文・写真=鈴木栄一

前半は10点リードを許すも、後半を46-26と圧倒

アルバルク東京は、12月25日にホームで秋田ノーザンハピネッツと対戦。第2クォーター早々に指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチがダブルテクニカルファウルで退場処分のアクシデントに見舞われながらも、後半に限れば26失点と堅守で持ち直し79-71で同地区対決を制した。

第1クォーターに主導権を握ったのは秋田。攻守の素早い切り替えからジャスティン・キーナンが速攻でレイアップを決めていく。守備でも激しいプレッシャーで、A東京にインサイドへの侵入を許さず、インテンシティで上回って24-14と先行する。第2クォーター、A東京は巻き返したいところだが、指揮官が早々に退場したことも響いて勢いに乗り切れず、10点差のまま前半を折り返す。

それでも後半、A東京は秋田の速攻を出させずに流れを呼び込む。第3クォーター残り3分半にアレックス・カークの3ポイントシュートで3点差。秋田はタイムアウトを取るが、A東京の勢いはもう止められない。ザック・バランスキーのバスケット・カウント、ミラン・マチュワンの3ポイントシュートとたたみかけて57-52とひっくり返す。

第4クォーター、秋田は劣勢に立たされながら粘りを見せるが、残り3分に痛恨のミス。7点を追いかける場面で長谷川暢がノーマークのレイアップを外すと、菊地祥平にあっさりとゴール下を割られてのレイアップを決められ、5点差に肉薄するはずが逆に9点差へ。結局、後半に限れば46-26と圧倒したA東京が、そのままペースを握り続けて逆転勝ちを収めた。

「修正できる力は成長の一つです」

A東京の水野宏太トップアシスタントコーチは、「負け越していた相手に対し、勝たなくてはいけないところでしっかり結果を残せた」と総括。その上で勝因をこう語る。「秋田みたいなディフェンスで当たってくるチームに対してはシンプルなオフェンスを心掛けて、そこで打開をしていくこと。後半は26失点に抑えて、いいディフェンスからしっかりオフェンスに繋げることができました」

振り返ればA東京は、先週末の島根スサノオマジックとの2試合目も、前半に12点のビハインドを背負いながら後半を10失点に押さえ込んでの逆転勝ち。2試合続けて同じような展開の逆転勝ちとなったことに、「修正できる力は成長の一つです」と水野コーチは言う。

そして、パヴィチェヴィッチの退場処分で指揮を執ったことをこう振り返る。「最初は『来たか』と思いましたけど、緊張する暇があったというより、どういう決断をしなければいけないかに集中していました。レバンガ北海道で3年半くらいヘッドコーチをやらせてもらった時の経験は間違いなく役に立ちました。同じ東地区なので戦う時は倒しますが、今でも感謝していますし、応援しています。この経験があったから落ち着いてできたところはありました」

「チームが闘争心をしっかりもってやれば、しっかり戦える」

一方の秋田は、試合当日になって細谷将司が体調不良で欠場。中山拓哉、白濱僚祐とあわせ欠場選手が多い中で食い下がったパフォーマンスについて、前田顕蔵ヘッドコーチはこう振り返る。

「前節の富山戦でソフトだった部分を今日はタフにしようと選手たちは良くやってくれました。万全ではないロースターではありますが、その中でどう組み立てるか。後半、少し得点が止まってしまった。ディフェンスが緩んでしまった時間帯が出てしまったことで、勝てませんでした」

そして、「今、どれだけいいシュートをどれだけ打てるか。ジャスティン(キーナン)に頼りすぎずに他の選手がどう取れるかが大事です」と指揮官は言う。この試合ではキーナンの29得点以外、2桁得点は保岡の15得点のみ。

「試合前、日本人選手が積極的に行かないと勝てないと話しました。前半、保岡選手が積極性をもってやってくれていましたが、積極性とシュートの質、どう決め切るか」と振り返ったように、ここから貯金を増やしていくには日本人選手が、オフェンス面でいかに効果的な働きができるかがカギとなる。

それでも前田ヘッドコーチは「非常に前向きになれる」とも総括し、「チームが闘争心をしっかりもってやれば、しっかり戦える。ゾーンディフェンスを使いましたが、引き出しとして収穫になりました」と続けている。

次節、A東京は大阪エヴェッサ、秋田は宇都宮ブレックスとともに地区首位の難敵と対戦する。2019年を良い形で締めくくるためには、ともにこの試合で得た収穫をしっかりと継続して実践することが大事だ。