今回登場するのは岩本久重(スポ2=大阪桐蔭)、徳山壮磨(スポ2=大阪桐蔭)、西垣雅矢(スポ2=兵庫・報徳学園)の2年生バッテリー陣。東京六大学リーグ戦(リーグ戦)では最多タイである45回の優勝を誇る早大だが、最後の優勝は平成27年までさか…

 今回登場するのは岩本久重(スポ2=大阪桐蔭)、徳山壮磨(スポ2=大阪桐蔭)、西垣雅矢(スポ2=兵庫・報徳学園)の2年生バッテリー陣。東京六大学リーグ戦(リーグ戦)では最多タイである45回の優勝を誇る早大だが、最後の優勝は平成27年までさかのぼる。王座奪還のため、今年は主力としての期待をさらに多く背負う3選手に、昨年の振り返りや新チームについてお話を伺った。

※この取材は12月13日に行われたものです。

「非常にいいバランスで練習に取り組めている」(徳山)


昨秋は第2先発として数字を残した徳山

――投手陣は早川隆久主将(スポ3=千葉・木更津総合)がまとめていると伺ったのですが、新チームの雰囲気はいかがですか

徳山 新チームでは早川さんが主将になって。投手陣を早川さんがしっかりまとめて、野手陣を瀧澤さん(虎太朗副将、スポ3=山梨学院)と吉澤さん(一翔副将、スポ3=大阪桐蔭)が中心となってまとめているという感じで、今非常にいいバランスで練習に取り組めていると思います。

西垣 新チームの雰囲気は徳山くんが言ってくれた感じです。野手陣も投手陣もメリハリのある練習ができているので、そこが良いところだと思います。

岩本 去年に比べて野手に関しては、一球に対するボールの扱い方が変わったと思っています。それは、守備に関しても打撃に関してもそうで、ただ量をこなすというよりも、質にこだわって試合につながる練習を野手はやっています。

――徳山選手にお聞きします。秋季リーグ戦では初めて1シーズン通して先発投手を務めましたが、改めて振り返っていかがですか

徳山 全試合先発させてもらって、先発という機会が今シーズン初めてなのもあり、緊張であったり、不安であったり、いろんなものがある中投げて。結果としては3勝1敗、防御率も1.50。数字だけ見ればある程度残せたのかなという感じですが、後半になるとつかまったり、ボールが浮き始めたり、悪い癖が出てきて、完投ができずリリーフ陣に迷惑をかけてしまいました。なので、今春は投げ切る力をつけたいです。

――クローザーの経験が先発に活かせたなと思った瞬間はありましたか

徳山 クローザーと先発では心の持ちようなど、だいぶ違うので。その面では自分は先発向きの方なのかなと今シーズン先発として投げて思いました。

――早慶戦前の対談では、秋季リーグ戦の自己評価を後半の粘りが足りないという点で50点と仰っていましたが、その残りの50点のために具体的にどんなことをしていきたいと思っていますか

徳山 自分はまだまだ体が弱いですし、特に体幹が弱いので、ウエイトではなく、体の中身というか、体の芯をしっかりつくる体づくりをこの冬しっかりしたいです。あとは理想のフォームに近づけるように、フォームを固めていきたいです。

――続いて西垣選手にお聞きします。春季リーグ戦では先発として苦しい投球になった試合が多かったですが、その原因は何だったとご自身で分析されていますか

西垣 実力不足というのが一番だと思います。1巡目は抑えられるけど、2巡目はいつも抑えられなくて。体力不足であったり、ボールのスピードやキレだったりも2巡目ではしっかり捉えられてしまっていたので、すべての能力が低いというのが原因だと思います。

――秋季リーグ戦では先発、リリーフの両方での登板がありましたが、先発とリリーフの違いをどのように感じられましたか

西垣 先発はこの時間に始まる、というのがわかっていて、自分でそこへ気持ちを持っていけばいいのですが、リリーフだとどこで投げるのかが大体しか決まっていないので気持ちのアップダウンをつくらないようにするなど、気持ちの面で違います。体の面でも違うなと思います。

