2019年は準硬式野球部にとって飛躍の年となった。東京六大学リーグ戦(リーグ戦)では18年秋に続いて3連覇、さらには悲願の全日本大学選手権(全日)優勝。幾度となく苦境に立たされたが、4年生を中心に粘り強く立ち向かい、激戦を乗り越え、3つの…


 2019年は準硬式野球部にとって飛躍の年となった。東京六大学リーグ戦(リーグ戦)では18年秋に続いて3連覇、さらには悲願の全日本大学選手権(全日)優勝。幾度となく苦境に立たされたが、4年生を中心に粘り強く立ち向かい、激戦を乗り越え、3つの栄冠を獲得した。しかし、引退した4年生が掲げていた『五冠』は達成されていない。その夢は中村康祐主将(教3=早稲田佐賀)、福本恭介副将(教3=石川・小松)、吉ヶ江輝副将(スポ3=兵庫・明石)が率いる新チームに託された。先輩の想いを引き継ぎ、昨年の成績を『超越』し、目指す五冠を手にすることはできるか。新体制の中心となるこの三人に、準硬式野球部の今を伺った。

※この取材は12月22日に行われたものです。

チームはいい方向に向かっている(中村)


新主将となった中村

――新チームが始動して雰囲気はいかがですか

中村 いい雰囲気ではあると思うのですが、少しアクシデントがあって、それをきっかけにチームがまとまることができたかなと思います。それをいい方向に捉えて、チーム全体でまとまっていこうという話はしたので、いい雰囲気でいられているかなと思います。

――それはいつのお話ですか

福本 始まってすぐだよね?

中村 新チームが始動して1週間経ったくらいの出来事ですね。その時は結構大変だったのですが、今はいい方向に向かっていると思います。

――新体制になってチームとして変わったことはありますか

福本 今の3年生はメンバー外の選手が多くて、あんまり意欲的ではなかったかなと思っていたのですが、いざ一番上の代になると、一人一人に最上級生である自覚が生まれてきているのかなと思います。

――中村選手は関東地区大学・社会人王座決定戦(関東王座)後にオーストラリア遠征がありました。得たものは何かありましたか

中村 甲子園を経験している選手とかと一緒に野球をさせてもらって、自分たちより一つ上の環境で野球をできたかなと思います。そういったことをできるように、冬場なのでフリーバッティングよりも振り込んだり、守備の基礎練を重視したり、そういったことでこれから詰めていこうと思います。それで、春にスイングスピードのアップだったり、エラーの減少につながればと思います。実力はやっぱり向こうの方が上だなと感じましたね。

――主将、副将に就任して気持ちの面で変わったことはありますか

中村 大変な1年になるとは思っていたので。

福本 (主将に)なるよねって雰囲気はあったよね。

中村 まあね。(主将に)なるんだろうなとは薄々思ってはいたので、秋リーグ(秋季リーグ戦)とか全日、関東王座もそうだし、自分が引っ張れるようにというのは常にやってきたので、キャプテンという肩書きをもらって、より一層頑張ろうという気持ちになりました。

吉ヶ江 僕は、特にはないですね。周りがいろいろとやってくれているので、副将になったからというのはないですね。少し仕事が増えたくらいです。

福本 自分も、あまり変わってないですね。部員との接し方も変えているつもりもないし、変えられている感じもしないし。主将が副将を指名するのですが、今までを評価しての指名だと思っているので、変わる必要もないのかなと。

――2019年はどのようなシーズンでしたか

中村 楽しかったですね。最初(関東地区大学選手権、関東大会)はコールド負けしてしまって、その時は怪我で出られていなかったのですが、その後に4年生が上手くまとめてくれて、チームも勝ち始めて、リーグ優勝もできて。やっぱり結果が付いてきたのが大きいですね。秋リーグとかは4年生と野球をするのがあと数試合しかないと思ったらやっぱり寂しかったですし、4年生と野球をするのが楽しかったというのが一番強いです。

