全米オープンテニスで9月7日、フアン・マルティン・デル=ポトロは第3シードのスタン・ワウリンカに敗れ、今季のグランドスラム挑戦を終えた。この試合の最終セット、ワウリンカに2-5とリードされて迎えた最後のゲーム前に、会場からはデル=ポトロへの…
全米オープンテニスで9月7日、フアン・マルティン・デル=ポトロは第3シードのスタン・ワウリンカに敗れ、今季のグランドスラム挑戦を終えた。
この試合の最終セット、ワウリンカに2-5とリードされて迎えた最後のゲーム前に、会場からはデル=ポトロへの大声援が贈られた。一瞬にしてテニスコートがサッカーグラウンドに替わってしまったかのような、アルゼンチンサポーターたちの熱狂的な応援。敗色濃厚になっても自分を後押ししてくれるファンの声に、デル=ポトロは熱くこみ上げるものを抑えきれず、試合中に目頭を押さえていた。
2009年に全米オープンを制し、『テニス界に新たな怪物登場!』と騒がれたデル=ポトロ。ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダルの次はデル=ポトロの時代がくると期待されたが、その後は度重なるケガによりキャリアの絶頂期を復帰と休養の繰り返しに費やした。
一時は引退も覚悟したデル=ポトロだが、2016年2月に3度目の手首の手術からカムバック。今季はウィンブルドンで3回戦進出、リオデジャネイロ五輪では銀メダル獲得と復活を印象づけてきた。
いまやアルゼンチンの英雄となったデル=ポトロだが、それは単に強さからくるものだけではない。選手としての最も輝かしい瞬間から一転、奈落へ突き落とされながら這い上がってきた姿に多くのファンが共感を覚えている。
デル=ポトロの涙にテニスファンからも、「デルポトロ泣いてる。感動」「デルポトロの涙にもらい泣きした」「デルポトロのファンが熱い!素晴らしい!」「デルポトロが歓声に泣いてる……嬉しいんだ……」「すげえな、デルポトロへの声援。じーんと来る」「うれしいやろなぁ。ここまでくるのは長かったし、戻ってこれるとは思わなかっただろうし 」「テニスとは思えないすごい歓声。。デルポトロ泣かないで。わたしまで泣けてきちゃう。。」など感動の声が多く寄せられていた。
2010年には自己最高位となる4位を記録した世界ランキング。だが、現在は長期休養の影響で142位まで落ちていた。全米オープンでベスト8入りしたことにより、大会終了後のトップ100復帰は確実。今大会は主催者推薦での出場だったが、来季は自力で本戦ストレートインを果たすだろう。
フアン・マルティン・デル=ポトロ(左)とスタン・ワウリンカ(2016年9月7日)(c) Getty Images
スタン・ワウリンカが全米オープン4強入り(2016年9月7日)(c) Getty Images