左から吉田新主将、マルキ前主将

全日本大学選手権の戦いを終え、約1ヶ月が経過した。今回は、主将そしてチームの要として活躍してきたマルキナシム前主将(総4・川越東)と、今月新たに主将に就任した吉田祝太郎新主将(政3・慶應)のお二人の対談をお送りする。

※この取材は2019年12月12日(木)に行いました。

2019年の振り返り

――まずこの1年間を振り返ってください

 マルキ 伊藤主将(伊藤祥樹=H31卒)の代から僕が引き継ぐことになって、スタメンになるメンバーがあんまり変わらないっていうことは分かっていたので、特に練習メニューとかを大幅に変えることはしないで、伊藤主将がやってきて良かったことを個人的にも教えてもらっていたので、それを引き継いでいこうかなと。新たにやったこととしては、縦割りの班を作って、風通しの良いチームを作るというか。下級生の意識も上げるために、下級生もメニュー班など色々な班に分けるってことをして。普段の練習は割と例年通りというか、トレーニングに少しフォーカスをして、春のリーグを迎えて。春のリーグでは1勝10敗、入替戦で昨秋と同じ青山学院と当たって1-3で負けてしまって2部に落ちてしまって。入替戦終わってから祝太郎とか小出(小出捺暉 新副将=環2・駿台学園)のポジションが変わったりして、それでまぁ早慶戦に臨んで、割と良い感じで。勝てなかったのは悔しいですけど、出来立てのチームとしては、良い形ではあったと思います。東日本(東日本インカレ)では、中央大に決勝トーナメント2回戦で負けてしまったんですけど、そこから夏にかけて修正しようと思っていたところに、富澤(富澤太凱 前副将=経4・慶應)がけがしてしまって。秋のリーグ始まるまでセンター陣が次々けがしたり、加藤靖丈(商2・慶應)が合宿で倒れちゃったりとか色々なアクシデントがあって。思い通りにというか想定していたメンバーで練習することがなかなかできなくて、そんな中迎えた秋のリーグ戦で。(春の)入替戦負けてから今年の目標を全日本インカレベスト4から1部昇格に代えてそこだけに集中しようとしていました。最初は内容も良いセットと悪いセットが出て自分たちも納得していなかったんですけど、試合を重ねるごとに一体感というか自分たちのやりたいことがちょっとずつできてきて。10勝1敗でリーグ戦は終えたんですけど、そのチームっていうのはベストなチームではなくて。慶應のメンバーでいうとどちらかというと安定感を求めたチームだったので、入替戦で1部のチームと戦うってなったときにそれでは駄目だということで、富澤が復帰して。それも1週間くらいしか練習できなかったんですけど、それでいこうと。(入替戦は)1・2セット目先取したものの、その後取り返されて。足りなかったことといえば、慶應の一体感のあるバレーを出し続けることができなかったというのと、単純に僕と富澤のガス欠というのがあったかなと思います。4年生としては後輩に来春のリーグ戦1部で戦ってもらうということを達成できず、そのあと全日本インカレももちろん頑張るっていうのがあったんですけど、次の代が次の春のリーグ戦で絶対1部に上がるってことを考えた練習というか意識で練習して終わったかなという感じですね。1年ざっくり振り返ると。

吉田 素晴らしい。素晴らしい。

――吉田さんにも振り返っていただきたいです

吉田 大まかの流れはマルキさんが言った感じですよね。その中で2部に降格してしまった理由とか最後入替戦勝ち切れなかったのは、一つになるのが少し遅かったかなっていう。春リーグとかは僕セッターで、今見たらトスも合ってなかったり、勝手に(マルキに)キャプテンとしての自覚がないとか当時めちゃくちゃ言ってて。マルキさんとは色々話したりして、その中で最初の前半のシーズン駄目で、終盤はマルキさんとも話すことが多くなったのが、チームが一つになれた一つの要因かと思います。4年生、マルキさん自身も2部に落ちてなんとかしないといけないというなかで意識が上がったんだと思います。ちょっと上から目線になってしまうんですけどね。マルキさん自身も本当の本気になって、それがもっと最初の段階でできていれば。たらればになってしまううんですけど。それでも2部に落ちていたかもしれないですけど、もっと最後良い結果で終われたのかなと思います。という感じですかね、流れはもうマルキさんに話してもらったので。ちょっともったいなかったなって人いたんですけど、プレーヤーとしては富澤太凱とか。前半うまくまとまらなかった、僕が原因の一つなんですけど。ちょっともったいなかったなと。後悔じゃないですけど、学びというか。

マルキ ほんと反省点として僕が1年間結構…さっきも言ったようにメンバーがあんまり変わっていなかったので、個々の能力を上げれば1部で上位を狙えると思っていて、冬の時期に個々の能力アップというのを意識しちゃっていたのかなという。チームとして精神的負荷をかけた状態での練習だとかいうのを、今の代はすでにやっていると思うんですけど、そんな状態で春のリーグ戦始まって。色々な選手が上手くいかない中で、祝太郎がずっとトス上げてて。なかなか1部でスパイクも決められないし、サーブレシーブも返らないという状況でやらせちゃってたというのもあって。そんな状況でも僕がキャプテンとしてなんとかするぞってこともできなかったし。そういうが反省点としてありますね。

