株式会社criacaoの提供で、特別記事をお送り致します。

「強いチーム」をつくり上げるためには、何が必要なのか―。関学スポーツでは、サッカー部主将の竹本将太(経4)と、2015年度サッカー部男子主将で、現役時代に4冠を果たした井筒陸也さん(16年社卒・現株式会社Criacao)の特別対談を3日間にわたってお伝えします。第1回は理想の「強いチーム」です。

―ご自身が考える強いチームとは。

竹本 初めは、4年生全員がリーダーシップを持って活動していこう、一人一人の力でチームをより良くしていこうとスタートした。けど、今思えば、もっと小さなリーダーシップを集積していくだけで良かったかなと思う。何か少しだけ働きかけた小さな力がチームに波及していく。ちょっとランメニューで4年生が一歩前にいるとか、4年生なのにこの人よくマーカー片付けているなとか。その小さな積み重ねが後々大きくなる。それで強いチームをつくれたらいい。

井筒 今いろいろな部と関わらせてもらっているけど、多くの部活が毎年同じタイミングで同じ課題に悩んでいる。まずはやってみて、新たな気付きを得ていくべきだと思う。一番いけないのは、立ち止まっていること。片方の道に行って違うと分かれば、選択肢は減るから前に進める。それをしている部が、今はあまりないんだよね。

竹本 確かに毎年同じ課題にぶつかっている。ミーティングをもっと活発化させたいとか、もっと役職に熱量を注げるようにとか言うんだけど、毎回1つの現象に対して何かを始めようとするから、それに対する解決にしかならない。パスの精度の練習を一生していても、結局点は入らないみたいな感覚。

井筒 例えばマネジャーの人が水を汲んでくれて、「水をありがとう」みたいな話はノーサンキュー。俺はピッチで100%やればいいし、マネジャーは水を汲むところで100%やればいい。スポーツは、出ている選手が一番おいしい思いをする素晴らしい場所で、陰で仕事をしている人たちはピッチの選手を支えているという構図になりがち。けど、俺はそれがすごく嫌。俺は当時から水汲むの最高じゃんって思っていた。ピッチに立つことにこだわりもないし、優劣も感じなかった。そういう雰囲気があるチームは理想ではない。誰かのためにやっている人は誰一人いなくて、自分の仕事に誇りを持っているから、それに100%注ぐ。それでみんなが同じ方向を向いているのが一番素敵。

竹本 すごくわかります。やっている仕事に差をつけてはいけない。謙遜するあまり、「いつもありがとうございますという気持ちを忘れないように」とかも逆に失礼。
それに加えて大切なのは、そのマネジャー、応援している人自身が、やっていることに誇りを持てているのか。よく強いチームのつくり方の本がたくさんある。けど、それはいい人材が集まっている前提なんですよ。企業なら、人事が組織の目的観に合った人材を引き入れると言っている。だが、部活はそもそも人事がないし、サッカーだけやりに来ている奴らが応援にどう誇りを持つとか選べるわけではない。そこで内発的に動機づけができないのが課題。そこに対する打ち手が正直あまりない。

井筒 例えば山登りに例えたら、頂上の景色がとても重要。最近俺が編み出した現地集合理論というのがあるんだけど(笑い)。「普通の部活」は、ふもとで全員集合して、みんなで地図を見ながら登っていく。足取り重い奴がいたら、リーダーが後ろを振り返って声を掛けながらみんなで登る。「いい部活」は、現地集合。何時何分に頂上集合な、と言ってそれぞれが必要な荷物とかを確認して登ってみんなが頂上にそろっている状態。何が言いたいかというと、リーダーが頂上の景色が最高ですと言ってみんなが登りたいと思うか。さっきの話で言うと、応援と水汲みと選手、役割は違うけど、その先に何があるのかを示せるかどうか。そこが示せれば、自分がどのパートを担当しているかは関係ない。

ーその②に続くー

◆井筒陸也(いづつ・りくや)1994年2月10日、大阪府生まれ。和歌山県・初芝橋本高出身。2012年に関西学院大学社会学部に入学。4年時は主将を務め、2度の日本一を含む史上初の4冠を果たした。卒業後はJ2徳島ヴォルティスで3年間プレー。2019年より株式会社Criacaoに務め、Criacao Shinjuku(関東サッカーリーグ1部)で現役を続けている。

◆竹本将太(たけもと・しょうた)1998年2月8日、神奈川県生まれ。神奈川県・横浜市立東高出身。今年度主将を務める。卒業後はスペイン2部リーグへの挑戦を公言している。経済学部4年。186㌢、80キロ。