福本 面白いように勝てて、本当に楽しかったですし、秋リーグではあと何試合で引退というのが見えるかたちで見えてきた時に、(中村と)泣いちゃうねって。

中村 もう泣いたもん。一人で家で泣いた。

福本 普通に泣いたね。家では泣いてないけど(笑)。やっぱり4年生の引退が見えた時は寂しかったし、でも本当にいい経験、いい思いができた一年だったなと思います。

吉ヶ江 チームとしてはいい結果が出た年だったのですが、個人としては悔しさが一番かなと。怪我とかで試合にも出られなくて、メンバー選考にも出られなかったので、1年を振り返って、悔しいの一言ですね。

――関東王座後に引退された4年生の存在はどのように感じていますか

中村 やっぱり大きかったですね。龍平(吉田、スポ4=東京・小山台)さんもそうですし、プレイヤーとしてもですけど、存在も好きで。

福本 愛せるよね。

中村 プライベートでも家に行ったりとかしていて、今でもちょくちょく会うんですけど。

福本 グラウンドの外に出たら友達みたいな、友達だけど頼れる存在でした。

――新体制になって、4年生の存在を感じた瞬間はありましたか

福本 副将なので欠席連絡をもらうのですが、面倒くさいなと思って、やっぱり山口永路(社4=早稲田佐賀)さんは文句も言わずにやっていてすごいなって、見直しています。

中村 試合とか重ねたら多分余計に偉大さを感じると思います。

――吉ヶ江選手は何かありますか

吉ヶ江 僕は…。

福本 緊張してるやん。

吉ヶ江 僕はまだないですね。(投手陣では)4年生がやっていた仕事を福島(英之、教3=埼玉・早大本庄)とか福川(千明、スポ3=兵庫・白陵)とかがやってくれているので、すごく助かっています。

――特に印象に残っている試合はありますか

中村 全日の大阪経済大戦ですね。その日は自分の調子がめちゃくちゃ悪くて、0-4で、ここまでかというのが心のどこかにはあって。その中でりょまさん(鈴木涼馬、商4=東京・早実)のスリーランがあって、そこから8点を取って。あの試合に勝てたのは自分の中で奇跡だと思っています。正直ベンチでもうる目になっていたので。本当にあの一試合が人生の中でも大きな試合になったと思います。

福本 最後の中央大戦ですね。延長13回という試合もしたことがなかったですし、中央大と当たるのも今年初めてだったので。1回表に3点ぼんっと取られて強いなと思ったのですが、簡単と言ったらあれですけど追いつくことができて、このチームもやっぱり強いなと思いましたね。その後0が続いて、痺れる試合で、最後杉山さん(周平、教4=神奈川・山手学院)が打たれた時も、杉山さんでも打たれるのかと、大さん(加藤、人4=大分上野丘)でもあの打球は捕れないんだと。それでも勝てなかったならしょうがないなと思いましたね。

中村 それ俺がミーティングで言ったやつじゃん。

福本 俺もそう思ったんだって(笑)。最新の試合だからというのもありますが、心に残っています。

吉ヶ江 全日予選(全日本出場予選会)の自治医科大戦ですかね。なかなか(力の)差があると思っていた中でギリギリの試合になって、でもそこで勝てたというのは4年生の強さかなと思うので、自分たちも土壇場で勝てるチームにしていきたいですね。

――今年の準硬式野球部はどのようなチームでしたか

中村 波が大きいチームですかね(笑)。それが一番パッと思い浮かぶフレーズです。よくOBの方にも言われていて。全日優勝して秋リーグも勝てよ、って思った矢先に東大に負けてしまって。

福本 東大普通に強かったよね。

中村 東大も強かったのですが、「負けちゃいけない」と変に硬くなってしまっていたなと。それで結局秋リーグも混戦になったけど優勝することができて、勝ちきれるという点ではすごいチームだったと思います。

