#お侍ちゃん#お揃コーデ。SNS上でのこれらのトレンドワードの中心には侍ジャパンがいた。若い世代のファン層拡大を目指した侍ジャパンの新たな仕掛けについて侍ジャパンの加藤譲次郎氏、そして大学スポーツチャンネルの山内一樹氏にお話を伺った。 プレ…
#お侍ちゃん#お揃コーデ。SNS上でのこれらのトレンドワードの中心には侍ジャパンがいた。若い世代のファン層拡大を目指した侍ジャパンの新たな仕掛けについて侍ジャパンの加藤譲次郎氏、そして大学スポーツチャンネルの山内一樹氏にお話を伺った。
プレミア12から生まれた危機感
侍ジャパンの事業とは元々、日本代表を色んな世代に応援してもらい、特に若い世代にも野球に興味を持ってもらうことを目的の1つに掲げて発足されたものだった。
だがある大会で目的の1つに掲げていた若い世代からの支持が得られていないことが浮き彫りとなってしまった。
2015年12月に開催されたプレミア12では視聴率も20-25%を獲得し、侍ジャパンとしても盛り上がった大会だった。だが視聴率を世代別に分析してみると、20代の男女からはあまり支持を得られていないことが明確となってしまった。具体的な数字を見ると、サッカー日本代表の試合に比べて20代からの支持は半分という結果。一方50代からはサッカー日本代表の2倍以上の視聴率を獲得していたが、野球ファンの高齢化が明らかとなった。
全体的な視聴率は獲得できているが、年代別に分析すると若い世代からの興味が低いことは、侍ジャパンに強い危機感をもたらした。
侍ジャパンとしては、若い世代から支持を受けているコンテンツとタイアップすることを実験的におこなうことにした。一般的にこのタイアップのニュースは大きな話題にはならなかったのだが、実はtwitter上では侍ジャパン×おそ松さんが一時はトレンドワードで1位にあがるほどSNS上では話題となっていた。
さらには「クマタン」とのタイアップも、Instagram上では野球ファンではなく、クマタンの支持者たちがこのニュースに対して多くコメントをしていた。
この実験で明らかになったのは 、SNSで自分たちが知ってほしい情報を単に発信するだけでは、すでに古いということである。SNSの進化と共に活用する側もより効果的な取り組みが必要となってきている。
使い方、ユーザーも違うそれぞれのSNSでは支持を受けるコンテンツも違ってくる。コンテンツ×SNSという新たな取り組みで臨んだ結果、チャイニーズ・タイペイとの強化試合のチケット売り行きは伸び、しっかりと成果として形にも現れた。
SNS×コンテンツで臨んだチャイニーズ・タイペイとの強化試合
若い世代に振り向いてもらうためには、何か手を打つ必要があった。侍ジャパンはプレミア12での教訓を活かして、今年の3月5日、6日に開催されたチャイニーズ・タイペイとの強化試合では新たなファン獲得のためにSNSを本格的に使う取り組みを開始した。
今やSNSに侍ジャパンの情報を出すだけでは、新しいファン獲得には繋がらない時代。本質的に新しいファンを獲得するためには別のアプローチが必要であり、そこから生まれたのがコンテンツとのタイアップだった。
タイアップするコンテンツとして侍ジャパンが目を向けたのが、「おそ松さん」と「クマタン」。野球とは全く無縁のキャラクターたちだ。
何故野球ともスポーツとも無縁のコンテンツが選ばれたのか。「おそ松さん」はtwitterで若い世代に強い人気を誇っており、一方若槻千夏さんがプロデュースしたキャラクターの「クマタン」はInstagramで若い世代から強い支持を受けていた。
侍ジャパンとしては、若い世代から支持を受けているコンテンツとタイアップすることを実験的におこなうことにした。一般的にこのタイアップのニュースは大きな話題にはならなかったのだが、実はtwitter上では侍ジャパン×おそ松さんが一時はトレンドワードで1位にあがるほどSNS上では話題となっていた。
さらには「クマタン」とのタイアップも、Instagram上では野球ファンではなく、クマタンの支持者たちがこのニュースに対して多くコメントをしていた。
この実験で明らかになったのは 、SNSで自分たちが知ってほしい情報を単に発信するだけでは、すでに古いということである。SNSの進化と共に活用する側もより効果的な取り組みが必要となってきている。
使い方、ユーザーも違うそれぞれのSNSでは支持を受けるコンテンツも違ってくる。コンテンツ×SNSという新たな取り組みで臨んだ結果、チャイニーズ・タイペイとの強化試合のチケット売り行きは伸び、しっかりと成果として形にも現れた。
文:新川諒