文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

外は守るも、ペイントエリアで52失点

宇都宮ブレックスが天皇杯王者のサンロッカーズ渋谷をホームに迎えた一戦。終盤までリードチェンジを繰り返す激戦となったが、SR渋谷のセバスチャン・サイズとチャールズ・ジャクソンの2人に合計で54得点を奪われるなどペイントエリアで52失点を喫し、84-88で敗れた。

互いに激しいディフェンスを持ち味とする両チームだが、序盤はディフェンスの強度で上回った宇都宮がペースを握った。前線から当たり、ハーフコートでもボールマンに激しいプレッシャーを与えることでオフェンスを組み立てさせない。第1クォーターだけで4個のターンオーバーを誘発し、そこから10得点を挙げ、オフェンスリバウンドでも上回った。また、この試合でBリーグデビューを飾ったテーブス海が好アシストを見せ、さらに3ポイントシュートも沈め、宇都宮は28-17と幸先良く2桁のリードを奪った。

だが、第2クォーターに入ると、オフェンスリバウンドを取ってもセカンドチャンスポイントを奪えず、サイズのペイント付近でのシュートを止められずに失速。残り3分にはサイズに速攻を決められ、35-36と逆転された。

渡邉裕規が個人3つ目のファウルを犯したが、代わって入ったテーブスが悪い流れを払拭した。テーブスは次々とリングにアタックし、ヘルプに来たところでパスアウトし、味方のシュートを演出。アシストにならずとも、テーブスのドライブがズレを作り、優位な状況を作り出した。そして、比江島慎と喜多川修平の3ポイントシュートが決まり、45-40と再逆転して前半を終えた。

勝負どころで失速、追い上げ及ばず

後半に入っても互いにディフェンスの強度が落ちず、ともに4個ずつのターンオーバーを犯すなど守備合戦の様相を呈した。SR渋谷は最終クォーターのファーストプレーで決まったジャクソンのバスケット・カウントから8-0と走ったが、宇都宮もテーブスのゲームメークから比江島慎のバスケット・カウントなどで流れを取り戻し、残り3分30秒にはライアン・ロシターの得点で75-75の同点に追いついた。

それでも、サイズのフリースローで再びリードを許すと、ベンドラメ礼生に豪快なドライブレイアップを決められる。タイムアウトで体勢を立て直そうとするも、このタイムアウト明けのゲーム再開の場面でテーブスがスローインのミス。テーブスにとって最初のターンオーバーが、ジャクソンのイージーダンクに繋がり76-83、この日最大となる7点のビハインドを背負った。最後はファウルゲームに持ち込むも及ばず、4点差の惜敗を喫した。

結果的に88-84とハイスコアリングゲームとなったが、SR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチはディフェンスの勝利を強調した。「フリースローをこれだけ外して、リバウンドをあれだけ取られて勝てるゲームではなかったと思いますけど、結果的に選手が自分たちのバスケットを信じて、ボールプレッシャーを弱めなかったことが一番の勝因」

伊佐ヘッドコーチが言うように、オフェンスリバウンドでは5-14と上回られ、フリースローの成功率は30本中15本の成功と低調だった。それでも、デビュー戦で素晴らしいプレーを見せたテーブスへのアジャストなど、ディフェンスが崩れず踏ん張り続けたことが勝利に繋がった。

「前半、海君がペイントタッチしてヘルプに行ったところで良いシューターをワイドオープンにしてしまった。そこを下がり気味でいいので、彼のスコアはある程度は仕方ないと修正しました。やられ方も想定内で正しいディフェンスをしていたので、僕も慌てることはなかったです。ファウルになったシーンもありましたが、強度は素晴らしかった」

「インサイドを攻めてきた時に僕の対応が遅かった」

一方、奮闘しながら敗れた理由を問われた宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは「要所のターンオーバーもありましたが、相手がインサイドを攻めてきた時に僕の対応が遅かったところ」と、自身の采配を挙げた。「ある程度、外を守るディフェンスをずっとやっていたので。そこの切り替えをどこでするか、僕の判断ミスでした」

SR渋谷はリーグ2位の3ポイントシュート試投数(平均26.8本)を記録している。1試合平均6.9本の3ポイントシュートを放つライアン・ケリーが出場しなかったことを差し引いても、この試合で12本しか打たせなかったという点では宇都宮の作戦は成功していた。だがその結果、インサイドのケアが足りず、2ポイントシュートを高確率(69%)で決められてしまったことが敗因となった。

天皇杯の準決勝で川崎ブレイブサンダースに大敗を喫し、その悪いイメージを払拭する意味でも大事な試合だったが、あと一歩のところで勝利を逃した。

「今日も途中でレフェリーに意識が向かったりしました。こういう時に自分たちがコートで何をしてるかというのを見直さなきゃいけないし、こういう時に(チームが)バラバラになる可能性がる。ウチはそういうチームではないと思っていますし、そういうチームであってはいけない。ファンの皆さんも失望してると思いますけど、ここからそれを跳ね返すくらい、準備して頑張りたい」

23勝6敗と東地区首位、リーグ全体2位に立っているものの、指揮官が抱える危機感は強い。オールスターブレイク後の大阪エヴェッサ戦は真価が問われる一戦となりそうだ。

1月15日のB1 9試合の結果
千葉96-75秋田
A東京94-71北海道
新潟70-64横浜
富山76-78三河
三遠73-83川崎
名古屋D77-92大阪
島根76-79京都
宇都宮84-88SR渋谷
琉球78-90滋賀