大学選手権連覇に向けて大きな一歩だ。令和元年度、暮れの秩父宮を飾る初戦の相手は、関西Aリーグ3位の関西学大。前後半を通じてディフェンスの圧力に苦戦を強いられるも、1トライ差の接戦をモノにし、見事に3年連続の年越しを決めた。◆12・21 全…

 大学選手権連覇に向けて大きな一歩だ。令和元年度、暮れの秩父宮を飾る初戦の相手は、関西Aリーグ3位の関西学大。前後半を通じてディフェンスの圧力に苦戦を強いられるも、1トライ差の接戦をモノにし、見事に3年連続の年越しを決めた。

◆12・21 全国大学選手権(秩父宮ラグビー場)

▼準々決勝 対関西学大戦

 ○明大22{12―7、10―7}14関西学大

 後半35分、相手の反則からPG(ペナルティーゴール)を沈めると、ようやく安堵の瞬間が訪れる。「激しいコンタクトで受ける場面が多かった」(右ロック箸本龍雅・商3=東福岡)。終始、関西学大の圧力を前に苦しんだ。前半6分に右ウイング矢野湧大(文4=大分舞鶴)のトライで幸先よく先制するも、同9分には自陣5メートル付近で反則を取られ、ゴールラインを割られる。スクラムでも2度ペナルティーを取られるなど、精彩を欠くプレーが目立った前半は、12―7で折り返す。王者のプライドを懸け、巻き返しを図りたい後半だったが「チームで一つの方向を向いてプレーできなかった」(フッカー武井日向主将・商4=国学院栃木)。奪った得点は、同26分の1トライ、及び同35分のPGのみ。圧勝劇を飾るはずだった初戦も1トライ差の22―14で幕を閉じた。

 鮮烈な選手権デビューを果たした。明大不動の司令塔・山沢京平(政経3=深谷)の欠場により、今回スタンドオフに抜擢された齊藤誉哉(文1=桐生一)。対抗戦・青学大戦以来の〝10〟番に「緊張や不安があった」。しかし言葉とは裏腹、ルーキーを匂わせない戦術眼優れるプレーが光る。前半6分、先制トライの場面では、自らディフェンスのギャップを仕掛け、フィニッシュの立役者に。また後半26分の大外コンバージョンを沈めるなど、キックでも躍動。「大きなプレッシャーの中、そつなくこなしてくれた」(田中澄憲監督)。次世代の大器が大舞台で才能の片りんを見せつけた。

 次戦に控えるは本日、同会場で対抗戦4位の筑波大を24―3で下した、関東リーグ戦1位の東海大。「大きなゴールではなく、小さいゴール」(箸本)。一人一人の成長がチームの成長につながる。今日チーム内で出た「メリハリ」(箸本)の部分を修正し、年越しの準決勝で、さらに一皮むけたチームに期待したい。

大阪・花園ラグビー場では、対抗戦2位の早大が関東リーグ戦3位の日大を57―14、関西Aリーグ1位の天理大が関東リーグ戦2位の流経大を58―28で下し、それぞれ準決勝に駒を進めた。

[高智琉大朗]

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