男子テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/1月3日~1月12日/ハードコート)で、日本は惜しくもグループリーグ敗退となった。だが、世界72位の西岡良仁…

男子テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/1月3日~1月12日/ハードコート)で、日本は惜しくもグループリーグ敗退となった。だが、世界72位の西岡良仁(日本/ミキハウス)は世界1位のラファエル・ナダル(スペイン)に敗れるも驚異のスマッシュ返しをお見舞いするなど、大会を通して2020年の飛躍を予感させる活躍を見せた。

西岡は2020年初戦となるウルグアイ戦で、自分よりランキング上位の世界45位のパブロ・クエバス(ウルグアイ)と対戦。なんと相手に全く付け入る隙を与えず6-0、6-1で完勝。これには西岡も自身のTwitterで「2020年最高のスタート」だと喜んだ。

勢いは続き、西岡は続くジョージア戦、またもランキング上位となる世界26位のニコラス・バシラシビリ(ジョージア)との対戦でも6-2、6-3とストレート快勝を飾る。強打が持ち味の相手に対し、しっかりと作戦を立てて勝ち切った。

そしてグループリーグ突破がかかったスペイン戦。スペインは昨年の男子テニス国別対抗戦「デビスカップ」で優勝した超強豪だ。更に西岡が対戦するのは、昨年「全仏オープン」と「全米オープン」を制した王者ナダル。先に勝利を飾った2人と比べても別格の強さを誇り、調子が良い西岡でも完敗の可能性は充分にあった。

それでも西岡は王者相手に食らいつく。第1セット第5ゲームでは体勢を崩されながらも、必死で返球すると、ナダルのスマッシュを読んで形勢逆転のウィナーを奪う。このプレーでブレークポイントを作ると、見事ブレークし、リードを奪った。すぐにブレークバックされたものの、西岡は気落ちすることなく再度ブレークに成功。しかしこれも返されて第1セットはタイブレークへ。

タイブレークでは、ATP(男子プロテニス協会)公式Twitterが「大会のベストラリーか!」と称賛するほどのラリーでナダルと戦ったが、第1セットを6(4)-7で落とす。

第2セットでもナダルを相手に完璧なパッシングショットを見せ、ブレークポイントを何度も握った。だがそこは王者ナダル。第2セットではブレークをさせてくれず、西岡は6(4)-7、4-6で善戦するも敗れた。

敗れたものの、今大会でトップレベルの選手とも渡り合えることを再度証明した西岡。昨年は「ATP1000 シンシナティ」で自身初のマスターズ1000大会ベスト8を記録した他、当時世界5位の錦織圭(日本/日清食品)と当時世界10位のガエル・モンフィス(フランス)から自身初を含む対トップ10勝利をもぎ取ったが、2020年は更なる飛躍が予感される。

2020年最初のグランドスラム「全豪オープン」は20日に開幕。西岡は3年連続で2回戦敗退となっているが、今年はその壁を打ち破ることができるか注目だ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATPカップ」での西岡良仁(右)とナダル(左)

(Photo by Paul Kane/Getty Images)