広島の薮田和樹が7日の中日戦で先発し、6回無失点の好投で3勝目を挙げた。マジックが点灯したチームで先発を任され、「何としても自力で減らしたいと思った」という2年目の右腕は、6回まで中日打線に連打を許さず、優勝へのカウントダウンに貢献した。■…

広島の薮田和樹が7日の中日戦で先発し、6回無失点の好投で3勝目を挙げた。マジックが点灯したチームで先発を任され、「何としても自力で減らしたいと思った」という2年目の右腕は、6回まで中日打線に連打を許さず、優勝へのカウントダウンに貢献した。

■緒方監督も修正力評価する2年目右腕

 広島の薮田和樹が7日の中日戦で先発し、6回無失点の好投で3勝目を挙げた。マジックが点灯したチームで先発を任され、「何としても自力で減らしたいと思った」という2年目の右腕は、6回まで中日打線に連打を許さず、優勝へのカウントダウンに貢献した。

「調子は悪くなかったが、内容がよくなかった。変化球でストライクが取れなかった」という薮田は、初回から先頭の大島に二塁打を打たれるなど、苦しい立ち上がりとなった。それでも「會澤さんに引っ張ってもらった」と捕手のリードにも助けられ、2回以降は走者こそ出すものの、中日打線に三塁を踏ませなかった。

 緒方監督も「カーブでストライクが入らず苦しかっただろうけど、カットボールなどが適当に荒れて、相手も打ちにくかったと思う」と修正力を評価した。6回には、最後の打者となった堂上をストレートで空振り三振に打ち取った。「前回の対戦で満塁ホームランを打たれていたので、今日は絶対まっすぐで押さえてやろうと思った」という言葉通りの快投だった。

 優勝ムード一色に染まるスタンドで、「お客さんが持っていた、マジックが書いてあるボードが目に入った」という薮田は、「地元での優勝がかかった中、しっかり投げられてよかった」と安堵した様子で、「いい形で(野村)祐輔さんにつなげたと思う」と、優勝のかかった8日の試合に先発する先輩に期待した。

 今季は2軍暮らしが長かったが、前回のスクランブル先発に続く好投で、チームの窮地を救った薮田。ここにきて「1軍でやらないとプロの選手ではないと思っている」という言葉通りの活躍を見せ始めている。

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo