12日、男子テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/1月3日~12日/ハードコート)の大会最終日。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)擁するセルビアが、ラフ…

12日、男子テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/1月3日~12日/ハードコート)の大会最終日。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)擁するセルビアが、ラファエル・ナダル(スペイン)やロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)らのいるスペインを2勝1敗で撃破し、同大会初代優勝国の栄冠に輝いた。

決勝の第1試合は、今大会個人としては負け知らずの世界10位(ランキングは1月6日付け)ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)がまたも安定しており、スペインチームが大事な1勝目を手にした。

続く第2試合エース対決は、世界1位ナダルと2位ジョコビッチによる頂上決戦。しかしナダルは、グループリーグ第3戦対日本や準々決勝でダブルスにも立て続けに出ていた。その疲れもあったのか、結果としてはジョコビッチが6-2、7-6(4)でストレート勝利し、決着は第3試合ダブルスにもつれ込んだ。

そして勝負の最終試合、セルビアはジョコビッチがダブルスにも登場しフル稼働。一方のスペインはナダルは入れず、パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)/フェリシアーノ・ロペス(スペイン)に託された。第1セットは一時セルビアの1-3と劣勢だったものの、そこから逆転。最後は終わってみれば6-3、6-4のストレート勝利で、セルビアが優勝に輝いた。

今大会ジョコビッチは、自身が戦ったシングルス・ダブルスは全て勝利し母国の栄冠に大きく貢献。ATP(男子プロテニス協会)公式サイトによると「間違いなく私のキャリアの中でも最も素晴らしい瞬間の一つとして、この経験は一生の思い出となりました」と喜びを表した。

「私はこの15年間、素晴らしいキャリアを積むことができて非常に幸運で恵まれてきました。しかし、これからもずっと親友である人たちと一緒に、チームや国のために戦うこととは比較できません。それはあまりにも特別なことです」

なお、今大会の日本代表は惜しくもグループリーグで敗退したものの、第1戦・第2戦は快勝だった。第3戦では今回の準優勝国スペインを相手に大奮闘を見せるも、あと1勝が遠かった。次の国別対抗戦「デビスカップ」と、始まったばかりの新シーズンそれぞれの活躍が期待される。

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◆「ATPカップ」のフォーマット

2020年に新設された、24ヵ国が競い合う男子テニスの国別対抗戦「ATPカップ」。まず4ヶ国ずつ6組に分かれ、ブリスベン、パース、シドニーの3都市でグループリーグを戦う。各国の対戦はシングルス2試合とダブルス1試合が行われ、先に2勝したチームの勝利。

そして、各組で1位となった6ヵ国と、各組2位の中で最も成績の良い2ヵ国の合計8ヵ国がシドニーで行われる決勝トーナメントに進出する。

【1月12日の試合結果】

◆「ATPカップ」決勝

セルビア 2-1 スペイン

第1試合:No.2シングルス

●ドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)5-7、1-6 〇ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)

第2試合:No.1シングルス

〇ノバク・ジョコビッチ(セルビア)6-2、7-6(4) ●ラファエル・ナダル(スペイン)

第3試合:ダブルス

〇ノバク・ジョコビッチ(セルビア)/ビクトル・トロイツキ(セルビア)6-3、6-4 ●パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)/フェリシアーノ・ロペス(スペイン)

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATPカップ」初代優勝国に輝いたセルビアチーム

(Photo by Andy Cheung/Getty Images)