腕時計愛好家でもあるラファエル・ナダル(スペイン)は、世界で最も高価な時計の1つを誇らしげに手首につけて試合に臨んでいる。目を引くだけでなく、ナダルにとって腕時計は、ここ10年の幸運のお守りで…

腕時計愛好家でもあるラファエル・ナダル(スペイン)は、世界で最も高価な時計の1つを誇らしげに手首につけて試合に臨んでいる。目を引くだけでなく、ナダルにとって腕時計は、ここ10年の幸運のお守りでもあるのだ。ウェブメディアEssentially Sportsが紹介している。

ナダルには、テニスへの集中を助けるお決まりの行動や特徴的な癖がたくさんある。スポーツドリンクと水のボトルをいつも同じように、ベンチの傍に対角線上に並べて置くというのもその一つ。そして右手首に腕時計をするのも、ナダルならではの特徴だ。

ナダルは2010年から高級時計メーカーであるRichard Milleのブランドアンバサダーを務めており、それ以来、試合中も同メーカーの腕時計を身に着けている。同社はスポーツによる負担に耐えることのできる非常に高水準の時計を製造しているのだ。おかげで、ナダルがサーブを打つ前に汗をぬぐうたびに、世界中のファンが彼の手首を飾る高級腕時計を見ることになる。

ナダルは、2008年に初めて同社創業者のRichard Mille氏に会ったが、試合中に腕時計を着けるということに難色を示していた。乗り気でないナダルをMille氏は根気強く説得。2010年にブランドアンバサダーとしての契約にこぎつけて以降、ナダルとの提携のもと、多様な限定モデルの時計を生み出してきた。最新のRM27-03トゥールビヨンには、マナコルの“雄牛”であるナダルを表現するスペイン的な色が使用されている。

ナダルはMille氏について「本当に前向きな人で、ただ自分の成功を味わうのではなく、時計業界を前進させたいと願っている。だから僕は、彼の目指すものに敬意を抱いている。僕もテニスにおいていつだってもっと向上しようとしているし、そのために努力をしているよ」と語っている。

Forbes誌によると、ナダルが2019年の「全米オープン」で披露したRM27-03の値段は72万5,000ドル(約7,946万円)。この新しい時計は、ヒゲゼンマイが入っている小さな入れ物がムーブメントの中に配置されているため、ナダルがボールを打つ時にもバネの働きによって動く隙間が保たれ、試合中のスイングにも耐えられる設計となっている。

この高価な時計が、ナダルの2019年を幸運のお守りとして支えていたのかもしれない。

※為替レートは2019年12月19日現在

(テニスデイリー編集部)

※写真は時計ブランドRichard Milleイベントでのナダル

(Photo by Julien M. Hekimian/Getty Images for Richard Mille)