――秋季リーグ戦で勝てるようになったポイントはどこでしょうか

中村 龍平さんが慶応戦の後に「あと限られた試合数だし、4年生も残りの野球人生短いから、みんな楽しんでやろう」という風に言ってくださって、チームがいい方向にいってくれました。その時は優勝の可能性は少なかったのですが、運良く他大も潰し合ってくれて優勝することができました。なので、龍平さんのその言葉がきっかけなのかなと思います。

福本 追い込まれた時の強さがあるチームだと思いますね。春リーグは1敗もできない状態から4連勝して、全日予選は東洋大に勝てばすんなりと(全日出場が)決定するところを負けて、1敗もできない状態から自治医科戦で逆転勝ち。で、全日でも大阪経大、国士舘大戦などを逆転で勝って優勝。秋リーグも(一度)自力優勝が無くなって、(自力優勝が復活した後の)法大戦でもとれば優勝というところで2戦目負けて、ちゃんと追い込まれてから勝って優勝するっていう。追い込まれちゃうけど、チームの雰囲気は追い込まれた方がやりやすいみたいな感じになっていて、そういうチームなのかなと思います。

吉ヶ江 いろいろな面で徹底されていたチームだなと思います。一つ一つルールが決定されていて、最低限のことをやっていた上での土壇場の強さだったと思います。そういうところを見習っていかないといけないなと思います。

――どのようなルールがありましたか

福本 整理整頓とかですね。

中村 細かいところですし、どうつながっているかはわからないのですが、そういうところを徹底して勝てるようになったのかなと思います。そういったところも大事にしていかないといけないのかなと思いますね。

『五冠』は目指さないといけないもの(福本)


オンとオフの切り替えが得意という福本

――主将はどのように決まりましたか

中村 最初に候補だった自分と福本、吉ヶ江、竹本(周平、人3=鳥取・米子東)の4人でご飯に行って、どうやって決めるかを話し合いました。まずは3年生の話を聞こうと、自分たちの意見をそれぞれ3年生にLINEで送って、その結果自分になりましたね。

福本 なんとなくわかってはいたけどね。4年生とも一応その話はしていたけど、みんな康祐じゃない、みたいな。

――最初に挙げられた4人は学年リーダーなどを務められていたのですか

中村 厳密にそうというわけではないのですが、主将をどうするとなった時に挙がってくる4人だったので、そのメンバーでまずは話そうと。それで最終的に僕がなって、そこからまた賛成反対の意見を聞いて、という感じでした。

――副将は指名で決めたということでした。どのような期待を込めて指名をしましたか

中村 まず吉ヶ江なのですが、秋ずっとBチームのキャプテンを吉ヶ江と三上(哲平、商3=埼玉・早大本庄)が中心になってくれていました。吉ヶ江は全体練習の時でもずっと声を出して引っ張ってくれるので、副将としてチームを引っ張って欲しいなという想いがありました。何人か3年生の意見も聞いて、その決断をしました。福本は去年の偵察班で相手のデータ分析とかしてくれていて、チームの貢献度も大きいので、そこを評価して、と言ったらあれですけど。野球もよく知っていますし、チームのことを考えられる選手だと思ったので、あとはやりやすさもありますね。

――副将のお二人が主将に期待していることはありますか

福本 もちろん去年から主力で出ていたのもありますし、下級生の頃から学年リーダーもやっていて学年を引っ張ってきた経験もあるので、試合に出て活躍し、プレーでチームを引っ張ってほしいなと思います。うちの代は声で引き上げるよりも、プレーを見てみんなが頑張ろうと思えるカラーが合っていると思うので。声でとかじゃなくて、もっと主体的に自分から行動できるようなチームがいいと思います。もともと(中村選手は)バンバン声を出す感じではないので、ちゃんと背中で引っ張ってくれるのではないかなと思います。