吉田 めちゃくちゃ優しいじゃないですかマルキさんって。富澤太凱もそうだし。4年生はとにかく優しい人が多くて。良い意味で言えば優しい。

マルキ 悪い意味でいったら甘い。

吉田 (笑)それで部全体が甘くなっちゃうっていう。お互いに思ってることあるんだけど、それをオブラートに包むというか、直接的に言わないっていうタイプの人で。すごく良い所でもあるし、そこでやりたいことができなかったのかなっていう部分があるっていう感じ。本当に優しいんですよ。だって、マルキさんが調子悪いときに交代しろとか吉田が監督に言うんですけど、そんなこと普通先輩だったらブチ切れるじゃないですか。お前なんだと。下級生のくせに何調子のってんだと。でもマルキさんは試合後の話したいことがあるって呼んでくれて、そういうのは直接伝えてほしい、そういうのはありがたいから、冷静に話がしたいって。話しましたよね?日体のとき。

マルキ(笑)(うなずく)

吉田 そんな攻撃的な態度をとる僕にも優して、そこは僕も見習わないといけないのかなと。

マルキ いや。逆になんで先輩としてお前にキレなかったかというと、祝太郎は勝ちたいっていう気持ちが。勝ちたくてしょうがないんですよ。勝ちたくてしょうがなくて怒ってるってのが周りが見てもわかるし、俺もずっと2年から(吉田と一緒に)やってるけどわかってたし。だからそれを見て、周りの後輩たちもうまくいかないとき、イライラした感じを出してもいいんだみたいになっちゃったのを、俺は何もできなかった。それは祝太郎とは違う意味で指導をしないといけなかったりあったんだけど、それができなかったかなぁ。

吉田 頑張ってました、マルキさんは。とりあえず4年生で話し合ったんですよね。ミーティングしてからほんとに変わったなというか。今までは優しくて言えなくてそのままって感じだったけど、マルキさんもほんとに意識してるようになったし、同期といっぱいコミニケーション取ったりしてて、そこはすごく下級生としては、後半シーズンは4年生としてすごい頼れるというか。最後の全カレもマルキさんでジャンサ(ジャンプサーブ)、バンバン決まるし。最後は頼れる先輩でしたね。これはお世辞じゃないです(笑)。みんな思ってると思いますよ。

マルキ これは夏の合宿で言ったと思うんだけど、やっぱり4年のなかでもどうしても違う方向に力を発揮して、まとまりがなくなったりってときがあると思うんだけど。そのときに4年がしっかりしなきゃってことで、下の代にも重要な人っていうか。去年でいったら、俺と祝太郎とか、俺と樫村(樫村大仁 新副将=環3・茨城高専)とか、俺と(小出)捺暉とか。その辺がごちゃごちゃしてると。祝太郎も納会で言ってたけど、後輩に早く自覚を持たせるっていう。

吉田 ですね。だいぶ話から脱線してしまいましたが。

お互いについて

――初めてお会いした、もしくは初めて認識したのはいつですか?

マルキ 初めて認識したのは、中学校のときで。僕は富士見東ってところで。祝太郎はサレジオで。練習試合させてもらっていて。

吉田 結構やってましたよね。毎週やってたんじゃないですか。本当に。

マルキ そのときは祝太郎のことを覚えていたというか。何か大会があって、優秀選手みたいなのに吉田祝太郎って紙に書いてあって。最初祝太郎ってのが読めなくて。

吉田 最初ね(笑)。なんだこの漢字は、と。

マルキ 文字と祝太郎が全然一致しなくて。

吉田 えー。

マルキ 俺が大学入って、あの子が吉田祝太郎なんだって。

吉田 サレジオでうるさいなとは思っていたけど、みたいな。

マルキ うるさいなというか。俺が審判やってるときに、祝太郎か誰かが、誤審をしたら審判台の下まで来て公式戦みたいな抗議をしてきて。中学校のとき俺は素人だったから、めちゃくちゃ困惑して。サレジオは昼休みもボール当て鬼みたいのして恐いし(笑)。そこからですね。

吉田 でも僕は最初から名前が一致してました。ヤルキナシムって呼んでた、そのときは。その時はこんなにでかくなかったんですよ。165とかで。試合にも出てないし。今みたいに優しい感じなんですよ。このまま、本当にこのまま小さくなった感じ。まさか大学で一緒になるとは思わなかった(笑)。っていうのが初めて会ったときですね。


マルキ前主将(早慶定期戦にて)

――初めてコミュニケーションを取ったのは

吉田 大学入ってから?

マルキ だね。塾高戦の後ちょっと話したんじゃない。太凱とかと一緒に話したけど、何話したかは覚えてないね。

吉田 大学入ってからも1年のときはほとんど話してないんじゃない。こんなに話すのも、今年の7月とか8月とかですよね。

マルキ 祝太郎は、俺らの代で話すとしたら太凱と話すから。

吉田 そうだそうだ。あんま話さなかったですね。マルキさんとは。

――プライベートでも?

