取材・写真=鈴木栄一 構成=鈴木健一郎

厳しいマークを破れずファウルトラブルで自滅

皇后杯ファイナルラウンド、トヨタ紡織サンシャインラビッツは優勝候補の一角であるトヨタ自動車アンテロープスに挑んだが、奮闘及ばず69-87で敗れた。

出だしは東藤なな子が鋭いドライブで相手ディフェンスを切り裂いて、シュートにアシストにとオフェンスを牽引したトヨタ紡織に勢いがあった。それでも開始3分半、東藤がスティールから速攻を決めて早くも6点目を記録し10-6としたが、その後の6分半で4-17と走られて逆転されてしまう。トヨタ自動車は守備のアジャストが早く、東藤の連続ターンオーバーを誘発。第2クォーターになると少々不運な判定もあったものの東藤はファウルを連発。前半終了を待たずして個人ファウルが4つに達し、ベンチに下がらざるを得なかった。

こうして後半は8分しかプレーできなかった東藤は、試合を通じて23分の出場で11得点に終わった。チームは粘りを見せたものの、東藤のドライブによる仕掛けがないとオフェンスは迫力不足。トヨタ自動車を倒すことはできなかった。

「自分のプレーができずに不完全燃焼です」と、試合後の東藤は悔しがる。「会場の大きさに圧倒されたところはあったんですけど、週が空いたこともあってプレーを取り戻すのに時間がかかりました。出だしから自分たちのプレーをして優位に試合を進めようと話していたんですけど、思い切ったプレーができず引きずってしまい、ファウルトラブルになりました」

トヨタ紡織では昨シーズンがアーリーエントリーで、今がルーキーシーズンとなる。開幕からここまで14試合すべてに先発出場し、1試合平均14.2得点はチームトップの数字。チームも11勝3敗と上位に食い込んでおり、皇后杯では東藤もチームも躍進が期待されたが、その挑戦は初戦で終わることになってしまった。

「自分で見極めてやらないといけない」

東藤にとって今日の負けは、一発勝負のトーナメントの厳しさを経験するものとなった。「自分がボールを持ったら中が絞られていて、ドライブに行ったらスペースが詰まっていることが多くて、行き詰まりました」と、相手のマークの厳しさはリーグ戦とは違うものだった。

またファウルトラブルも、かねてからの課題が大事な試合で出た形だ。「リーグの時からファウルが多いのが課題ですけど、それがまだ修正できていません。先輩は『ファウルはゲームをやっていく中で学んでいくから、経験して試合の中で修正していこう』と言ってくれます。自分で見極めてやらないといけないです」

リーグ戦とトーナメントは違う。今回は手痛い敗戦となったが、若い東藤にとってはこれを次にどう生かすかが大事。ミスを糧にしてどうプラスに変えていくかが問われる。

「リーグ戦と違って一発勝負のトーナメントでは、一瞬一瞬でちゃんと力を出し切らないといけない。取り返しがつかないので、練習から一つひとつのプレーを大切にして、自分でやりながら修正していく力をつけたい。自分のことしか視野になくて、チーム全体のプレーの流れとか試合の流れをもっと察知しないといけないと思いました」

新加入のスコアラーは、ただ自分の最も得意なプレーをコート上で出すことを考えてがむしゃらにやればいい。だが、その次のレベルに行くには、少しずつ成熟していく必要がある。スーパールーキーは早くもその段階に足を踏み入れた。皇后杯で得た教訓が生かされるのは、来るべきプレーオフとなる。

「マークは厳しくなるけど、それでも点を決めるとかパスをさばけるのがエースです。まだそこまでは達していないので、もっと上を目指して頑張りたい」

そう語る東藤が今日の経験をどう次に生かすか。スーパールーキーの次の成長を楽しみに待ちたい。