吉ヶ江 特に何も考えずにやってもらえたらなと。できる限り副将、学年リーダー、各ポジションのリーダーというのも置いているので、当然康祐は主力としてプレーする面も大変だとは思うので、極力何も考えずにやってくれたらと思います。

――目指している主将像はありますか

中村 自分は昨年のキャプテンが龍平さんで、この人と野球がやれて良かったなと思ったので、自分も4年生として引退する時に、「康祐さんがキャプテンで良かった」と思ってもらえる人でありたいし、このチームで野球ができて良かったなと思ってもらえるチームづくりをしたいと思います。

――新4年生はどのような学年でしょうか

福本 仲はいいよね。

中村 仲はいい。

福本 でも、良くも悪くも周りに流されやすいです。それがいい方向にいくと、新人戦の時とかは自分の代と一個下の代とでできるので楽しんでやっていたし、盛り上がってまとまれました。けど悪い時は引きずられてしまうかなと。

中村 でも今は新チームが始動したから頑張ろうという、いい方向に進んでいると思うので、来年も続いていければいいのかなと思います。

――吉ヶ江選手はいかがですか

福本 吉ヶ江まだ緊張してるの?

一同 (笑)。

吉ヶ江 自分の代は明るい代だと思います。良くも悪くも個性が強くて、まとめるのは大変だと思いますけど、いい面を残しつつ、しっかりまとめることができればいい代になるのではないかと思います。

――学年で遊ばれることも多いですか

中村 そうですね、きょう忘年会をみんなでしますね。

福本 学年会の回数がこの学年だけすごい多いよね。

中村 確かに、バーベキューとかね。お花見も行ったよね。

福本 ゴールデンウィークとかも、唯一のオフを学年会したりしますね。

中村 最近もディズニーに行こうって話があったのですが、みんなの予定が合わなくて行けなくて。

福本 そんなことあったね。

中村 行きたいんですけどね。

――お互いのプライベートでの印象を聞かせてください

吉ヶ江 康祐は一度コープにいるのを見かけたことがあります。楽しそうだなって(笑)。牛乳か何かを見ていました。福本はプライベートで会ったことあるっけ。

福本 スタバで会ったよ。

吉ヶ江 そうだ(笑)。西武新宿線のね。

福本 そうそう。

吉ヶ江 印象っていうと、康祐はなんだかんだ真面目って感じかな。福本は意外と、結構ふざけてるイメージ。7割、いや8割かな。

一同 (笑)。

吉ヶ江 でもやることはちゃんとやるかなって。偵察も、なかなか続けられることではないので、やることはしっかりやるタイプかなと思います。

――福本選手の印象的なエピソードはありますか

吉ヶ江 いや、常にふざけてますよ。

中村 きょうの大掃除も。

福本 いや、ちゃんと掃除したから。

中村 きょうは大掃除だったのですが、部室は3年生が担当で、まあ副将がいるから大丈夫だろうと。

福本 3年生が遊びそうなメンバーだったので、俺に任せろと。

中村 そしたら一緒に遊んじゃったのか。

福本 違う違う(笑)。

中村 そんな感じが8割と、あと2割はちゃんとやるって感じですね。

福本 線引きはちゃんとしているんですよ。やる時はやるっていう。だから、オンオフが上手いっていう。

中村 自己紹介になってるじゃん(笑)。

――福本選手はいかがですか

福本 吉ヶ江は最初、とんでもなくごつくて、かちんこちんだなという印象でした。そもそも投手と野手であまり話すこともなかったのですが、徐々に話すようになって。馴染んでいくうちに、真面目に見えるけど結構ぶっ飛んでいるなと(笑)。頭かちかちかと思っていたけど、というよりずれているなと。真面目にやっているつもりなんだろうけど、お前何してるの、みたいな。

――面白かったエピソードはありますか

福本 俺が好きなのは、3限終わりに練習に合流するときに、他の選手は「3限終わりで遅れました」と言うところを、「すいません、(授業で)バスケしていて遅れました」って言うところ。何言っているんだと思って。3限終わりに参加しますって言えばいいのに。

一同 (笑)。

福本 でも真面目な部分はすごく真面目だから、明るいチームにしたいという想いが本人にはあると思うので、みんなを巻き込んでするっていう影響力があるのかなと思います。

――中村選手についてはいかがですか

福本 康祐は、1回ご飯に二人で行ったよね? 俺覚えてる。

中村 二人で?

