東大和のスケートリンクを舞台に繰り広げられた今大会。学生たちの大きな声援が会場に響き渡っていた。4級では安藤美裕(教4=東京・早実)、3級では東真子(法3=埼玉・早大本庄)、土屋凜菜(国教1=東京・頌栄女学院)、谷川栞理(人3=岡山一宮)…

 東大和のスケートリンクを舞台に繰り広げられた今大会。学生たちの大きな声援が会場に響き渡っていた。4級では安藤美裕(教4=東京・早実)、3級では東真子(法3=埼玉・早大本庄)、土屋凜菜(国教1=東京・頌栄女学院)、谷川栞理(人3=岡山一宮)が登場し、土屋は見事優勝を果たした。


演技後笑顔の谷川

 まずは、10月の東日本学生選手権で団体優勝を遂げた3級女子の選手たちが登場。谷川が先陣を切って登場し、『9to5 the musical one of the boys』を演じた。留学をしていたという今季は練習環境が十分でない時期もあったと語るが、「今はもう留学前と同じぐらいの感じでできています」と明るく笑った。この日は、級内で屈指の難度であるダブルフリップを着氷するなど高い実力を見せた。しかし谷川は、演技全体を「きょうの演技は今まで練習してきたものが出せなくて、特にスピンに関して悔しい」と振り返る。レイバックスピンは美しく決めたが、悔しさの残る部分もあった。しかし、落ち着いた表情で今後を語る姿はさらなる伸びを期待させる。次戦は全日本学生選手権だ。昨年度6位に入ったこの大舞台で、どんな滑りを披露してくれるだろうか。


スピードに乗って演技した東

続く第2グループでは東が演技。悲願の東インカレ出場も達成するなど、勢いがうかがえる今季だ。今大会でも、以前から目標としていた3級カテゴリーへの出場となった。『Jumpin’Jack』の楽しげな雰囲気を、豊かな表情で表現。連続ジャンプを含む、全てのジャンプを着氷した。スパイラルは、スピードを保ったまま脚を後ろにあげたポジションで決めた。今大会まで力を入れてきたというスピンは、「東インカレのときよりもスピンの難度自体も上げている」という攻めの構成だった。点数につながらない部分もあったが、フライングシットスピンや足換えを入れたコンビネーションスピンに堂々と挑んだ。「技術面、また笑顔とか表現面、2点揃った演技をしたいと思います」と前向きに語る様子に、今後への期待が高まる。


美しいポジションで滑る土屋

早大勢で3番目に登場したのは期待のルーキー、土屋だ。個人でも優勝を飾った東インカレからプログラム難度を上げ、今大会はダブルジャンプ2つの構成で挑んだ。『ドン・キホーテ』の華やかな曲調の中で、ダブルサルコーを軽やかに決めた。もう1つのダブルトーループは着氷が乱れるも、「またインカレに向けてもっと頑張らなきゃいけないなと思いました」と意欲的に振り返る。深いスケーティングでリンクを広々と使って演技し、最後は上体をしなやかに使ったスピンで観客を魅了。37.40点でまたも優勝した。谷川と共にインカレに出場する土屋は、「毎日努力をして自分が少しでも納得でき、かつきょうやったプログラムより上に行けるようなプログラムをできたら」と意気込む。初舞台に向け、さらに洗練された演技を目指していく。

(記事 犬飼朋花、写真 岡すなを)


大歓声に包まれた安藤の演技

 大きな声援の中、4級に出場した安藤は『メリーポピンズ』を披露。「靴の調整が間に合えばよかったのですが」変えたばかりの靴の調整が間に合わず、演技にも響いてしまった。「本当に本調子ではなかったので、当たって砕けろという勢いでした」と語るように、練習から不調だったジャンプは転倒が目立った。しかし、前大会で点数をとってもらえなかったスピンでは「きちんとやろうと細かいところまでやっていた」と語るように前大会での失敗を思わせないような安定感をみせた。「悔いがないよう滑られるように調整していきたいなと思います」。4年生、残す舞台も少なくなり、長いスケート人生の中でその思いは強い。「最後自分が楽しかったと言えるように目標を持って頑張りたいです」。万全の状態で試合を迎え、笑顔で終われるように期待したい。

 シーズンも終盤、ひとつひとつの試合がとても重要なものとなる。次の試合ではそれぞれ成長した姿に目が離せない。

(記事 岡すなを、写真 犬飼朋花)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽3級女子


土屋凜菜 1位 37.40点


谷川栞理 10位 30.19点


東真子 18位 24.15点


▽4級女子


安藤美裕主将 10位 30.24点


コメント

土屋凜菜(国教1=東京・頌栄女学院)

――演技を振り返っていかがですか

ずっと練習していたダブルサルコーを跳べたのは良かったのですが、ダブルトーループがやはりはまらなくて失敗してしまったので、それはまたインカレに向けてもっと頑張らなきゃいけないなと思いました。

――優勝された東インカレはどんな大会でしたか

東インカレはダブル(ジャンプ)は入れず、アクセル(1回転半)2本しかありませんでした。あとはシングル(ジャンプ)でしたが、ずっと練習してきたことが結構できた試合だったかなと振り返って思います。

