電気自動車のフォーミュラカー選手権「フォーミュラE」が次シーズンの2020-21年シーズンから世界選手権として開催されることが決まった。管轄する国際自動車連盟(FIA)の最高決議機関、世界モータースポーツ評議会の投票で承認されたもので、こ…

 電気自動車のフォーミュラカー選手権「フォーミュラE」が次シーズンの2020-21年シーズンから世界選手権として開催されることが決まった。管轄する国際自動車連盟(FIA)の最高決議機関、世界モータースポーツ評議会の投票で承認されたもので、この決議はモータースポーツの歴史にとっても大胆かつ画期的なものだ。

 

参入2シーズン目の日産自動車。セバスチャン・ブエミがドライブ(日産自動車提供)

 

フォーミュラEがF1と並び立つ存在に

 

 FIAの世界選手権は現時点で4シリーズ。F1と仏ルマン24時間レースを中心とする耐久シリーズの「世界耐久選手権」(WEC)、ラリーの最高峰シリーズの「世界ラリー選手権」(WRC)、ダートコースと舗装路を使って開催される「世界ラリークロス選手権」だ。

 かつては世界ツーリングカー選手権、世界スポーツカー選手権なども存在したが、1人乗りのフォーミュラカーシリーズはF1のみが世界選手権として位置付けられる。FIAが管轄するF2、F3は「FIA選手権」という格式で、世界選手権に準じる扱い。フォーミュラEも正式は「FIA フォーミュラE選手権」が正式名称だ。

 自動車のシリーズはピラミッドの図式で表されることが多い。F1が頂点とされる。底辺がゴーカートで、そこから「F4-F3-F2-F1」と続く構図で、日本のスーパーフォーミュラはF2とほぼ同じ格式。フォーミュラEが世界選手権に昇格するということは、F1と並び立つ存在になるといえるのだ。FIAのジャン・トッド会長も「フォーミュラEに世界選手権のステータスを与えられたことを誇りに思う」とコメントした。

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「F1対フォーミュラE」の覇権争い

 

新たにフォーミュラEに参戦したメルセデス。2台が並走中(ダイムラー提供)

 

 初開催は2014年。年をまたいだシリーズで2014-15年シーズン(シーズン1)と表現される。近年の大きな特長は世界中の自動車メーカーがワークスチームを結成して参戦している点だ。11月に開催された新シーズンの2019-20年シーズン(シーズン6)には日産、アウディ、ジャガー、BMW、マヒンドラなどのほか新たにメルセデス、ポルシェが参入した。

 一方のF1もガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムが義務付けられているが、設計が複雑で多額の開発必要のため新規参入するメーカーが出てこないのが実情。製造者部門で6連覇を果たしたメルセデスも米国の名門チーム、ペンスキーにチームを身売りするうわさまで上がった。

 F1ジャーナリストのルイス・バスコンセロス氏は「F1のステータスが揺るぐことはない」と豪語するが、「F1対フォーミュラE」の覇権争いは激化の一途をたどりそうだ。

[文・写真/東京中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)

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