福本 そうそう、でもその話はいいや。最初はちょっとなよなよしてるな、自信なさそうな顔してるなと思っていました。今もちょっとそういうそころあってかわいいんですけど、幹部になる前から自分のことだけじゃなくて周りのことも考えているんだなと思って。大人しめだけど、秘めたる熱いハートを持った男です。

――中村選手からはいかがですか

中村 福本は、自分でもさっき言っていたのですが、オンオフがしっかりしているなと。最初はちゃらんぽらんだなと思っていたのですが、去年の偵察あたりから本当にチームのために働いてくれたので、真面目なところがあるんだなと。でも先輩との関わりはてきとうなので。

福本 人のこと言えないだろ!

中村 まあね(笑)。それがいいところではあると思うのですが、本当にオンオフがはっきりしているなと思います。プライベートではちょこちょこ遊びに行きますね。

福本 夏とかプール行ったよね。あとは飲みが多いです。アルバイト先に飲みに来てくれたり、居酒屋なんですけど。

中村 吉ヶ江は一見真面目なのですが、ばか。一言で言うとそんな感じです。アップの時とかすごい声出してくれてて、傍からみると真面目だなって感じなんですけど、こっちから見るとばかだなって。

福本 なんか幼いよね。

中村 やっぱりアップの印象が強いのよね。ありがたいことなのですが、これからあと1年続けてもらえればなと思います。

――新チームの目標やスローガンはありますか

中村 スローガンは特に掲げているチームではないのですが、目標は全日の2連覇とリーグ戦の4、5連覇をできたらと思っています。先輩が掲げていた『五冠』に少しでも近づけられたらいいなと思います。

福本 4年生が『五冠』というのを最初に掲げて、全日優勝してリーグ戦を春秋取っても五冠というのは達成できてないという。それを間近で見ていた僕らが借りを返さないと、というか、目指さないといけないものだと思います。もちろん全日連覇とか、リーグ戦4、5連覇に挑む権利があるのはうちだけなので、それに挑戦しない手はないというか、目指してなんぼだと思うので、それを目標にしていきたいと思います。

吉ヶ江 全日連覇とかを考えすぎることなく、まずは目の前の関東大会をしっかりと勝って、全日出場の権利を勝ち取るためにまずやっていかなきゃいけないと思います。

――期待している選手はいますか

中村 たくさんいるな。

吉ヶ江 金田(歩、商4=東京・早実)はすごいよな、いっつもウェイトしてる。朝にトレーニングがあって、9時前に集合するのですが、8時前くらいからいますね。イニングを稼げるピッチャーで、適材適所で柔軟にできるタイプだと思うので、そこをしっかりと生かしていけたらなと思います。

中村 僕は竹本ですね。結構試合に出ていたといえば出ていたので、清瀬杯(清瀬杯全日本選抜大会)で(メンバーから)外れたり、骨折とかでちょくちょくメンバーから抜けたりしているのですが、来年はバッティングの面で絶対に必要になる選手だと思うので、彼が一年間通してフルで試合に出て、チームに貢献して欲しいなと思います。

