。今季の戦いは始まったばかり。成り行きを見守るしかない。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

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