2020年東京五輪を前に、日本を代表する女性アスリートが「三井不動産 Presents CRAZY ATHLETES」に登場した。 ソフトボール女子・日本代表の上野由岐子選手だ。 2019年12月、全4話に渡って公開された「三井不動産…

2020年東京五輪を前に、日本を代表する女性アスリートが「三井不動産 Presents CRAZY ATHLETES」に登場した。

ソフトボール女子・日本代表の上野由岐子選手だ。

2019年12月、全4話に渡って公開された「三井不動産 Presents CRAZY ATHLETES 上野由岐子」。インタビューの舞台は、彼女のホームグラウンドである群馬県高崎市の宇津木スタジアムだった。

MCを務めるDJケチャップ氏とのキャッチボールから始まり、今もなお現役で走り続けるためのトレーニングについて、そしてあの大怪我についても語られたインタビュー。

「今の自分で金メダルを取るためにはどういうピッチングをしないといけないのか?どういうスタイルにならなきゃいけないのか?どういうピッチャーでなければいけないのか?」

まもなく迎える2020年への決意、東京五輪へかける想いも、自身を追い込むような冷静さが際立つ。沢山のことを同時に考えて、準備を怠ることなく、自分自身に向き合うアスリート。

世界の舞台を知り尽くす彼女がカメラの前で語ってくれた2020年への想いは、オリンピックイヤーのTOKYOで世界中に輝きを放つだろう。その原動力は、ただひとつ。

「誰かのために」

北京五輪を終えたあとの2008年から、周囲の変化と自身の葛藤に向き合った上野。五輪が終わってから、ポカンと穴が空いてしまったような感覚に包まれていた。ある日のこと、(当時の監督)宇津木麗華氏からのメッセージをきっかけに競技人生は変化する。

「目標がないんだったら、これまで成長させてくれたソフトボールに恩返しするつもりで続けなさい」

自分のためじゃなく、誰かのために。ソフトボールを楽しもう、と心に誓った。そんな彼女のグローブには、桜模様と4文字が描かれている。

「和顔愛語(わがんあいご)」という4文字と桜模様が描かれたもの。

ソフトボールへの競技愛とリスペクトが込められたグローブだ。桜模様にも、上野ならではのこだわりがある。桜は、柔らかい花をイメージしていれたもの。「和顔愛語」とは、後輩たちに伝承していきたい、自身の想いから。

後輩を育てる立場にあるベテラン選手ならではの気遣い、愛ある言葉でわかりやすく伝えること。それを自身で実践できるのか?

日本代表・上野由岐子として、人間・上野由岐子として。マウンドを離れても、ソフトボールという競技に向き合い、チームで強くなるという課題に取り組み続け、規格外の人生を休むことなく歩み続ける。

もしかすると東京五輪は、日本代表・上野由岐子にとって、人間・上野由岐子にとって単なる通過点かもしれない。だとしたら、それは言葉に表せないくらい凄いことだ。

文/スポーツブル 編集部

撮影/スタジオアウパ

2020年7月22日。

TOKYO2020大会のソフトボール開幕戦、その日38歳の誕生日を迎えた日本の、いや世界のエースがマウンドに立っている。 BEIJING2008大会で悲願の金メダルを獲得してから12年。

神様から、もう一度ソフトボールの魅力を、世界に表現することを託された舞台で、上野由岐子は誰よりも躍動する。 決して気負うことなく、この瞬間のために積み重ねてきた彼女の時間を、ありのままに届けてくれるだろう。

TOKYO2020決勝戦のあと、もう一度話を聞きにいこう。今度はどんな上野由岐子に会えるのか、今から楽しみです。

取材・文 / DJケチャップ