大坂なおみ(日本/日清食品)の「全豪オープン」優勝や、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)、ココ・ガウフ(アメリカ)といったニュースターの誕生など、多くの話題があった2019年女子テニス。今年も多…

大坂なおみ(日本/日清食品)の「全豪オープン」優勝や、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)、ココ・ガウフ(アメリカ)といったニュースターの誕生など、多くの話題があった2019年女子テニス。

今年も多くの名プレーが生まれたツアーの中で、今回は2月のWTA(女子テニス協会)月間ベストショットに選ばれた、シモナ・ハレプ(ルーマニア)の見事な形勢逆転シーンを振り返って紹介する。

このプレーが生まれたのは2月、「ドバイ・デューティフリー・テニス選手権」初戦の対ユージェニー・ブシャール(カナダ)でのこと。

ハレプはサービスからの三球目攻撃で、相手のバック側へ深いクロスショットを放ち先に攻撃を仕掛ける。しかし、相手ブシャールが何とか返したようにも見えるその球はバックのダウン・ザ・ラインとなり、ハレプはカウンターを食らった格好となった。

持ち前のフットワークでハレプが返した球は相手コート中央付近に返り、ブシャールは前に詰めてくる。相手のアプローチショットを受け、ハレプはやや滞空時間が短めのロブをブシャールの立つ付近に上げた。

しかし、これで相手に決められるかと思った瞬間、少し甘くなった相手のスマッシュをフォアハンドで跳ね返し、相手コートに鋭いクロスショットを突き刺した。見事な形勢逆転に会場の観衆は大歓声をあげ、ハレプは右の拳を高く突き上げた。

世界4位(ランキングは12月9日付け)のハレプは俊敏な動きと鋭いグラウンドストロークで主導権を握り、インテリジェンスな組み立ても光る選手。このポイントも、ハレプらしさが出たプレーだったと言えるだろう。

なおハレプは、大坂と過去5度対戦。ハレプの4勝1敗と勝ち越している。また今シーズンは、芝の聖地「ウィンブルドン」決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を破り、悲願の同大会初優勝を果たした。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ドバイ・デューティフリー・テニス選手権」でのハレプ

(Photo by Francois Nel/Getty Images)