米CBSスポーツ(電子版)では「ア・リーグ サイ・ヤング賞パワーランキング」と題した特集を掲載。現時点で候補に相応しい10投手を選び、年間最高のパフォーマンスを見せた投手に与えられる栄誉ある賞の行方を予想している。■14年サイ・ヤング賞右腕…

米CBSスポーツ(電子版)では「ア・リーグ サイ・ヤング賞パワーランキング」と題した特集を掲載。現時点で候補に相応しい10投手を選び、年間最高のパフォーマンスを見せた投手に与えられる栄誉ある賞の行方を予想している。

■14年サイ・ヤング賞右腕クルーバーの再受賞が濃厚も…

 今シーズンも残り20試合余りとなったメジャーリーグ。ペナントレース争いはもちろん、プレーオフ進出を巡るワイルドカード争いが激化している。チーム同士の戦いも気になるところだが、個人成績の行方も見過ごすことはできない。そこで米CBSスポーツ(電子版)では「ア・リーグ サイ・ヤング賞パワーランキング」と題した特集を掲載。現時点で候補に相応しい10投手を選び、年間最高のパフォーマンスを見せた投手に与えられる栄誉ある賞の行方を予想している。

 サイ・ヤング賞の特徴は、MVPとは違い、チームの成績がほとんど加味されない点だろう。BBWAA(全米野球記者協会)による投票はレギュラーシーズン最終日をもって締め切られるため、ポストシーズンでのパフォーマンスは関係ない。それぞれの投手が、レギュラーシーズンにどんな活躍を見せたか。評価の対象は、その一点に絞られる。記事では「現在の成績を抽出し、近年の投票傾向を加味して」10人をランク付け。この中には、最近地元ニューヨークでも評価がうなぎ上りのヤンキース田中将大もランクインしている。

 堂々の1位に輝いているのは、インディアンス右腕コーリー・クルーバーだ。6日(日本時間7日)アストロズ戦では、7回4失点で9敗目を喫したが、それでも今季の成績は15勝9敗、防御率3.16。勝利への貢献度を示す指標WARは、ア・リーグ投手陣では最高の5.9を記録。勝利数、防御率、奪三振数、WHIP(9回あたりの安打数+四球数)、被打率など、主要な項目でリーグ10位以内の成績を収めている。記事では、2014年にサイ・ヤング賞に輝いた右腕が再受賞する可能性が高いと見ているようだ。

■田中は6位にランクイン、後半戦に見せている安定したパフォーマンスが高評価

 2位にランクインしたのは、クリス・セール(ホワイトソックス)。15勝7敗、防御率3.07はクルーバーとほぼ同格。加えて、今季はリーグ最多の5試合で完投している点が評価されている。3位には、現在ハーラートップの19勝(3敗)を誇るリック・ポーセロ(レッドソックス)、4位には近年の不調から見事復活し、14勝7敗、209奪三振をマークするジャスティン・バーランダー(タイガース)、5位には、14勝5敗、防御率3.25でレンジャーズ先発ローテを牽引する左腕コール・ハメルズが入っている。

 そして、ハメルズに続く6位に登場するのが、これまで12勝4敗、防御率3.11、リーグ6位のWAR4.7という活躍を見せる田中将大だ。記事では「ヤンキースのチーム状況もあり、見過ごされがちだが」としながら、田中の“静かな”活躍ぶりに注目。特に、後半戦は「10試合に先発し、防御率2.89、無四球の登板も多く、奪三振数が与四球数を48も上回っている」としている。そして、何よりも今季は怪我なく、開幕から先発ローテを一度も外すことなく稼働していることを指摘。「ヤンキースにとって一番心強いこと? 田中が初めて30試合以上で先発することが当確になったこと。頼もしい」と太鼓判を押している。

 田中に続くのは、7位ホセ・キンタナ(ホワイトソックス)、8位ザック・ブリトン(オリオールズ)、9位アーロン・サンチェス(ブルージェイズ)、10位ダニー・ダフィ(ロイヤルズ)という蒼々たるメンバーだ。先発ローテ通りならば、田中はあと3、4試合に先発する見込み。残り試合のパフォーマンス次第では、大本命とされるクルーバーを逆転する可能性も残されている。ペナントレースとともに、個人賞レースの行方にも注目していきたい。