福本 投手は今井(佑哉、社2=東京・早実)ですね。あいつもちょっとずれているので、ピンチとかでマウンドに行くことに何も感じてない。それって中継ぎやる上ですごく大事なことだし、そういう場面で任せられるピッチャーになってほしいと思います。実績はありますし、怪我持ちなのですが、それはしっかり治して春先から大事な場面でバンバン投げて欲しいなと思います。野手は高岸(知輝、文構2=埼玉・早大本庄)ですね。レフトはりょまさんが抜けて、誰がどこに入るかはわからないですけど、足も速いですし、バッティングも良くて、肩も強くて、ポテンシャル的に言ったら間違いなくスタメンを張れるだけのものは持っていると思うので、彼が1番とかを打つようなチームになれば、さらに強いチームになるのではないかなと思います。

――後輩に対してはどのように感じていますか

福本 かわいいよね。

中村 そうね。

――まず2年生はいかがですか

福本 2年生はどうだろ、吉川(翔、法2=埼玉・川越東)は?

吉ヶ江 そうね、2年生は吉川ですね。

福本 いつも一緒にいるじゃん。

吉ヶ江 とんでもないこともしてきますけど、なんだかんだやっぱりかわいいです。

福本 全体的に生意気だけど、かわいいよね。

中村 それ1年生の時なんて言うの。

福本 1年生はまだそんなに生意気じゃない(笑)。かわいげがある。1年生は若いなって。あと、野球すごく好きだよね。残ってすごく自主練してる。きついトレーニングをした後も平気でノック受けたり、ロングティーしたり、すごいなと思う。こっちはヘロヘロなのに。

――特に頑張っている選手は誰かいますか

福本 服部(峻也、社1=東京・早実)だよね。

中村他 も結構みんなやっているんですよ。自主練とか。挙げてったらキリがないですね。

吉ヶ江 鳥越(康介、文構1=東京・早実)とか、吉松(武竜、スポ1=早稲田佐賀)、士門(奥垣、文構1=東京・早実)、山浦(秀斗、スポ1=埼玉・早大本庄)、岡島(辰義、政経2=東京・国際基督教)もね。あと関口(柊、スポ2=東京・穎明館)、吉川…。

福本 吉ヶ江ファミリーじゃん!

一同 (笑)。

吉ヶ江 意外と吉川も外で練習したりしているんですよ。みんななんだかんだ影で練習してやっているので、見えないところでも頑張っているんだなと思いますね。

中村 いい選手がたくさんいるので、来年活躍してほしいと思っています。新人戦(木村杯新人戦)を勝てなかったので、それを糧にして来年の新チームで勝てたらと思います。

全員が悔いなくやり切るのが目標(吉ヶ江)


後輩からも慕われている吉ヶ江

――現在どのような練習をしていますか

中村 振りこむこととか、守備だったら基礎練だったりを中心にしていますね。まずは振る量を増やして、明治とか法政とかの、ポテンシャルが高い選手のレベルに追いつけるように、まずは量をこなしていこうというかたちでやっています。

福本 今年めっちゃ走ってるよね。きついわ。トレーナーの高垣(有希、スポ3=大阪・早稲田摂陵)が考えてくれたメニューをしているのですが、結構鬼のようなメニューで、平気な顔で言ってくるのがまた怖いっていう(笑)。

――投手陣では特にどのような練習をされていますか

吉ヶ江 基礎体力ですかね。走ればいいとかいう考えではなくて、しっかりと目的と、それに合わせた過程を重視しています。何のトレーニングが一番効果があるのかを考えていますね。量より質というところをしっかりやっています。あとは個人個人の課題が違うので、そこにしっかりと取り組めるような環境を作っています。

――バッテリー合宿についてはいかがですか

福本 僕は去年参加させてもらって、今年もぜひ参加したかったのですが。まあ1、2年生の若手主体ということで。上村先生という方が教えてくださるのですが、すごい指導理論を持っていて、去年行ってためになったと思います。上村先生がキャッチャー出身なのもあって、キャッチングを習いましたね。あとは現役の高校球児と一緒に練習ができて、刺激がもらえます。

