文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦昨年は2年生主体のチームでベスト4に進出石川県代表の県立津幡は3年連続のウインターカップ。昨年大会では初戦で安城学園を破ると、聖カタリナ学園、高知中央を撃破してベスト4進出。ここで岐阜女子に敗れたものの、大躍進…

文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

昨年は2年生主体のチームでベスト4に進出

石川県代表の県立津幡は3年連続のウインターカップ。昨年大会では初戦で安城学園を破ると、聖カタリナ学園、高知中央を撃破してベスト4進出。ここで岐阜女子に敗れたものの、大躍進を果たした。

そのチームは2年生中心で、スタメンのうち3人が今年の3年生。インターハイ出場を逃す悔しさも味わったが、その経験はチームをさらに強くした。チームが掲げる目標は、昨年のベスト4を上回ること。つまりはファイナル進出だ。

今日の初戦は山口県の慶進と対戦。第1クォーターを8点、第2クォーターを7点に抑えるディフェンスが機能して前半を35-15と差を付け、後半もリードを守って危なげない勝利を収めた。それでも一戦必勝のトーナメント。東山耕平コーチは、「昨年は2年生主体の勢いのあるチーム。今年はその選手たちが3年生になって、コミュニケーションなどが良くなり安定しています。でも、やっぱり初戦の入りは大事。勝てて良かったです」と安堵した。

大倉颯太を擁する北陸学院の躍進が刺激に

コートサイドでは東海大から特別指定で千葉ジェッツに加わり、先週末にBリーグデビューを果たしたばかりの大倉颯太の姿もあった。母校の北陸学院の応援に駆け付けたが、「去年も強かったので、今年も期待しています」と同じ石川県の県立津幡の戦いぶりにも注目していた。

2年前まで大倉がプレーしていた北陸学院は、地元の有望な選手を集めたチームで全国に乗り込み、結果を出していた。東山耕平コーチは「今の3年生が大倉くんの代のチームに刺激を受けた部分はすごく大きくて、石川県の選手たちで全国で、という気持ちが強い」と明かす。

公立校だけに選手集めには限界があり、特に高さの面での不利は否めない。ただ、その不利を埋めるプレッシャーディフェンスと、そこからのトランジションをきっちりと準備してきた。

キャプテンの小山里華は「私たちはディフェンスのチームなので、まずはそこを徹底して自分たちのペースに持って行きたい。昨年にこの大会を経験できたことも、インターハイ出場を逃した悔しさもチームの成長に繋がったと思います」語る。

今日、この会場に足を踏み入れた時、小山は「ここに帰って来た」と気持ちが奮えたそうだ。昨年の『津幡旋風』を再現し、その上まで行けるのか。試合はやってみなければ分からないが、それでも県立津幡は自分たちのバスケットに自信を持って、このチャレンジに取り組む。