アメリカ・ニューヨークで開催されている 「全米オープン」(8月29日~9月11日/ハードコート)の男子シングルス4回戦で、第9シードの ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)が第26シードのジャック・ソック(アメリカ)を4セットの戦…

 アメリカ・ニューヨークで開催されている 「全米オープン」(8月29日~9月11日/ハードコート)の男子シングルス4回戦で、第9シードの ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)が第26シードのジャック・ソック(アメリカ)を4セットの戦いの末に下し、2年連続の準々決勝進出を決めた。

 第3セットのタイブレークでひとつあったマッチポイントを決め損ねたあと、ツォンガは第4セットでソックを圧倒し、6-3 6-3 6-7(7) 6-2で勝利を収めた。

 ツォンガは試合後、「3セット目を落としたことによる精神的な悪影響はなかったよ。すぐに戦いに戻らなければならなかったからね。ソックは母国で多くの観客を味方につけての試合だったし、いいプレーをしていた。僕には後悔することは何もない」と言った。

 「ただ勢いに乗って続けるだけだった。僕は自分のやるべきことを続け、おかげで勝つことができたんだ。大会の出だしから気分も調子もいい。すごく満足しているよ」  勝ち残っていた唯一のアメリカ人男子プレーヤーだったソックは、自身初のグランドスラム大会準々決勝進出を狙っていた。2011年以降、全米オープンの男子シングルスでベスト8に進出したアメリカ人はいない。

 ソックは3回戦で2014年全米覇者のマリン・チリッチ(クロアチア)を、一度もブレークポイントに直面することなく下したが、この日はサービスエースも5本にとどまり、6度にわたってサービスをブレークされた。

 2008年全豪準優勝者のツォンガにとって、全米は少なくとも準決勝に進出していない、唯一のグランドスラム大会だ。

 ツォンガは準々決勝で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と21歳のカイル・エドマンド(イギリス)の勝者と対戦する。このふたりの試合がどうなることを望むかと聞かれたツォンガは、「(疲れるように)本当に、すごく、すごく長い試合」とジョークを言った。  また、ジョコビッチが勝ち上がってきた場合の対策については、「彼が相手の場合は、特に正しい選択をしないとね。彼にイージーポイントを与えないようにしなければいけない」と話した。

 「優勝候補は誰か? 難しいね。可能性を持った選手は数人いる。マレーとジョコビッチが優勝候補だが、野望を持っているのは彼らだけじゃない。彼は今、いわゆる絶好調ではないが、それでも今年多くの勝利を挙げている」  より早い時間に行われた4回戦では、第10シードのガエル・モンフィス(フランス)がマルコス・バグダティス(キプロス)を6-3 6-2 6-3で下し、準々決勝に駒を進めた。  「いい試合ができたと思う。戦略をしっかり準備し、いいスタートを切った。風がよりあった分、3回戦のときと違うコンディションにも順応できた」と試合後のモンフィス。「今のところうまく進んでいるが、フォアハンドにやや思いきりが足りなかったし、よりアグレッシブにいくべきショットで少しためらいがあった。僕はまだ100%の状態じゃない」と現状を分析した。  一方、バグダティスはこの試合のエンドチェンジの間に、携帯電話を使った角で審判から警告を受けた。

 2006年全豪オープン準優勝者のバグダティスは、第2セットで1-4とリードされていたときに、コートサイドの椅子に座り、膝の上にあった白いタオルの近くで携帯電話をいじくり始めた。  ルールでは試合中に携帯電話を使うことは禁止されており、主審のアリソン・ヒューズは、彼が何をしているかに気づいた。後にバグダティスは、妻にメッセージを送ろうとしていたと記者たちに話している 

 なお、より遅い時間の4回戦でも、さらにフランス人が活躍した。第24シードで22歳のルカ・プイユが、ラファエル・ナダル(スペイン)を6-1 2-6 6-4 3-6 7-6(6)の大接戦の末に破るという金星を挙げた。これはプイユにとってキャリア3度目の5セットでの勝利で、そのすべてがここ3試合で起きている。

 この日はツォンガ、モンフィス、プイユのフランス人3人がベスト8進出を決め、フランスにとって吉日となったが、準々決勝ではモンフィスとプイユが対戦することになるため、次のラウンドでは、最低でもひとりが脱落することになる。(C)AP(テニスマガジン)