eクライマックスシリーズファーストステージでの敗退が決まった翌日、チームメイトからこう声をかけられた。  「ぶんたさん、またいつもの記事書きますよね。自虐はダメですよ。申し訳ないとか謝るのも禁止。ネガティブなことはダメです。」  …何…

 eクライマックスシリーズファーストステージでの敗退が決まった翌日、チームメイトからこう声をかけられた。 

「ぶんたさん、またいつもの記事書きますよね。自虐はダメですよ。申し訳ないとか謝るのも禁止。ネガティブなことはダメです。」 

…何も書けなくなってしまった。 

いや、裏を返せばそれだけチームメイトが自分の性格を理解してくれていたのだということか。ドラフトで指名されてから4ヶ月、チーム全員が顔をあわせるのは週末に試合やイベントなどがある時だけで短い期間の付き合いだったにも関わらず、だ。本当にいいチームメイトに恵まれたと思う。 

さてeクライマックスシリーズの結果だが、セ・リーグはファーストステージを突破したジャイアンツが、キャプテンの舘野(てぃーの)選手らがその打棒をスワローズに見せつけe日本シリーズへ進んだ。パ・リーグはペナントレースで優勝したマリーンズがシーズン同様のそれぞれの持ち味を見せてバファローズを破ってクライマックスシリーズを制した。 

e日本シリーズに進出したチームはどちらもシーズン通りのプレーが出来ていたように見えた。ジャイアンツの舘野(てぃーの)選手は出場した15イニングで8本塁打を放って常人離れした打撃を見せ、マリーンズの下山(スンスケ)選手は8割近いナイスピッチ率で巧みな投球術を披露していた。

敗れたチームには、シーズン中の調子ならもっと活躍できていたように見えた選手もいた。実はeペナントレースの第4節あたりから、プレッシャーで本来の実力を出し切れていないプレイヤーが増えてきたように感じていた。プロリーグで戦うプレイヤーは「パワプロで重要なのはメンタルだ」と口を揃える。自分でもそう思ってはいたが、eクライマックスシリーズの舞台で改めて身に染みて感じた。 

自分自身、場慣れはしているつもりだったが、平常心ではなかったと思う。まだアーカイブを見返す気分になれないので憶測にはなるが、おそらく自分はリードしていても追い込まれていたような表情をしていたはずだ。 

対して、第3試合で対戦したジャイアンツの吉田(たいじ)選手は普段通りにプレーしていたと思う。「スプラトゥーン2」の世界大会では2連覇していて、大舞台でも普段通り、いやそれ以上の実力を発揮する選手だ。経験の差を見せつけられたような感覚だった。

第3試合の対戦相手、吉田(たいじ)選手(写真左)

ドラフト直後の評判から比べれば、eクライマックスシリーズに進出できたことは胸を張っていい。ただ、個人的に悔いを残して終わってしまったのが残念でならない。またeBASEBALLプロリーグの舞台に上がる時には技術的にも精神的にも成長した姿をお見せしたい。 

今後はメンタル面のケアやトレーニングも取り入れていこうと思う。まずは先日のアーカイブを見返すところからだろうか。結局ネガティブになっているような気がするが、このあたりも改善していけたらいい。 

 

最後に、ここまで一緒に戦ってくれた岡久(デジうち)選手、新井(みかん)選手、脇(みぞれん)選手をはじめ、プロリーグの運営スタッフの方々やドラフトで指名してくださったドラゴンズの球団関係者、そしてドラゴンズを応援していただいた方々に心から感謝したい。 

またいつかこの4人で…

文・菅原翔太(eBASEBALLプロリーグ2019シーズン中日ドラゴンズ代表選手・キャプテン)