――先発とリリーフ、どちらが自分に合っているなと思いますか

西垣 どちらが合っているかはわからないのですが、先発したいという気持ちはあります。

――2019年4月の対談で、オフシーズンはスタミナ強化に取り組んだと仰っていました。今シーズンを通して体力面での状態はどうでしたか

西垣 今シーズンはそんなにイニングを投げることがなかったので、そこまで体力がなくなったなと感じることはなかったです。

――続いても2019年4月の対談でのことなのですが、自身の武器はどんな変化球でもストライクが取れるところと仰っていました。そこは今でも変わっていませんか

西垣 そうですね、そこは変わらずやっています。

――これから新たに武器としていきたいところはありますか

西垣 ずっと言っていることなのですが、ストレートが弱いので、それをもっと自信を持って投げられるように突き詰めていきたいです。

――続いて岩本選手にお聞きします。今季は小藤選手(翼、スポ4=東京・日大三)の離脱もあり出場機会が増えましたが、振り返っていかがですか

岩本 小藤さんがけがで離脱するまではあまり試合の出場はなくて、自分が思っていたようにはいっていなかったのですが、準備は常にしっかりしていましたし、いつもうまくなろう、試合に出てやろうという気持ちは持っていました。最後、出場できて自分なりには結果もそこそこ残せたので良かったかなと思います。

――守備面では盗塁刺殺など好プレーが見られましたが、ご自身ではどのように評価していますか

岩本 スローイングに関しては、自信を持っているので盗塁を何回か刺せたというのは良かったです。ただ、リード面であったりとか、細かいキャッチングであったりとかというところにはまだまだ課題があったので、そこはもっと突き詰めて練習していかなくてはいけないと思います。

――打撃面では、立大2回戦や慶大3回戦での勝負強い打撃が印象に残りました

岩本 いつもは代打での出場が多く、1打席だけの勝負だったのですが、スタメンで出ることで場慣れというものが大きく、配球を読んだり、粘り強さだったりというのは、試合の最初から出たからこそあのような場面で結果につながったかなと思います。

――昨年11月30日に行われた全早慶戦浜松大会では4番捕手でスタメン出場されましたが、4番という打順についてどのように感じていますか

岩本 とても大事な打順なので、まだまだ4番に値する力はないと思っているので、この冬しっかり振り込んで、「今年の4番はすごいな」と言われるようになりたいです。

――打撃面でのご自身の武器はどのようなところだと考えていますか

岩本 力はある方なので、飛距離や打球スピードには自信を持っています。

――岩本選手の考える『良い捕手』というのはどのような選手ですか

岩本 やっぱり打てる捕手というのはプロ野球を見ても少ないので、それが一番なのかなと思います。

――捕手から見て、現在の投手陣はどのように見えますか

岩本 ポテンシャルはとても高いものがあるなと思っているので、十分抑える力はあると思っています。ただコントロールの面で、他大学に比べて失投が多いと思っています。

――投手陣とのコミュニケーションにおいて、意識していることはありますか

岩本 ブルペンで受けるときに、どういう意識で投げるのか、投げ終わったらどうだったか、という毎日のコミュニケーションもそうですし、リーグ戦前だったら相手チームのビデオを見ながらどういう組み立てでいくのかということは話し合っています。

同期のカラーは・・・


徳山いわく恥ずかしがり屋だという西垣

――少しプライベートな質問に移らせていただきます。まず最初に他己紹介を、徳山選手の紹介からお願いします

西垣 プライベートでもいつも一緒にいるのですが、練習の時はしっかりしているというか、オンオフの切り替えがはっきりしています。

岩本 自分の投球の追求みたいなものは練習中にも見られていて、すごいストイックです。普段の寮生活でも明るくいつも笑顔で(笑)、徳山がいればその場が明るくなるというのはあります。

――この紹介を聞いて、徳山選手いかがですか

徳山 いいこと言ってくれて、ありがとうございます、という感じですね(笑)。

――続いて西垣選手の紹介をお願いします

徳山 結構恥ずかしがり屋ですね。感情をすぐ表に出すという感じではなくて、一歩引いて考えているな、と思っています。

岩本 結構一緒にいる時間が長くて、部屋で1時間話し込んだりもしていてとても居心地がいいなと思っています。自分も西垣も食べることが好きなので、一緒においしいもの食べに行ったりしています。

