「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月20日~男子2月2日・女子1日/ハード コート)に出場しているエリオット・ベンシェトリ(フランス)が、予選の試合中にボールガールにバナナの皮を…

「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月20日~男子2月2日・女子1日/ハード コート)に出場しているエリオット・ベンシェトリ(フランス)が、予選の試合中にボールガールにバナナの皮をむいてと頼み、テニスファンの反感を買ったと、英Express紙が伝えている。

世界ランキング231位、21歳のベンシェトリは、予選の最終戦でマメだらけの手をテープでぐるぐる巻きにしていた。エネルギー補給をしようとボールガールにバナナを持ってきてもらったが、自分で皮がむけないと思い、ボールガールにむいてくれるよう頼んだ。しかし、すぐ傍にいた主審のJohn Blom氏が即座に割って入り、自分でむくようにと言った。それでベンシェトリは自分で歯を使って皮をむいてバナナを補給。試合に勝利し、本戦への出場権を得た。

彼のこの“突飛な”お願いの動画がSNSで広まったことで、大ブーイングが巻き起こり、「特権階級野郎だぜ」「エリオット・ベンシェトリは本気かい…」「これがエリオット・ベンシェトリがボールガールに『バナナをむいて』と言った瞬間の映像だ。審判がすぐに止めてくれて本当によかったよ」などのコメントが寄せられた。怒ったファンからは「ATPはベンシェトリに言ってくれ、ボールガールに敬意を持って接するようにと。“バナナを剥け”なんて、奴隷じゃないんだぞ」という反応もあった。

予選を突破したベンシェトリは、1回戦で世界ランキング84位の杉田祐一(日本/三菱電機)と対戦したが、2-6、0-6、3-6のストレート負けで1回戦での敗退となった。

一方、「全豪オープン」では大気の状態は先週よりも大分クリアになって来たように見える。オーストラリアを襲っている大規模な森林火災からの濃い煙が立ち込める中で予選の試合を行ったことに、何人かの出場者がトーナメント主催者に対し不満を表していた。

だが世界3位のロジャー・フェデラー(スイス)は、主催者サイドが大気の安全基準を設けたことで、これ以上の問題は起こらないだろうと考えている。「僕は心配していないよ」とフェデラー。「昨日の選手ミーティングで言われたところによると、オリンピックや他の競技会での大気汚染の安全基準は300だけど、ここでは200(より厳しい)にしているそうだ。そこから考えても、安全な環境で試合ができると思っている。僕たちは200や300を超える環境の中に、これから続けて何ヶ月も居るわけじゃない。もしそうなれば、かなりの悪影響を受けることになるかもしれないけど」

「正直に言って、あまり気にしていないよ。僕は、火災現場や煙の中にいる人たちのことをもっと心配している。それに僕たちは室内にずっと居られる。外に出て試合をして、また中に戻る。1日中、外にいなければいけないわけじゃないんだ。多分、この安全基準について知らされたのが、ちょっと遅かったと思う。ATPカップが終わり、予選が終わってから聞いたから」

「コミュニケーションが鍵だと思う。トーナメント側から、一般の人々へ、メディアへ、ファンの人たちへ、選手たちへと。僕らは屋外に居るのは安全でない、ペットも家に入れて、窓も閉めるようにと聞いていたから。警報が出て、あの煙を見れば心配にもなる。でも大会が最後まで安全にできるように願っているし大丈夫だと思っている。場所を移すことにはノーだな、賛成できない」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」でのベンシェトリ

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)