吉田 ほんとゼロですね。オフの日なんて絶対会わないみたいな感じですよね。

マルキ そもそもバレー部と会わないしね。

吉田 確かに。仲悪いわけではないけど、別に話もしないというか。


吉田新主将(秋季リーグ戦にて)

――ではマルキさんから見た吉田さんとは

マルキ 色々あってどんどん人間的に成長して、バレーに関しては部内でピカイチというか、技術的に勝る人いなかったし、サーブもマサさん(柳田将洋=H27卒・現United Volleys)みたいだし。

吉田 やめてください。載るからね、これ(笑)。

マルキ マサさんみたいに鋭いフォームだし。セッターやってると思いきや、スパイカーもできるし。それは中学校のときから知ってたけど。バレーの技術も成長してるけど、どちらかというと人間的に成長して、3年生としてもリーダーシップを発揮してくれていたし、正直俺がキャプテンやってる必要ないんじゃないかと思ったりもするぐらい。

吉田 いやいやいや(笑)。そんなことないっすよ。

マルキ 変なことばっかいってるけど。技術が伴ってるし、他の人よりもアフターとか練習するし。セッターとしてのトス練とかサーブだったりとかひたすらやってたり。早く来てネット立ててたりとか、そういう部分でも本当に成長したなと思います。

吉田 ありがとうございます(笑)。嬉しいですね。僕は3年間マルキさんを攻撃し続けたのに。こんなお言葉をもらえるとは。

――吉田さんからみたマルキさんは?

吉田 最後は男らしかったですね。緊迫した場面でのサーブとかドーンって打って。

マルキ ボール変わったから(笑)。あのボールまじで打ちやすい。

吉田 だから、必死になったときというか、これ負けたら引退とか、これやらなきゃ死ぬかもってときに、真の力を発揮するタイプなのかなと思います。

マルキ 追い込まれないと駄目なのかも。去年の秋の入替戦とか。あと早慶戦で太凱が足つったときとか。太凱いなくなってやっと俺打たなきゃみたいな。

吉田 だからテストとかも前日勉強するタイプ。

マルキ 間違いない(笑)。でもそれは短所だよね(笑)。

吉田 最後の大会ですごいんだから。いいんじゃないですか。

主将として

――吉田さんが主将に就任した経緯は?

吉田 うちの部はOBの方が考えて、今の部長に推薦して、それで部長が任命するという形でになっているので、経緯というよりもOBの方々がっていう感じですね。あれってマルキさんたち関わってるんですか?

マルキ いや今年は関わってない。去年は祥樹さんとか4年生の総意があって、その上で監督とOB会とかが話し合ってっていう風に聞いてるけど。

――自分になりそうだな、と思っていましたか

吉田 なるなというか。チームをまとめるというか、1年間バレーボール頑張るその中で、思い通りっていう訳じゃないけど、僕がやりたいようにやりたいなというのはずっと思ってて、こうしたら強くなれるとか、こうしたら勝てるんじゃないかとかずっと頭で考えてはいたので、僕なったらいいなとは思ってました。

マルキ 素晴らしい!

――マルキさんはどう思いますか

マルキ さっきも言ったように、自分が主将やっているときに、助かるっていうか、唯一3年生のなかから感じていたので、祝太郎しかないだろうなとは思っていました。誰もがなるってわかっていたので。

――目指す主将像とは

吉田 上から言うのもいいと思うんですけど、それはそれで。でも高校生くらいまではそれでいいと思うんですけど、大学生になると自分の考えが出てきて、お前やれよって言われてもやらないやつが出てきて。ってなるとみんなが毎日目的をもって、今日は何を頑張るのかというモチベーションを持って練習に臨める環境を作るのが良いリーダーなんだろうなと思います。それがたるんでたら、お前それは違うだろとか。そういうことも言えるし。自分たちに自覚を持たせて、だらけないように管理できる人が理想かなと思います。自分にとっては人に言うことが苦じゃないので。人によっては違うとは思いますけど。

――マルキさんが吉田さんに伝えておきたいことはありますか?

マルキ 特にないんだよね(笑)。主将というかリーダーとしての素質は持ってるので。ただ、あとはその力をどうコントロールするか。それについても、俺も祝太郎の理念とかをわかっているので。試合期間どうブレずに行くかということですね。自分がブレちゃいけない。

吉田 なるほど。

――今年の意気込み・目標をお願いします

 吉田 これはもう日本一でしょ。秋の全カレで日本一をとることが目標なので、そこを取るために毎日頑張っていきたいと思います!

――ありがとうございました!

(記事:持丸嘉昭 写真:藤澤薫)

◇プロフィール◇

マルキナシム(まるき・なしむ)

1997年7月27日生まれ/総合政策学部4年/川越東高出身/身長192センチ/最高到達点335センチ/2019年度主将・WS/背番号2

吉田祝太郎(よしだ・しゅうたろう)

1998年9月24日生まれ/法学部政治学科3年/慶應義塾高/身長184センチ/最高到達点321センチ/2020年度主将・WS/背番号1

◇関連記事◇