2019年を締めくくる、年末のATP世界ランキングが発表され、昨年に続き「ビッグ3」がトップ3を独占した。これを踏まえて、トップ20のうち年間で最も順位を上げた選手、下げた選手を、インドのSp…

2019年を締めくくる、年末のATP世界ランキングが発表され、昨年に続き「ビッグ3」がトップ3を独占した。これを踏まえて、トップ20のうち年間で最も順位を上げた選手、下げた選手を、インドのSportstar誌が伝えている。

■ランキングを大きく上げた選手たち

マッテオ・ベレッティーニ(イタリア):年末ランキング8位(44位アップ)

2019年を世界ランキング8位で終えたベレッティーニの活躍は、記憶に残るものだった。

「ATP250 ミュンヘン」で準優勝、「ATP250 シュツットガルト」と「ATP250 ブダペスト」の2大会で優勝し、世界ランキングは年初の52位から8位へ急上昇。「Nitto ATPファイナルズ」では、グループステージの最後の試合でドミニク・ティーム(オーストリア)を破り、同大会でイタリア人選手として初勝利をあげた。

スタン・ワウリンカ (スイス):年末ランキング16位(43位アップ)

現在世界ランキングにおいて、ロジャー・フェデラー(スイス)に次いでスイスで2番目に高位の選手となっているワウリンカ。グランドスラムで3回優勝した経験を持ちながらも、怪我に苦しみ2018年6月にはランキングを263位まで落としていた。今年は59位からスタート、2月には68位まで下がってしまったが、その後はどんどん調子を上げ、アントワープとロッテルダムで準優勝した。

ガエル・モンフィス(フランス):年末ランキング10位(22位アップ)

モンフィスは驚異的な身体能力を持ち、コート上では常に存在感を示しながらも、期待されるほどの結果を残せていないと批判されてきた。しかし今シーズンは一転し、周囲が納得する結果を出した。優勝こそ「ATP500 ロッテルダム」での一回だけだったが、ベスト8に10回進出、最終的にトップ10に食い込んだ。

選手名/2019年末順位/年始順位/順位の変動幅

ラファエル・ナダル(スペイン):1位/2位/+1

ノバク・ジョコビッチ(セルビア):2位/1位/-1

ロジャー・フェデラー(スイス):3位/3位/0

ドミニク・ティーム(オーストリア):4位/8位/+4

ダニール・メドベージェフ(ロシア):5位/16位/+11

ステファノス・チチパス(ギリシャ):6位/15位/+9

アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ):7位/4位/-3

マッテオ・ベレッティーニ(イタリア):8位/52位/+44

ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)/9位/23位/+14

ガエル・モンフィス(フランス):10位/32位/+22

ダビド・ゴファン(ベルギー):11位/22位/+11

ファビオ・フォニーニ(イタリア):12位/13位/+1

錦織圭(日本/日清食品):13位/9位/-4

ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン):14位/19位/+5

デニス・シャポバロフ(カナダ):15位/27位/+12

スタン・ワウリンカ(スイス):16位/59位/+43

カレン・ハチャノフ(ロシア):17位/11位/-6

アレックス・デミノー(オーストラリア):18位/29位/+11

ジョン・イズナー(アメリカ):19位/10位/-9

グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア):20位/21位/+1

ビッグ3は引き続き好調

世界ランキングトップ3は、またしてもナダル、ジョコビッチ、フェデラーの「ビッグ3」が独占した。

11月4日にナダルがジョコビッチに代わり世界ランキング1位になったが、ジョコビッチは「Nitto ATPファイナルズ」での戦績次第で世界1位に返り咲くチャンスがあった。しかし、ジョコビッチは同大会でフェデラーに敗れてグループステージ敗退、順位の逆転はならなかった。ナダルは今季「全仏オープン」「全米オープン」の2つのグランドスラムと、「ATP1000 ローマ」「ATP1000 モントリオール」の2つのマスターズ1000大会で優勝。5度目の年末1位に輝いた。

ジョコビッチは、ティームと同じく今シーズン最多の5タイトルを獲得し、世界ランキング2位でシーズンを終了。「全豪オープン」と「ウィンブルドン」を制したジョッコビッチは、皮肉にも11月3日に「ATP1000 パリ」で優勝した翌日に、世界1位から陥落してしまった。

フェデラーは3年連続、通算15回目の世界ランキングトップ3以内でシーズンを終了。「ATP500 バーゼル」「ATP500 ハレ」「ATP500 ドバイ」「ATP1000 マイアミ」の4大会で優勝、「ウィンブルドン」では最終セットでマッチポイントを握るも、ジョコビッチに敗れて準優勝。38歳のフェデラーは、年間を通して同じランキングを維持し続けた唯一のプレーヤーとなった。

■ランキングを最も下げた選手

ジョン・イズナー(アメリカ):年末ランキング19位(9位ダウン)

34歳のイズナーの、今シーズンの戦績は30勝18敗、優勝は「ATP250 ニューポート」での1回のみ。プレーが安定せず、デミノー、シャポバロフ、ゴファンらが好調だったこともあり、10位から19位に順位を落としてしまった。

カレン・ハチャノフ(ロシア):年末ランキング17位(6位ダウン)

198cmの長身のハチャノフは、昨年、強烈なフォアハンドで皆を驚かせ、ビッグ3の時代を終わらせる注目の若手として期待された。ところが今シーズンの戦績は30勝29敗、一度も決勝進出すらならなかった。

(テニスデイリー編集部)

※写真は左からベレッティーニ、ワウリンカ、モンフィス

(©Getty Images)