悪天候のため試合開始が遅れるアクシデントもあったが、マウンド上の田中は快調に飛ばした。ジラルディ監督が「スライダーとスプリットがとても良かった」と言うように、レイズ打線のバットは面白いように空を斬るばかり。■チーム22勝7敗はリーグ最多20…

悪天候のため試合開始が遅れるアクシデントもあったが、マウンド上の田中は快調に飛ばした。ジラルディ監督が「スライダーとスプリットがとても良かった」と言うように、レイズ打線のバットは面白いように空を斬るばかり。

■チーム22勝7敗はリーグ最多20勝ポーセロと並ぶメジャートップの貢献度

 10日(日本時間11日)本拠地でのレイズ戦で自身最多タイとなる13勝目(4敗)を挙げたヤンキース田中将大投手。7回1/3を投げて5安打10奪三振1失点(自責1)の快投劇。7回にソロ弾を許したものの、今季最多10K無四球という堂々たる投球で、チームを今季最長7連勝へと導いた。ヤンキースはワイルドカード争いで2位に1ゲーム差の3位タイに浮上。一時は危ぶまれたプレーオフ進出の可能性が俄然現実味を帯びてきた。

 悪天候のため試合開始が遅れるアクシデントもあったが、マウンド上の田中は快調に飛ばした。ジラルディ監督が「スライダーとスプリットがとても良かった」と言うように、レイズ打線のバットは面白いように空を斬るばかり。レイズ先発アーチャーと根比べのような投手戦を演じたが、6回にエルスバリーとサンチェスの2者連続弾でヤンキースが3点を先制。田中は7回にソロ弾を浴びて1失点したが、チームを勝利へ導くには十分の快投だった。

「投手戦になることは予想できた」という指揮官は「田中は素晴らしかった。1回、2回に球数がかさんだので、あれだけ長いイニングを投げてくれるとは思わなかった。いい仕事をしてくれた」と、エース右腕の見事な仕事ぶりを絶賛した。

■最近7試合は6勝無敗、防御率は1.94という圧倒的な数字

 田中が投げるとヤンキースは負けない。この日の勝利で、今季田中が先発した29試合でチームは22勝7敗と大きく勝ち越している。これはリーグ最多20勝を誇るレッドソックス先発ポーセロ(22勝7敗)と並び、メジャートップの数字だ。田中自身の勝ち星は13勝にとどまっているが、勝利への貢献度はハーラートップと変わらない。また、最近7試合は勝敗つかずが1試合あるが6勝無敗。防御率は、実に1.94という驚異的な数字に達してる。

 8月1日のウェイバー手続きを経ないトレード期限を前に、ベテラン選手を大量放出し、若手起用に切り替えたヤンキースは、プレーオフ進出の可能性は少ないように見えた。だが、捕手サンチェスや外野手ジャッジら若手有望株たちが奮起。田中もさらに調子を上げ、気が付けばワイルドカード争いで上位を争うようになっていた。

 今季は故障者リストに入ることなく、開幕から先発ローテを守り続けている田中。名門ヤンキースのエースとして、十二分な働きを続けている。