「楽しかったです!」青森山田の守護神、ゴールキーパー・佐藤史騎(しぶき)は試合後のミックスゾーンで、自身の高校サッカー人生3年間を振り返った。青森山田のGK佐藤選手(3年)普段のピッチ上からは想像も出来ないほど爽快な表情を魅せていた、とでも…
「楽しかったです!」
青森山田の守護神、ゴールキーパー・佐藤史騎(しぶき)は試合後のミックスゾーンで、自身の高校サッカー人生3年間を振り返った。
普段のピッチ上からは想像も出来ないほど爽快な表情を魅せていた、とでも表現していいのだろうか。決勝の大舞台を戦い抜いた守護神の顔は、夕刻の埼スタで思いのほか晴れやかだった。
13日、第98回高校サッカー選手権・決勝が行われ、青森山田は静岡学園に2-3で敗れ、選手権連覇を逃してしまう。そして、悔しい3失点。
正ゴールキーパーとして昨年末の高円宮杯から躍動し続けた守護神は、3年間に及ぶ高校サッカー人生をほろ苦い準優勝で終えた。無情にも試合終了の笛が鳴った瞬間、顔を覆うことなく、たった一人で埼スタのゴールマウスに倒れ込んだ。
選手権でも常に成長をみせた青森山田の正ゴールキーパー・佐藤史騎の道のりは、決して平坦では無い。
先輩キーパーの教えを貫き、常に努力し、真後ろから大きな声を90分間叫び続け、青森山田のサッカーを支え続けた。自身の高校サッカー人生は、「辛いことよりも楽しい記憶が多い」という。
青森山田の指揮官を務める黒田監督からも、個性的で勇敢なプレーと底抜けに明るいキャラクターを評価される存在だ。
卒業後の進路は、大学サッカーの道を選択した。
「目標は、日本代表。もちろんプロの道を志したい」とも教えてくれた。高校サッカー人生は今日で一区切り、2020年のサッカー人生のスタートは、東海大学サッカー部。大学サッカー4年間に渡る茨の道を選んだ佐藤は、次の目標を設定している。
ゴールキーパーというポジションは、たったひとつ。ポジション争いは、し烈だが怖さは無い。「4年後、この埼スタでまたプレーがみたい」と声を掛けると、少しだけはにかんだ表情で言葉を残した。
「そうですね!」
その表情は、やっぱり晴れやかだった。令和初の高校サッカー選手権において大会優秀選手にも選ばれた青森山田の守護神を心に刻みたい。そして来年の冬、インカレのピッチで佐藤史騎という選手を目撃したい。
ディフェンダーのようにハーフライン直前まで大きな声を出して駆け上がる、規格外のゴールキーパーを大学サッカーシーンでも絶対目に焼き付けたい。
文/スポーツブル編集部