――そこから意識して練習して来たことは

東インカレからプログラム構成を変えて、ダブル(ジャンプ)を2つ入れたのですが、そうするとスタミナなども切れやすくて。それを頑張っていたのですが、きょうもトーループで失敗してしまったので、もっと頑張りたいです。

――インカレに向けての意気込みは

自分のできることをあと3週間頑張って、毎日努力をして自分が少しでも納得でき、かつきょうやったプログラムより上に行けるようなプログラムをできたら、満足という感じです。

東真子(法3=埼玉・早大本庄)

――3級での演技どうでしたか

特別よかったわけではないですが、東インカレの方がよかったです。今日は結構大変なことになってしまったので難しいなと感じました。

――東日本学生選手権はどうでしたか

スピンが3つあるのですが、3つ初めて入ったので嬉しかったです。いつも、1個は爆発するので。今日は2個大変なことになりましたけど。級が上がってよりのびのび滑られるようになったと感じるので、楽しく滑れてなによりかなと思います。

――大きな声援の中での演技はどう感じますか

いつも一緒に練習している子たちがいつもの私を見ていて、今日はこういうところができたね、できなかったねと言ってくれるのを含め、
結構演技中もみんなの声が聞こえるので、転けた時もみんなの「がんば」がよく聞こえたし、そういうのは嬉しいなと思います。

――今大会に向けてどのようなことを取り組みましたか

スピンで、東インカレのときよりもスピンの難度自体も上げているので、フライングシットスピンは1回も公式戦できちんと取ってもらえていなくて、今回もとってもらえなかったので、そこは練習してきたけれど、残念だったところです。足を変えるコンビネーションスピンも入れてみて、結果的にはノーバリーだったのですが、本番で足を変えて締めるところまでできたのは自分の中ではよかったかなと思います。

――今後の目標はなんですか

今プログラムにアクセルを2本入れていて、まだ3年生の間はこのプログラムを続行して滑るつもりでいるので、技術面、また笑顔とか表現面、2点揃った演技をしたいと思います。

谷川栞理(人3=岡山一宮)

――演技を振り返っていかがですが

きょうの演技は今まで練習してきたものが出せなくて、特にスピンに関して悔しいです。

――具体的にどういった部分でしょうか

回転不足が改善されるように、そのために練習してきました。ですが、本番では時間の関係もあって最後のスピンで焦ってしまって。おそらくノーカウントだと思うので、そこの部分が悔しいです。

――ダブルフリップを着氷されました。ジャンプの面ではいかがですか

ジャンプも本番で入るように調整してきたのですが、最初のジャンプから両足をついてしまったのと、最後のジャンプでパンクしてしまったので、そこも改善点かなと思います。

――よくできたと思う部分はありますか

2個目のスピンにレイバックスピンが入っているのですが、最初のサイド(ポジション)の形を変えていてなかなかうまく回れていませんでした。ですがなんとか回れて、最後のビールマンまで繋げられたことが良かったです。

――春に留学をされていましたが、その後の調整はどうでしょうか

留学中に思ったほど練習ができなくて、十分な練習環境ではなかったので帰ってきてからアクセルから跳べなくなって。東インカレまでに猛練習したのでそこに間に合って、今はもう留学前と同じぐらいの感じでできています。

――2位に入られた東インカレはどんな試合でしたか

東インカレ自体はそんなにいい演技ができたというわけではなくて、全部のジャンプをなんとか降りられたという感じでした。最後のスピンのレベルも下がってしまって、でもそういうところを改善してきょうの試合では少しスピードを出してPCS(演技構成点)を上げるということを意識して練習してきました。

――インカレへの意気込みをお願いいたします

きょうはいい演技ができなかったので、インカレではスピンを予定通りのレベル3でちゃんと取ってもらえるように。ジャンプも特にフリップとルッツ、アクセルで点数を引かれないようにしていきたいと思います。

安藤美裕(教4=東京・早実 )

――今日の演技を振り返ってどうですか

すごいボロボロだったのですが、東インカレがずれ込んで、靴がずっとゆるかったので変えるタイミングがなくなってしまって、このあいだ変えたばかりで、なかなか新しくしようと思っても帳尻が合わせられなくなってしまいました。そこの歪みがここに響いてしまったかなという感じです。本当に本調子ではなかったので、当たって砕けろという勢いでした。

――スピン、ジャンプなど細かいところも教えていただけますか

スピンは前回東インカレの時に点数をとってもらえなかったので、きちんとやろうと細かいところまでやっていたのですが、ジャンプに関しては靴の調子が合わなかったので、アクセルは5分間練習の時にも無理かなと友達にも言っていて、綺麗にダメだったのですが、ダブルサルコーだけは飛んでおこうと思って。ダブルトーループも昨日の練習でも調子が悪かったので、できたらいいなという感じでした。

――今回に向けて何を取り組んできましたか

できればここで靴の調整が間に合えばよかったのですが、なかなかうまくいかなくて。アクセルのやり方が変わってしまったので、それを直すのに時間がかかっています。

――次に向けての目標を教えてください

そうですね、次は最後になると思うので、スケートも長くやっていて、いざ試合に出ないとなると悔いがないよう滑られるように調整していきたいなと思います。早慶戦のエキシビションにもでるので、最後自分が楽しかったと言えるように目標を持って頑張りたいです。