10日(日本時間11日)の本拠地レイズ戦で自己最多タイの13勝目(4敗)を挙げたヤンキース・田中将大投手。■ジラルディ監督も多大な信頼「彼がマウンドに上がるたび、快感」 10日(日本時間11日)の本拠地レイズ戦で自己最多タイの13勝目(4敗…

10日(日本時間11日)の本拠地レイズ戦で自己最多タイの13勝目(4敗)を挙げたヤンキース・田中将大投手。

■ジラルディ監督も多大な信頼「彼がマウンドに上がるたび、快感」

 10日(日本時間11日)の本拠地レイズ戦で自己最多タイの13勝目(4敗)を挙げたヤンキース・田中将大投手。5安打10奪三振無四球1失点の好投で自身6連勝。チームを7連勝に導いた。メジャー1年目の2014年に挙げた勝ち星と並んだ右腕に、ニューヨークメディアが賛辞を贈っている。地元紙「ニューヨークポスト」電子版が「マサヒロ・タナカが支配する―状態の安定が要因に」との見出しでレポートしている。

 この日は序盤から均衡した状況が続いたが、27歳の右腕は切れ味のあるストレートを軸にスライダー、スプリットを織り交ぜてスコアボードに「0」を並べていった。6回まで無失点に封じた田中を、その裏、打線が援護。エルズベリーの2ラン、サンチェスのソロ弾と2者連続本塁打で3点を挙げ、ようやくリードを奪った。田中は8回1死からウィルソンにレフトへソロ弾を被弾したものの、この1失点のみで切り抜け、5-1の勝利に貢献。ヤンキースはア・リーグ東地区4位ながらこれで貯金11とし、ワイルドカード争いで3位タイで出場圏の2位オリオールズにゲーム差1と迫った。

 試合後、速報記事を掲載したニューヨーク・ポスト紙は、昨オフ、右肘の骨棘除去手術を受けた田中について、多くの人が再び支配的な投球を見せられるのか疑問に感じていたとしつつ、「この日本人スターはハッキリとしたイエスで答えた」と不安を払しょくしている様子をレポート。記事の中でヤンキースのジラルディ監督も「後半戦、彼は本当に進歩しているし、かなり高いレベルのパフォーマンスを見せている。彼がマウンドに上がるたび、快感だよ」 と右腕を称えている。

 また、貴重な2ランで右腕を援護したエルズベリーも「彼が登板する時、チームは自信に満ち溢れているし、勝利のチャンスを与えてくれるんだ」と大きな信頼を寄せているという。

■防御率リーグ3位、田中が明かす好投の要因は…

 一方で、記事によると田中は通訳を介して「理想的な状態に戻ってきました」と手応えを口にし、「試行錯誤を繰り返してきました。ついに分かったんです。投球モーションに入る時の、右足のバランスでした。左足を上げる時の。今は、右足でバランスが取れています」と好投の要因を説明したという。

 序盤戦で思うように勝ち星を得られなかった田中だが、8月を4勝1敗と大きく勝ち越すと9月もここまで2勝0敗と好調を維持。防御率はリーグ3位の3.04と2点台が見え始め、13勝はリーグ10位タイ、投球回186回2/3は同6位、WHIP(1イニングあたりの安打+四死球)1.07も同6位とエースの活躍を見せている。

 同紙はこの試合の直前にも「ヤンキースがマサヒロ・タナカをエースにする理由」と題した特集を掲載し、その投球を絶賛。米CBSスポーツ(電子版)も今季サイ・ヤング賞候補の一人に挙げるなど、現地での評価は急上昇している。

 安定した投球で辛口のニューヨークメディアも認めさせている田中。過去2シーズンは負傷にも苦しんだが、3年目の今季はここまで離脱もなく、自己最多の29試合に登板し、先発ローテを守っている。チームのプレーオフに望みをつないだ右腕は、再び大きな期待を集めている。