ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ(HC)が9月5日、都内で会見。笑顔を交えながら抱負を語った。「多くの外国人が日本に来る時は何かの犠牲を払いますが、私は違います。以前もプレーしていましたから、楽しみにしていました」 現…

 ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ(HC)が9月5日、都内で会見。笑顔を交えながら抱負を語った。

「多くの外国人が日本に来る時は何かの犠牲を払いますが、私は違います。以前もプレーしていましたから、楽しみにしていました」

 現役時代は当時の規定によりニュージーランド代表、日本代表と2つのナショナルチームでキャップ(国際間の真剣勝負への出場数)を獲得したジョセフHCは、今年8月までニュージーランドのハイランダーズを指揮。国際リーグのスーパーラグビーでは昨年の優勝チームに輝いた。

「日本を離れてからも、ラグビーが人生の大部分を占めていました。プロコーチとして12、13年のキャリアがあります。ここで培ったものを、日本で活かしたい」

 日本代表は昨秋のワールドカップで歴史的な3勝を挙げ、国内での競技人気を一時的に過熱させた。2019年のワールドカップ日本大会を見据え、スーパーラグビーにも日本のサンウルブズが初参戦。ジョセフHCいわく「新しい景色が広がる段階に来ている」。もっとも日本協会とサンウルブズとの連関性強化などについては、選手サイドも問題視。人望の厚さに定評のある新たなボスには、諸事の軌道修正も期待される。

 ハイランダーズのチーム強化に貢献したトニー・ブラウン アシスタントコーチも今度のジャパンへ入閣するなか、ジェイミーHCはこう抱負を口にした。

「2~3週間かけて日本のコーチやプレーヤーを訪ねて、会って話したい。もっと理解を深めたい。トップチームとやるには経験も必要。だからこそサンウルブズのスーパーラグビー参戦が必要で、そのなかでトップレベルでの試合経験をどれだけ多くの日本人に積ませるかが肝になります。(戦術的には)いかに相手と自分たちとの違いをあぶり出して付け込んでいくか。強みを発揮する機会をどう作り出すか。幸い、私のかたわらには、優秀なアタッキングコーチ、トニー・ブラウンがいます」

 新指揮官の任期は2019年12月31日まで。日本代表は9月中旬に45人程度の新スコッドを発表し、10月にミニキャンプをおこなう予定だ。11月5日には東京・秩父宮ラグビー場で、ワールドカップイングランド大会4強のアルゼンチン代表とテストマッチ(キャップ対象試合)がある。

 ジョセフHCは9月に来日したばかりとあって、具体的なプランや目標などは明示しなかった。(文:向 風見也)