正月の風物詩、第96回箱根駅伝が1月2、3日に開催される。前評判が高いのは、初優勝の昨年に続いて連覇を狙う東海大。前回5連覇を阻止された青学大や東洋大、駒大など実力校が頂点を狙う。予選会では筑波大が26年ぶりに出場権を獲得し、平成で優勝実…
正月の風物詩、第96回箱根駅伝が1月2、3日に開催される。前評判が高いのは、初優勝の昨年に続いて連覇を狙う東海大。前回5連覇を阻止された青学大や東洋大、駒大など実力校が頂点を狙う。予選会では筑波大が26年ぶりに出場権を獲得し、平成で優勝実績のある山梨学院大、大東大が落選。各校のレベルが向上し、「戦国時代」ともいわれている今大会。10月の出雲、11月の全日本と合わせた「大学3大駅伝」の結果とともに、箱根の見どころをあげていきたい。
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今年は「やっぱり大作戦」、青学大・原監督の各年の作戦名と箱根成績(https://cocokara-next.com/athlete_celeb/hakone-ekiden-tactics-name/)
【本命】東海大
(19年:箱根V、出雲4位、全日本V)
前回大会で悲願の初優勝を遂げたメンバー8人が残り、優勝候補の筆頭。6区2位と好走したVメンバーの中島怜利(4年)と、入学時から「黄金世代」と呼ばれたなかでもエース格だった関颯人(4年)がエントリーメンバーから外れたが、下級生の台頭で戦力は充実。10月出雲駅伝は主力の不調で4位に終わったが、メンバーを入れ替えて臨んだ11月全日本駅伝では16年ぶりの優勝。選手層の厚さは随一で、故障を抱えるメンバーもいるだけに、コンディションの見極めが連覇のカギになりそう。
【2番手】青学大
(19年:箱根2位、出雲5位、全日本2位)
2年連続5区を走った竹石尚人(4年)が左足痛のため、メンバーから外れた。16人のエントリーに入れるか迷っていた原監督に「青学大の16番目の選手は強い。僕を外してください」と直訴した。全日本駅伝では、監督お得意のキャッチフレーズ「私(青学大)失敗しないので大作戦」で臨んだが、最終区で東海大に逆転されて2位。それでも11月に行われた1万メートル記録挑戦競技会では8人が28分台を出し、反撃態勢を整えつつある。今回の箱根テーマに「やっぱり大作戦」を掲げた原監督は、「失敗」を繰り返さず「戦術勝負」で2年ぶりV奪回を狙う。
【上位争い】東洋大
(19年:箱根3位、出雲3位、全日本5位)
「その1秒を削り出せ」をテーマに箱根の往路2連覇中で、10年連続総合3位以内と安定感は抜群。学生NO1ランナーの呼び声高い主将の相沢晃(4年)の起用法がポイントになりそう。19年4区で区間新を出し、7月ユニバーシアード(イタリア)ハーフマラソンで金メダルを獲得。出雲、全日本と連続で区間記録を出すなど好調をキープする絶対的エースに、酒井監督は「(2区で)走ればみながつくでしょう。(不在で)全体を遅らせるのもあり。他大学が嫌な方を考えたい」と含みを持たせた。2年連続1区区間賞の西山和弥(3年)らにも期待。
【上位争い】駒大
(19年:箱根4位、出雲2位、全日本3位)
平成最多6度の優勝を誇る名門は18年シード落ちからはい上がり、前回4位と復活を印象づけた。OBである中村匠吾(27=富士通)が9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)優勝で東京五輪代表選手に内定。いまも駒大を練習拠点にしており、現役部員には大きな刺激となっている。主力も中村大成と中村大聖(いずれも4年)のW中村コンビと、縁のある「中村パワー」にあやかりたいところ。スーパールーキー田沢廉(1年)がエース級の働きを見せており、箱根でも実力を発揮できるようなら12年ぶり優勝の可能性も十分。
【上位争い】国学院大
(19年:箱根7位、出雲V、全日本7位)
「平成最後の山の神」となった浦野雄平(4年)が充実している。5月の関東インカレ2部では5000メートル、10000メートルで日本人トップの力走。土方(ひじかた)英和(4年)も同大会ハーフマラソンで優勝。出雲駅伝ではアンカー土方が駒大を逆転し、有力校を押しのけて初優勝した。Wエースは他校にとっても脅威の存在。前回往路3位のメンバーが全員エントリーされ、往路の優勝候補に挙がる。2人に引っ張られて戦力も底上げされており、台風の目となりそうな予感。
【ダークホース】東京国際大
(19年:箱根15位、出雲-、全日本4位)
10月の予選会トップで、3年連続4度目の本戦出場を決めた。ケニアからの留学生イェゴン・ヴィンセント(1年)が全体の3位、伊藤達彦(4年)が日本勢トップとなる5位に入り、総合成績で2位の神奈川大に3分26秒の差をつける圧勝だった。その勢いで1週間後に行われた全日本駅伝で4位に食い込み、上位陣を慌てさせた。伊藤は7月ユニバーシアードのハーフマラソンで東洋大・相沢、駒大・中村大聖に次ぐ3位。全日本2区で区間賞を獲得した男は「箱根の2区で今度こそライバルに勝って日本人トップをとりたい」と鼻息が荒い。
【シード争い】筑波大
(19年:箱根-、出雲-、全日本-)
1920年、前身の東京師範で第1回王者となったレジェンド校が、予選会6位突破に涙を流した。箱根創設者の金栗四三の母校でもあり、100年目の節目の大会で26年ぶりに箱根路に戻る。国立大唯一の出場で、川瀬宙夢(ひろむ、5年※)はじめ医学部生が2人、理工学部生も2人エントリーする秀才軍団。2011年に「箱根駅伝復活プロジェクト」をスタートさせ、15年にはOBの弘山勉監督(53)を招聘するなど強化策がついに花開いた。弘山監督は妻晴美(旧姓・鈴木)ら複数の女子選手を日本代表に育てた実績を持つ指導者で「予想以上に時間がかかってしまったが、我々は箱根駅伝で戦う義務がある。10位以内を目指しサプライズを起こしたい」とシード獲得を目標に掲げた。
※=箱根駅伝の参加規定は予選会、本戦含めて4回まで。医学を学ぶ川瀬は5年生でも参加資格がある。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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