試合後、田中自身は投球内容に納得がいかない様子だったが、地元ニューヨークのファンは降板時にスタンディングオベーションで見送る場面も。その様子を地元紙「ジャーナル・ニュース」電子版が伝えている。■7回途中2失点で12勝目を飾ったエース、チーム…
試合後、田中自身は投球内容に納得がいかない様子だったが、地元ニューヨークのファンは降板時にスタンディングオベーションで見送る場面も。その様子を地元紙「ジャーナル・ニュース」電子版が伝えている。
■7回途中2失点で12勝目を飾ったエース、チームはWC5位でPO進出に望みつなぐ
ヤンキース田中将大投手が5日(日本時間6日)、本拠地でのブルージェイズ戦に登板し、今季12勝目(4敗)を挙げた。3四球を与えるなど制球に苦しんだが、6回1/3を投げて7安打4奪三振3四球2失点(自責2)で白星。2連勝したチームは、ワイルドカード(WC)争いで2位に3.5ゲーム差の5位を守った。試合後、田中自身は投球内容に納得がいかない様子だったが、地元ニューヨークのファンは降板時にスタンディングオベーションで見送る場面も。その様子を地元紙「ジャーナル・ニュース」電子版が伝えている。
今季28試合目の先発だったこの日。田中は初回に先頭からの2連打で、いきなり1点を失った。記事内でもジラルディ監督が「序盤はスライダーがよくなかった。だから予定以上にスプリットに頼らざるを得なかったのだろう」と話しているように、苦しい立ち上がりとなったが、味方打線がすぐ逆転に成功。3回と4回にも追加点を挙げ、マウンド上の田中を援護した。
2回以降、なんとかスコアボードに「0」を並べた田中は、7回先頭カレラに四球を与えた後、1死を奪ったところで降板。この時、地元ファンからスタンディングオベーションが沸き、田中は帽子のつばに手を当てて返礼をした。「決して圧倒的な出来ではなかったし、おそらく本人はいい登板ですらなかったと言うだろう」と記事でも触れているが、それでもチームは5-3で勝利。シーズン途中で若手中心の起用に切り替えたにもかかわらず、ワイルドカード争いの中にとどまっている現状について、ファンは田中のおかげと捉えているようで、それがスタンディングオベーションにもつながっているようだ。
■地元ファンの拍手に「注目されるのはいい仕事をしている証拠」
この現象について、田中自身は前向きに捉えているようだ。記事によれば、田中は通訳を介して「プロの野球選手として、注目されるのはいい仕事をしている証拠だから、いいことだと思う。(移籍後)1年目は“日本から来たこいつは誰だ?”とか“どんな投手なんだ?”という好奇心や興味が多かったと思う。でも、投手として、いいピッチングをしたいし、すれば注目を浴びる。そういう意味での注目は浴びたい」と話したという。
今季28試合目を投げ終え、12勝4敗。1年目に記録したメジャー自己最多13勝に、あと1勝と迫った。防御率3.11はメジャー3年目で自己ベスト。すでに投球回数は179回1/3に達しており、今季は先発投手が目標とする200イニングも達成できそうだ。勝ち星、防御率、WHIP(9回あたりの安打と四球の合計数)、勝率は、いずれもリーグ十指に入る。記事で指摘する通り「密かにア・リーグ先発投手の中では屈指の好シーズンを送っている」と言っても過言ではなさそうだ。
「今年の自分の投球について、そこまで満足しているわけではないが、今年は1年目より自分をよりコントロールできていると思う。そういう意味では、1年目より満足しているのかもしれない」と話したという田中。ヤンキースが大逆転プレーオフ進出を実現するには、安定感を増したエースの働きがカギになりそうだ。