――続いて岩本選手の紹介をお願いします

徳山 野球の面では、秋季リーグ戦後半は試合に出ていて堂々としていたのは感じました。

岩本 プライベートって言ってるよ。

徳山 プライベートか(笑)。あんまり自分には内緒にしたい話はしてこないですね。結構隠します(笑)。

西垣 プライベートの話か…

岩本 なさすぎやろ。

西垣 いやいろいろありすぎて(笑)徳山も言っていた通りシャイなところがあるので、それをいじるじゃないですけど、ちょっかいかけるのが個人的に好きですね。

――これを聞いて岩本選手いかがですか

岩本 もうちょっと欲しかったですね。プライベートに関してはそういう感じやなっていうのは少しショックというか、2人とも黙り込んでるんでね、今後の対応を改めようかなと思いますね。

一同 (笑)。 

――仲の良い同期の選手などはいらっしゃいますか

岩本 ここに鈴木萌斗(スポ2=栃木・作新学院)が入る感じですね。結構スポーツ推薦(入学)4人で一緒にいることが多いです。

――お三方から見て、同期はどのようなカラーですか

徳山 真面目に野球に取り組む姿勢のある子が多いというか、ひねくれていないというか、みんな野球に素直に取り組めていると思います。

岩本 学年でミーティングとかもするのですが、メンバーに入っていない人でも良い発言をしてくれたり、『チームのために』という思いがこの学年はすごくあるかなと思います。

「勝てるチームには良い捕手がいる」(岩本)


チームの要として期待される岩本

――今年は3年生になりますが、求められている役割というのはどのようなものだと思いますか

徳山 とても大事な年になってくるので、投手陣で勝つというのもそうですけど、個人としてはタイトルを取るくらいのベストピッチングをできるようにやっていきたいです。

西垣 3年生になって、後輩も2学年に増えるので、今までは先輩に付いていくだけだったのですが、徐々に引っ張らないといけない学年になってきていると思うので、そこで背中で示せるような先輩になりたいです。個人的には、もう一回この冬しっかり頑張ってまた先発争いに食い込めるように頑張りたいですし、春は一番大事なところで任せてもらえるような投手になりたいです。

岩本 勝てるチームには良い捕手がいると言われていて、昨年の慶大もそうですけど、そうなれるようにというのと、タイトルというのも含めて数字にもこだわって自分をアピールできたらなと思います。 

――この冬克服したい課題や重きを置きたい練習などありましたら教えてください

徳山 体感が弱いので、トレーナーさんにも教えてもらっているのですがコツコツ毎日やることが大事なのでそこを怠らず、(体の)中身を強くすることが今の自分に必要なことなのでしっかりやりたいです。

西垣 自分は投球フォームの効率が悪いと思っているので、そのフォームを見直すというのと、僕と岩本は体が硬いので、トレーナーさんから出してもらったメニューを毎日やって、それをプレーにつなげられるようにしたいです。

岩本 技術面では、まず打撃でチームに貢献できるようにやっています。キャッチングだったり、ワンバウンドの処理だったり基本的なところを見つめ直してリーグ戦では守備の面でもエラーがないように、というのと、シーズン通してけがなく試合をやりきれるような強い体を作りたいです。

――最後になりますが、今年の抱負を教えてください

徳山 リーグ優勝ができていないので、優勝するということしかないです。本当に優勝するのみです。

西垣 自分もチームもずっと優勝できていないので、とにかくリーグ優勝して、日本一も目指すというのが目標です。

岩本 同じなのですが、リーグ優勝して日本一になることです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 山崎航平、倉持七海)


上級生となる今年、さらなる高みを目指します!

◆徳山壮磨(とくやま・そうま)(※写真右)

1999年(平11)6月6日生まれ。183センチ、82キロ。大阪桐蔭高出身。スポーツ科学部2年。投手。右投右打。徳山選手が色紙に書いてくださった言葉は『身体作り』。体幹を強化して、先発として今春はさらに活躍してくれるでしょう!

◆西垣雅矢(にしがき・まさや)(※写真中央)

1999年(平11)6月21日生まれ。183センチ、82キロ。兵庫・報徳学園高出身。スポーツ科学部2年。投手。右投左打。先発したいという思いがあると語った西垣選手。課題を克服し、先発の座を勝ち取ることはできるのでしょうか!

◆岩本久重(いわもと・ひさしげ)
1999年(平11)4月21日生まれ。181センチ、88キロ。大阪桐蔭高出身。スポーツ科学部2年。捕手。右投右打。色紙に書いてくださった言葉は『ガンバズーカ』。福岡ソフトバンクホークス甲斐拓也選手の『甲斐キャノン』のような強肩とパンチ力抜群の打撃でチームを引っ張ります!