中村 きついんですよ。

福本 ぜひ行くべきです。

吉ヶ江 違う環境だと学べることも違うと思うので、どんどん参加した方がいいと思いますね。

中村 2日目起きたら体バキバキですよ。それが一番きついです。

福本 アップだけで2時間くらいかかるもんな。

中村 もうクリスマスパーティですよね。頑張ります。

――バッテリー以外も参加するのですか

中村 今年はピッチャーが3人とキャッチャー1人で、あとは内外野手なので、バッテリー合宿というよりは強化合宿ですね。1回行った人は行かなくていい感じなので、田中爽稀(法2=神奈川・柏陽)とか清水(佑樹、スポ2=早稲田佐賀)とかは去年行っているので、今年はまた別の人を行かせようという時に、それなら野手も連れていこうということでこのようなかたちになりました。

――個人として力を入れている練習はありますか

吉ヶ江 瞬発力と柔軟ですね。あとはフォームですね。その3つをやりこんで、何とか怪我なく一年終われればなと思います。

福本 僕はバッティングですね。打たなきゃ始まらないので、キャッチャーとはいえ、打ちたいですね。

中村 自分が来年キャッチャーをするのですが、去年は龍平さんだったので、比較されて龍平さんの方が良かったと言われるのではなくて、変わらないじゃんと言われるような守備力を身につけたいです。バッティングではベストナインを取れるくらい打ちたいなと思っています。

――これからチームとして伸ばしていきたい点は何ですか

中村 まだ実践とかができていないので、わからないですね。どんなチームなのかまだ掴めていないので、2月からの実戦や合宿で伸ばしていけたらと思います。

――最後に来年への抱負をお願いします

中村 チームとしては先輩が成せなかった『五冠』というのを達成したいです。まずは吉ヶ江がさっき言ってくれたように、関東大会に合わせて、そこで優勝して、全日本への出場権を取ることを目標にしたいと思います。個人としては先ほども言ったベストナインというのが一番の目標にして、大変な1年になるとは思うのですが、頑張っていきたいと思います。

福本 チームは、優勝はもちろんなのですが、優勝した時にチーム全員で喜べたらいいなと思います。引退する時も、4年生含めてチーム全員で笑ってこの代を終えられたらいいかなと思います。個人では、正捕手。康祐を他に回して自分が出るという思いは持っているので、そこを目指して頑張っていきたいと思います。

吉ヶ江 チームとしては、最後の学生生活で、もうこれから野球をやらないという人も多いと思うので、とにかく全員が悔いなくやり切るのが目標かなと思います。個人としては150キロ投げます。投げられなかったらもう野球しないです。今は145キロなので。そこを徹底してやって、出たら悔いないですね。

――ありがとうございました!

(取材・編集 池田有輝、小山亜美)


『中村早稲田』の時代が始まります!

◆中村康祐(なかむら・こうすけ)(※写真中央)

1999(平11)年3月2日生まれ。171センチ。71キロ。早稲田佐賀高出身。教育学部3年。内野手。右投右打。同期でのディズニーがなくなってしまったと話してくださった中村選手。福本選手によると、プライベートでは先日ディズニーシーに行かれたそうです。今度は同期の皆さんとも行けるといいですね!

◆吉ヶ江輝(よしがえ・ひかる)(※写真右)

1997(平9)年4月12日生まれ。180センチ。90キロ。兵庫・明石高出身。スポーツ科学部3年。投手。右投右打。色紙に『翔』としたためてくださった吉ヶ江選手。色紙はこの後仲良しの吉川『翔』選手にプレゼントされたそうです。今年は吉川選手と共にリーグ戦の舞台で暴れ回ります!

◆福本恭介(ふくもと・きょうすけ)(※写真左)

1998(平10)年11月20日生まれ。177センチ。77キロ。石川・小松高出身。教育学部3年。捕手。右投右打。色紙にはファンである阪神タイガースのスローガンにちなみ、『オレがヤル』としたためてくださった福本選手。親戚の家が兵庫県西宮市にあり、小さい頃から阪神甲子園球場に何度も行っているそうです!