全日本学生選手権(インカレ)最終日には7、8級男女のフリースケーティング(FS)が行われた。石塚玲雄(スポ2=東京・駒場学園)はジャンプのミスが重なったもののショートプログラム(SP)からは順位を上げ15位に。永井優香(社3=東京・駒場学園)はFSでシーズンベスト(SB)を更新し3位、総合で4位に入賞した。


1つ1つの要素を大切に滑った石塚

  「また悪いところが出てしまった」。石塚にとっては苦しいFSとなった。披露したのは昨シーズンから滑り続けている『ポエタ』。6分間練習からなかなかジャンプを決めることができず、演技冒頭のルッツとフリップは1回転に抜けてしまう。SPで大きなミスが出た中盤のダブルアクセルはしっかり着氷。しかし、その後も着氷の乱れやトリプルループでの転倒などが続き、連続ジャンプを入れられないまま演技終盤を迎えた。最後のトリプルフリップは単独ジャンプの予定だったが、トリプルフリップ―ダブルトーループ―ダブルループに。着氷こそ詰まったものの、体力が削られる場面で「最後は跳ぶしかない」と3連続ジャンプに挑む意地を見せた。ジャンプに苦戦する一方、それでも石塚の基礎力の高さは光る。特に、軸、回転速度ともに安定した美しいスピンには大きな拍手が送られた。滑り込みが足りず調子が上がらない中で迎えたインカレ。SP、FSともに石塚にとっては不本意な演技となったが、メンタル面では「『もっとやってやるぞ』と追求する気持ちが少なかった」こと、フィジカル面では筋肉量の増加により身体が重くなったことが原因だと冷静に分析し、次へ向けての課題を語った。一つ一つの壁を着実に乗り越えた先で、さらに成長した姿を見せてくれるだろう。

(記事、写真 小出萌々香)


さらなる飛躍を予感させた永井の好演技

 永井はSPに続きミスを抑えた好演技を見せた。『アディオス・ノニーノ』に乗せた艶やかなタンゴのプログラム。最初のトリプルルッツを高さ、流れともに素晴らしい出来で成功させると、続くダブルアクセル―トリプルトーループも完璧に着氷。その後も次々とジャンプを降り、演技に流れを作り出した。「全日本の時と違って、すごく気楽にやってきた」ことが功を奏したのか、要素の合間の繋ぎの部分でも生き生きとした表情を見せながら、伸び伸びと滑る姿が印象的だった。後半に入りダブルアクセルからの3連続ジャンプをリズムよく決めると、全日本では唯一ミスが出たトリプルループへ。調整不足からか今回も回転が抜けてしまったが、残すトリプルトーループは難なく成功させた。ステップシークエンスでは終盤とは思えないほどよく体を動かし、観客席の上まで届くスケールの大きな表現で魅了。最後にはコンビネーションスピンで美しく演技を締めくくった。華麗な演技で会場を盛り上げ、ラストイヤーを控える2020年、最高の滑り出しとなった。ことしも「もっとレベルアップしたい」と意気込む永井から目が離せない。

  世界の第一線で活躍する選手から惜しまれながらも引退を迎える選手まで、様々な選手がそれぞれの思いを抱えながら団結して戦うインカレという舞台。早大を代表する選手たちも各々の思いを胸に演技を披露した。その結果は三者三様となったが、スケートに懸ける情熱と向上心は全員に通じている。これからも早大スケート部の活躍を見守っていきたい。

(記事 小出萌々香、写真 青柳香穂)

結果

▽7、8級男子


石塚玲雄 15位 143.54点(FS 94.14点)


▽7、8級女子


永井優香 4位 170.21点(FS 112.97点)


コメント

石塚玲雄(スポ2=東京・駒場学園)

――演技を振り返っての感想をお願いします

本当にいい演技がなかなかできていない中で今大会を迎えたのですが、また悪いところがたくさん出てしまったなという印象です。

――体の痛みなどはありませんか

痛いところはないです。

――一番の課題はどこでしょうか

ジャンプを跳ぶ前のポジションがとても不安定で安定性がないので、やっぱりそこが安定していかないとジャンプ自体も安定してこないですし、いいジャンプが跳べないと思うので、そこは一番の課題かなと思っています。

――最後、トリプルフリップからの連続ジャンプはどんな気持ちで挑みましたか

その最後のジャンプに至るまで一回もコンビネーションが入っていなくて、流石にヤバいと思っていたので、意地じゃないですけど、最後は跳ぶしかないなと思って跳びました。

――次に向けて、どのような練習をしていきたいですか

やっぱり調子が良かった時のことを思い出すと、とにかく滑り込んで、野心というか「もっとやってやるぞ」という気持ちを持って日々練習に取り組んでいたと思うのですが、最近年末やお正月で、元々の練習時間がすごく減っていたというのもあるのですが、滑り込めていなかったというのもありますし、自分の気持ちの面でも、東日本(東日本選手権)が終わって全日本が決まった辺りからそういった「もっとやってやるぞ」と追求する部分の気持ちが少し少なかったかなと思うので、そういう部分をまずは改善してもっと練習を積んでいくことが必要かな、と思います。あともう一つ、体が最近少し重い気がして、トレーニングとかも積んでいるので、この前測ったときには体脂肪率は下がっていて筋肉量が上がっていたので、筋肉が重くなったということだと思うのですが、僕はよかれと思ってやっていたトレーニングがなかなかすぐには結果に結び付いていなくて、今大会もジャンプが上がらなくて、全体的に重い感じになってしまったので、体重や栄養といった自己管理をもうちょっとしたいなと思いました。

永井優香(社3=東京・駒場学園)

――演技を振り返っての感想をお願いします

思ったよりもまとまった演技ができたので安心しました。

――トリプルループは全日本でもミスがありましたが、意識していましたか

正直、全日本の後からまともに練習ができていなかったので修正しきれず来てしまったのがちょっと悔いが残りますね。

――いい演技が続いていますが、手応えはありますか

きょうもあまり自信はなかったのですが、このようなかたちで終われたので、自分の中での底辺みたいなものが確実に上がってきたのかなという気はしています。

――インカレを通しての課題や収穫はありますか

今回のインカレは……全日本などの時と違ってすごく気楽にやってきたので。楽しんで終われたというのが一番なのですが、課題として挙げられるのはやっぱり体力面だとか、スピン、ステップのレベルだったり取りこぼしがあると思うので、そこを修正して最後の国体に向かって頑張りたいと思います。

――2020年最初の試合が終わりました。ことしの抱負を教えてください

ことしの抱負は、そうですね、(現役)最後の年になるので。昨年階段を一つ上れたと思うので、もっと、二、三段くらい上れるようにレベルアップしていきたいなという風に思っています。