感情を表に出して試合に臨む選手が多いドラゴンズの中で、唯一クールな男がいる。彼がいなければ第4節のカープ戦での3連勝はなかったのではないかと思う。その男こそが岡久将吾(プレイヤーネーム:デジうち)だ。

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 初戦を堂上選手の4打点の活躍で私が勝利した次の試合。岡久(デジうち)選手が内野ゴロの間に先制点を挙げた直後の4回表に招いた2死3塁の同点のピンチで彼のひらめきが冴えた。 

 この場面でカープの倉前(カイ)選手は代打で磯村選手を起用した。磯村選手は代打で起用された際に打撃能力が上がる特殊能力があり、長打を警戒してもいい場面で岡久(デジうち)選手がとった守備シフトは外野前進だった。 

 彼がシフトを変えた時、手元のノートに目を向けていたので気付いた時にはすでに初球が投じられていた。すぐさまシフトを指摘したが、「いやこのままで」と返ってきた。直後の2球目、アウトローのストレートは低いライナーでセンターへ弾き返された。同点を覚悟した瞬間、前進していた大島選手が前転しながらキャッチする超ファインプレー。普通なら絶対に考えられないシフトがチームをピンチから救ったのだった。 

 そんな大仕事をやってのけた後でも「直感で外野前進のままでいったら捕れました」と飄々と語っていたのがなんとも岡久(デジうち)選手らしい。 

 3試合目の脇(みぞれん)選手は初回にレジェンドOBの黒田選手から奪った2点を守りきった。福田選手が外のスライダーを右中間スタンドに運んだあとに、インコースのナイスピッチのストレートを脇(みぞれん)選手が立て続けに左中間に引っ張って追加点を挙げたのだが、試合前の練習で岡久(デジうち)選手が「インコースの速いの打っときましょう」とインコースの直球を打つ練習を提案していたのが伏線だったのかもしれない。 

 思えば岡久(デジうち)選手のひらめきは先週の段階で発揮されていた。第3節の試合直後のロースターを決める話し合いで、彼から提案されたロースターで臨んだのだが、それが3連勝という最高の結果をもたらした。彼のひらめきには感服するしかない。 

 第4節開始前は最下位に沈んでいたドラゴンズだが、この3連勝で4位に浮上した。CS進出が厳しい状況は依然として続いているが、可能性を残したまま年明けの第5節を迎えられるのは素直に嬉しい。また、ジャイアンツにマジック2が点灯しているもののまだドラゴンズにも優勝の可能性が残されているようだ。 

 そしてシーズン最終戦の相手はその首位ジャイアンツ。決戦の日は来年1月12日。はたして“ひらめきの天才児”岡久将吾は再びドラゴンズを上位へ導いてくれるだろうか。 

 

文・菅原翔太(eBASEBALLプロリーグ2019シーズン中日ドラゴンズ代表選手・キャプテン)