国内でジュニアカテゴリーを中心に活動していたレーシングチーム「ル・ボーセモータースポーツ」(坪松唯夫代表)が看板を下ろした。 ル・ボーセモータースポーツの坪松唯夫代表(鶴田真也撮影) 「燃え尽きた」  過去には国内最高峰フォーミュラシリー…

 国内でジュニアカテゴリーを中心に活動していたレーシングチーム「ル・ボーセモータースポーツ」(坪松唯夫代表)が看板を下ろした。

 

ル・ボーセモータースポーツの坪松唯夫代表(鶴田真也撮影)

 

「燃え尽きた」

 

 過去には国内最高峰フォーミュラシリーズのスーパーフォーミュラにも参戦したが、9月に今季限りでのレース活動終了を電撃発表。栃木県のツインリンクもてぎ近くにあったチームガレージも引き払うことにした。

 「チームの経営が傾いたとかそういうことではない。まあ燃え尽きたということです。自分も55歳。今のモチベーションをこれからも続けられるかどうか考えてきた」と坪松代表。

 日本のレーシングチームは経営難で別の経営者に身売りしたり、廃業したりするケースが少なくないが、健全経営のままチームを畳むのは異例中の異例だ。所有していたレーシングカーのほとんどを既に売却。トロフィーやレーシングスーツなどもオークションなどで在庫一掃したという。もちろん、従業員の再雇用先もまとめた。

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「最後のレースで勝てないのもウチらしい」

 

7月にはガレージのある栃木県茂木町の夏祭りでスーパー耐久仕様のマシンを公道デモ走行(ル・ボーセモータースポーツ提供)

 

 チームは1989年に元F1ドライバーの片山右京の協力を得て設立された。右京の相棒として国内レース時代からメカニックを務め、渡仏してフランスF3にも共に挑戦。「ル・ボーセ」とはフランスF3の最後のレースとなったポールリカールサーキットのコーナー名から採ったもので、サーキット近郊の港町の名前にもなっている。

 今季はツーリングカーレースのスーパー耐久のほか、ジュニアフォーミュラのFIA-F4選手権、スーパーFJシリーズに出場。過去にはスーパーフォーミュラ(旧F・ニッポン)のほか、FJ1600、全日本F3、フォーミュラ・トヨタなどにも参戦しており、OBには元インディカー選手で現在は米NASCARチームを率いる服部茂章、今季のスーパーGTでGT500王者となった山下健太らがいる。

 坪松代表は「生まれ育った筑波でモータースポーツとは全く関係ない、新しいことをやる。未練はない。請われれば、ボランティアでモータースポーツの手伝いはするかもしれないが」。最後のレースとなった12月8日のスーパーFJ日本一決定戦(鈴鹿サーキット)では所属の若手選手がポールポジションを獲得したものの、決勝で順位を落とし、表彰台にも絡めなかった。

 「最後のレースで勝てないのもウチらしい」。悔しがるどころか、むしろすがすがしい表情を浮かべ、31年間のチーム活動にピリオドを打った。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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